両親が旅行のホテルを「決められないから3つ予約してる」と言っています。「残り2つはギリギリでキャンセルすればいい」とのことですが、問題ないのでしょうか? ブラックリストに載る場合もあるのですか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月19日 4時40分
旅行の手配をする際、近年はインターネットでホテルを予約する人は多いと思います。予約段階ではどのホテルにするか決められず「とりあえず気になる施設を複数予約して、後でキャンセルしよう」と考える人もいるようです。 しかし、もしホテルを3軒も予約して、直前でキャンセルした場合のキャンセル料はどうなるのでしょうか? また、何度も繰り返すとブラックリストに載ることはあるのでしょうか? 本記事では、ホテルのキャンセル料の仕組みやキャンセルによるトラブルの実態について解説します。
ホテルのキャンセル料はいつからかかる?
ホテルのキャンセル料は、宿泊日が近づくにつれて高くなるのが一般的です。ほとんどのホテルでは、予約時点ではキャンセル料がかかりませんが、宿泊日の数日前から一定の割合で発生します。例えば、次のような形で設定していることが多いでしょう。
・7~4日前:宿泊料金の20%
・3~2日前:宿泊料金の50%
・1日前:宿泊料金の80%
・当日:宿泊料金の100%
・無断キャンセル:宿泊料金の100%
この例で見ると、1人1泊5万円のホテルを2人分予約していた場合、キャンセル料が発生する期間に入ると、最低でも2万円、当日キャンセルや無断キャンセルだと満額の10万円かかってしまいます。
ただし、これはあくまで一般的な例であり、人気の高い観光地や高級ホテルでは、キャンセル規定がさらに厳しいこともあるのです。
もし3軒のホテルを同時に予約し、後からキャンセルする場合でも、キャンセル規定を守っていれば問題ありません。ただし、宿泊直前のキャンセルはホテル側にとって大きな損失になるため、なるべく早めの対応を心がけましょう。
ブラックリストに載ることはない?
キャンセル料がかからない期間内に適切にキャンセルすれば、キャンセル規定に違反していないため、ブラックリストに載る心配はないでしょう。
しかし、無断キャンセルを繰り返していたり、規定のキャンセル料を支払っていない過去があったりするなどの事情があれば、悪質な客とみなされる可能性があります。
急なキャンセルは、当日の宿泊料金だけでなく、準備していた食材や人件費などにも影響します。例えば、宿泊費1人5万円に加え、本来発生するはずだった飲食代金や、食材の廃棄コストもホテルの損失となります。
そのため、ホテル側はこうした損害を防ぐために、キャンセル履歴を記録し、今後の予約が取りにくくなるなどの対策を取る可能性もあるでしょう。
ネット予約のトラブルは増加している
国民生活センターの発表によると、2022年の旅行トラブル全体に占める「インターネットで予約した旅行に関するトラブル」の割合が51.9%で、2018年以降、最多となっています。
相談内容には、「1週間前に申し出たにもかかわらずキャンセル料が宿泊料の100%だと言われた」「ホテルと航空券を予約しキャンセルしたところ、ホテルは無料でキャンセルできたが航空券はキャンセル料がかかった」といったケースがあります。
これらのトラブルを防ぐために、事前にキャンセルポリシーや予約の変更手続きの規定をしっかり確認しましょう。キャンセル料がいつから発生するのか、航空券のキャンセル規定が別のページに記載されていないかなど、規約をよく読み込んでおきましょう。
そして、不要な予約はできるだけ早くキャンセルするのが賢明でしょう。なお「とりあえず予約」や「仮押さえ」を禁止しているホテルもあり、そのような予約と判明した場合はホテル側から予約を取り消されることもあるようです。
まとめ
複数のホテルを予約しても、キャンセル規定を守ってキャンセルすれば問題はなく、ブラックリストに載る心配もないでしょう。
しかし、ホテルの予約は簡単にできる反面、キャンセル時に思わぬ出費やトラブルが発生する可能性があります。キャンセル規定をしっかり確認し、無断キャンセルは避けることが重要です。
不要な予約は早めに整理し、リスクを最小限に抑えて旅行を楽しみましょう。
出典
独立行政法人 国民生活センター インターネットで予約したホテルや航空券のトラブル キャンセル条件など、契約内容は自分自身でよく確認!
執筆者:渡邉志帆
FP2級
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