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昨年仕事を辞めたのに「住民税」を未だに払いつづけています。なぜですか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月19日 1時20分

昨年仕事を辞めたのに「住民税」を未だに払いつづけています。なぜですか?

仕事を辞めるとき、気にしなければならないのは当面の生活費だけではなく、「住民税」という税金についても考えなければなりません。特に住民税は、仕事を辞めた後も1年間支払いが続く可能性もある税金です。   今回は、なぜ退職後も住民税を支払わなければならないのか、解説していきます。

住民税はなぜ1年遅れでやってくるのか

1年前に仕事を辞めたにもかかわらず、住民税が発生する理由は簡単です。住民税は、前年の所得に基づき遅れて発生するからです。決して税務署や市区町村役場のミス、自身の手続き漏れなどではありません。
 
具体的にいうと、住民税は前年の1月1日から12月31日までの所得を基にして課税されます。基準が前年1年間なので、昨年仕事を辞めており、現在仕事をしていない状態でも、住民税が発生することになるのです。
 
また、人によっては「退職時に残りの住民税を全額支払ったのに、なぜか今年も発生する」と思った方もいるかもしれません。これについては、住民税の支払い時期も問題になります。住民税の発生の有無や額は1月から12月の間の所得を基に計算されますが、そこで計算された住民税は、翌年6月からその翌々年5月までの間に支払います。
つまり、2024年1月から12月までの所得に対する住民税の支払いは、2025年6月から2026年5月までの間に行うのです。
 

住民税の額はどれくらい?

住民税の金額を見たとき「高い」と感じる方もいるかもしれません。しかし、それも当然で、住民税は税率が10%(市町村民税が6%、道府県民税が4%)となっているからです。参考までに、東京都江東区において年収480万円の単身者の方の場合、住民税の目安額は、年額で24万7500円となります。月換算では、なんと2万円ほどにもなります。
また、年収600万円で所得なしの配偶者と6歳の子どもを扶養している方の場合、住民税の目安額は年額30万500円となります。月換算では2万5000円ほどになります。
 
このように、住民税の額は年収や家族構成などによって大きく異なります。「住民税の額が高すぎる」と感じたり、金額に間違いがないか不安になったりしたときは、住民税について管轄している住所地の自治体へ確認してみてください。
 

住民税の支払いが苦しいときは?

仕事を辞めていて住民税の支払いが難しいという場合、住民税について分割納付や猶予を受けることができるケースがあります。また、けがや病気で資力回復の見込みが2年以上ないときなど、一定の場合には減免を受けられることもあります。
 
住民税の分割納付や猶予、減免を希望する際は、各自治体が住民税について管轄する部署を設置しているので、相談はそこですることができます。ただし、いずれの場合においても手続きが必要となる上、それぞれ厳格な要件が定められています。
 
手続きを面倒に感じたり、「要件を満たせなかったらどうしよう」と考えたりしても、絶対に住民税を支払わないまま放置はしないでください。住民税の支払いが遅れると、督促状や催告書の送付を経て、最悪の場合は財産の差し押さえなどの滞納処分がなされることもあります。また、支払いが遅れた期間に応じて延滞金がかかる場合もあります。
 
「支払いが難しいから」と放置せず、自治体に相談や確認をするようにしてください。
 

まとめ

住民税は1月から12月までの所得を基に計算し、翌年6月から翌々年5月までの1年間に分けて支払います。そのため、1年前に仕事を辞めていても、住民税が発生することは珍しくありません。
 
住民税の支払い時期は、所得の発生時期から大きくずれるような仕組みになっています。もし、仕事をしていない状態が続き、住民税の支払いが難しいというときは、滞納はせず、速やかに住所地の自治体へ相談してください。
 

出典

江東区公式ホームページ 住民税の税率・計算例(その1)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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