通販サイトから返金しますという知らせが! 「特定のコード決済でしか返金できない」と言われ、指示通りに操作したら送金してしまった……どうしたらいい?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月18日 5時20分
「返金」や「還付金」があると言われれば、誰もが受け取る手続きを行おうとします。 役所等をかたり、ATMやインターネットバンキングの使い方を知らない消費者をだます「還付金詐欺」に続き、コード決済の使い方を知らない消費者をだます「返金詐欺」が発生しています。どちらも、受け取るつもりで「送金」や「決済」の手続きをしてしまったというもの。 スマートフォンの普及により、どこにいてもネットショッピングを楽しめる一方で、詐欺の被害を受ける危険があります。 独立行政法人国民生活センターの令和6年7月31日発表資料より、自分の身を守るために、手口から、何に気を付けたら良いのかを知っておきましょう。
増えている返金詐欺
『ネットショッピングで商品を購入したが、「欠品のため、コード決済アプリを使って(○○Payで)返金する。返金は○○Payのみ」と言われ、業者の指示に従って「返金」手続きをしたところ、実は「送金」の手続きだった』という新手の詐欺。
銀行口座で受け取る場合は、受け取る操作はなく、受け取る側は何も操作しなくても振り込まれますが、コード決済(○○Pay)では受け取る側の操作が必要です。
○○Payでの受け取り方を知っている場合は、手続き中に「送金」手続きであることに気がつきますが、知らない場合は、業者に言われるように手続きを進めるしかありません。
2023年9月に、独立行政法人国民生活センターより注意喚起が行われましたが、図1のように、国民生活センターに相談が続いているため、2024年7月に、再度注意を呼びかけています。
「○○Payで返金します」は詐欺を疑いましょう
以下のような相談事例があります。
(1)洋服代金の返金を受けるために相手の指示に従ったところ、約10万円を送金していた(通販サイトで洋服6000円を購入)
(2)相手から限度額の引き上げを指示された後、送られてきたURLをタップしたところ自分が約20万円の支払いをしていた(オークションサイトでブランドバッグ着6000円で落札)
(3)相手から「返金できなかった」と言われ、指示通りコード決済アプリを操作したところ、2日間で合計約100万円分を他人のマネーにチャージしていた(通販サイトでバイク用品約2万円購入)
どれも、返金は○○Payのみとなっており、「返金」手続きのためにLINEの友達登録するよう言われます。LINE電話で手続きの指示をされ、LINEに送られてきた支払いリンクをタップ、または支払金額を入力させられています。
そして、返金してほしい商品代金額より、コード決済の金額が高額になっています。数千円の代金に対し、被害額は10万円、20万円、特に事例の(3)については、何度も支払わせることで被害額が高額になっています。
そもそも、商品購入時に、「プリペイド型電子マネー」や「銀行口座への振り込み」で支払っているのに、支払いに使ってない「○○Payで返金します」は不自然です。指示に従わずに、消費者ホットライン(局番なし188)、またはお住まいの地域の消費生活センターへ相談しましょう。
被害に遭ってしまったら、コード決済サービス事業者へ連絡、警察(警察相談専用電話#9110)へ相談しましょう。
被害に遭う前にサイトのチェック
最初からお金をだまし取るための偽サイトの場合もあります。そもそも、商品購入をしなければ、返品被害に遭いません。少なくとも、取引相手の情報(名称、所在地、連絡先、販売責任者等)は確認しましょう。また、以下のようなサイトは、詐欺サイトの可能性があります。利用前にチェックしましょう。
●サイト内の日本語が正しく表記されていない
●市場では希少であり入手困難なものが、このサイトでは入手可能となっている
●ブランド、メーカー品で価格が通常より安い
●支払方法が銀行振り込みや電子マネーに限定されている。振込先の銀行口座の名義が個人名である
●キャンセル、返品、返金のルールがどこにも記載されていない
●サイト上に事業者の名称、住所、電話番号が明確に表記されていない
他にも、商品が送られてこない他、送られてきたら粗悪品だった、別の商品が送られてきたなど、通信販売にはさまざまなトラブルが起こる場合がありますが、通信販売は、クーリング・オフできません。
数量、価格、支払時期・方法、引き渡し、返品・解約、申込期間(期限のある場合)について、「最終確認面」で確認し、スクリーンショットで残しておきましょう。
出典
独立行政法人国民生活センター 引き続き返金詐欺に注意! 「○○ペイで返金します」と言われたら詐欺を疑って!
消費者庁 特定商取引法ガイド 通信販売における“最終確認画面”について
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者
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