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実家の母から「タンス預金100万円が見つかった」と連絡が! 車の買い替えの足しにしたらしいけど、「無申告」で大丈夫なの? 税務上の問題と対処法を解説

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月19日 2時20分

実家の母から「タンス預金100万円が見つかった」と連絡が! 車の買い替えの足しにしたらしいけど、「無申告」で大丈夫なの? 税務上の問題と対処法を解説

銀行に預けず、自宅に保管する現金のことをタンス預金といいますが、タンス預金をしている本人が、その存在を忘れてしまうことも少なくありません。   タンス預金が見つかった場合、喜びのあまり大きな買い物に使ってしまうことがあるかもしれませんが、タンス預金の出どころによっては、正しい処理をしないと後に税金の問題が発生することがあり、注意が必要です。   本記事では、タンス預金が見つかったときの税務上の問題と対処法を解説します。

タンス預金自体に違法性はない 自分のお金であれば使って良い

タンス預金には違法性はありません。タンス預金を相続税や贈与税を逃れるために使う人も一定数いるようなので、タンス預金自体が違法と思われがちですが、自分のお金をタンス預金することには全く問題がないのです。
 
例えば、今回出てきたタンス預金が、自分が働いて給与や賞与としてもらい、そのときに適切に所得税や住民税を納めていたならば、新たに課税されることはありません。
 
したがって、まずはタンス預金が誰のお金なのか確かめることが大切です。
 

家族のお金だった場合は贈与税や相続税がかかる場合も

もし、その100万円が母自身のお金でなく、家族のものであった場合、贈与税や相続税の問題が発生します。正しく申告、納税をしないと税務署に指摘されペナルティを受ける可能性があるのです。
 

生きている家族のお金だったら贈与税がかかる可能性があるが……

生きている家族の了承を得て、そのお金で自分名義の車を購入した場合、贈与となるため贈与税が発生することとなります。
 
ただし、贈与税には年間110万円の基礎控除があり、この金額を超えなければ申告の必要はありません。今回のケースで見つかったお金は100万円なので、同じ年にほかの贈与を受けて合計で110万円を超えていないのであれば、贈与税はかからず車の購入に使っても問題ないでしょう。
 
また、ほかの贈与と合わせて年間110万円を超えたとしても、今回見つかったタンス預金に関しては贈与税の対象外となるかもしれません。
 
国税庁によると「扶養義務者から生活費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」は贈与税がかからない財産とされています。車がなければ生活ができないなど、今回見つかったお金の使い道が生活費として認められるものであれば、贈与税はかからないのです。
 

すでに亡くなっている家族のお金の場合は相続税の支払いが必要

一方、もしすでに亡くなった家族のお金である場合は、相続税の問題が発生します。まだ相続税の申告が終わっていない場合は、相続財産としてカウントしなければなりませんし、相続税の申告が終わっている場合は、修正申告の上で相続税を納めなければなりません。
 
納付期限をすぎている場合は、年14.6%(納付期限から2ヶ月以内の部分に対しては年7.3%)の延滞税が日割りでかかるので、1日も早く修正申告し相続税を納付しましょう。
 
タンス預金であっても、税務署から資金の出どころについてのお尋ねが来ることもあります。税務署の指摘により相続財産の申告漏れとみなされると、過少申告加算税が課されるため、正しく申告することが大切です。
 

タンス預金を使う前に誰のものか考えて適切な手続きを!

タンス預金を使う際は、そのお金が誰のもので、どのように得られたのかをきちんと確認してから使うことが大切です。
 
もともと自分のお金であれば特に問題はありませんが、家族のものである場合、贈与税や相続税が発生するかもしれません。タンス預金が見つかって喜んで使ってしまう前に、しっかりと税務上の手続きを確認し、適切に対処しましょう。
 

出典

国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.9205 延滞税について
国税庁 No.2026 確定申告を間違えたとき
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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