掃除をしていたら10年以上前の銀行通帳が出てきました。預金額は数百円なので、このまま放置してもよいのでしょうか？

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月18日 4時10分

さまざまな理由で、銀行口座を放置してしまうこともあるのではないでしょうか。引っ越しなどで近隣に店舗がなければ、そのまま取引をせずに時間だけ経過してしまうでしょう。なお、入出金などの取引を行わずに銀行口座を放置すると、休眠預金として取り扱われます。預金保険機構へ資金が移管されてしまい、引き出しや解約をする際には所定の手続きが必要です。本記事では、休眠預金の概要をはじめ、引き出すための手続きや注意点などを解説します。放置したままの口座を見つけたら、引き出しと解約のどちらがよいのかを考えて、迅速に手続きを行ってください。

入出金などの取引が10年以上ない口座は休眠預金扱いになる

入出金などの取引が10年以上行われていない銀行口座は、休眠預金扱いになります。休眠預金の対象は以下のとおりで、資金は順次「預金保険機構」に移管される仕組みです。

【休眠預金になる預金】※一般社団法人全国銀行協会より引用

●普通預金
●定期預金
●当座預金
●別段預金
●貯蓄預金
●定期積金
●相互掛金
●金銭信託（元本が補てんされるもの）
●金融債（保護預かりのもの）

なお、すべての預金が休眠預金の対象になるわけではありません。以下については、休眠預金の対象にならない預金です。

【休眠預金にならない預金】※一般社団法人全国銀行協会より引用

●外貨預金
●譲渡性預金
●金融債（保護預かりなし）
●財形年金・住宅
●仕組預金
●マル優口座

休眠預金になる前に郵送や電子メールなどで通知が届く

預金残高が1万円以上の場合に限りますが、休眠預金になりそうな預金（最終取引から9年が経過）に対し、郵送や電子メールで通知が届きます。通知を受け取れた場合は、休眠預金として取り扱われません。ただし、銀行に登録した住所やメールアドレスに変更があると通知の受け取りが難しいです。その場合は、休眠預金として取り扱われる可能性を高める点に注意してください。

通帳残高が数百円でも、記帳されていないだけの場合もあります。銀行から休眠預金として取り扱われる旨の通知が届いたら、速やかに対応しましょう。

銀行によっては口座管理手数料が発生する

入出金などの取引が一定期間以上ない銀行口座については、未利用口座管理手数料が発生します。すべての銀行が未利用口座管理手数料を徴収するわけではありませんが、金額は銀行によりますが年間1320円（税込）程度です。睡眠預金と同様に対象者へ通知が届き、一定期間経過後も取引を確認できない場合は、未利用口座管理手数料の徴収に至ります。

休眠預金は取引のあった銀行で引き出せる

放置したままの銀行口座が休眠預金になったとしても、引き出しや解約といった手続きが可能です。金融庁でも、「休眠預金などになっても取引金融機関で引き続き引き出しが可能」と伝えています。

手続きに時間を要する可能性が高い

休眠預金を引き出したり、解約したりする際には、ATMではなく金融機関の窓口で手続きを行ってください。また、手続きを行う際には、通帳やキャッシュカード、証書、印鑑、本人確認書類などが必要です。

また、来店の手間がかかるだけでなく、通常の預金取引よりも手続きに時間を要する場合がある点に注意してください。

銀行の統廃合によって取引店舗がない場合がある

古い銀行口座になると、銀行の商号変更、統廃合などで銀行名や店舗名に変更が発生している場合があります。銀行名や店舗名に変更があっても休眠預金の引き出しや解約は可能です。「存在していたはずの銀行や店舗が存在しない」となったら、公式サイトなどから手続きを行うべき銀行や店舗を探してみてください。

10年以上取引のない銀行通帳を見つけたら速やかに手続きを進めよう

銀行口座を10年以上放置すると、休眠預金として預金保険機構へ移管されます。休眠預金の引き出しや解約は可能ですが、店舗へ来店する時間や手間がかかることを認識しておきましょう。また、銀行によっては口座管理手数料が発生する、または現在は発生しなくても将来的に変更になる場合がある点に注意が必要です。分からない場合は、銀行に問い合わせて早めに対処するようにしましょう。