35歳の友人が昇進して部長になりました。年収は教えてくれなかったのですが、部長だと「1000万円超え」も珍しくないのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月20日 2時0分
企業には、係長や課長・部長などさまざまな役職があります。一般的には役職が高くなるにつれ、報酬額も高くなるものです。 今回は昇進して部長になった友人の年収についての質問ですが、1000万円を超えているかどうか一概にはいえません。企業によって、同じ部長職でも報酬額が異なるからです。 そこで本記事では、一般的な日本企業における部長職の年収についてご紹介します。
日本の部長職の年収は約763万円
総務省統計局が公表した「厚生労働省 令和5 年賃金構造基本統計調査」によると、年齢が35~39歳の部長職に就いている男女の給与額は表1の通りです。
表1
企業規模 | きまって支給する現金給与額 (月額) |
年間賞与その他特別給与額 | 合計 |
---|---|---|---|
10~99人 | 49万5600円 (年594万7200円) |
119万5500円 | 714万2700円 |
100~999人 | 59万800円 (年708万9600円) |
168万8400円 | 877万8000円 |
1000人以上 | 62万6400円 (年751万6800円) |
171万2400円 | 922万9200円 |
10人以上 | 54万7000円 (年656万4000円) |
143万3200円 | 799万7200円 |
出典:総務省統計局「厚生労働省 賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
企業規模が10人以上のケースを見ると、平均年収は約800万円です。部長職に就いているからといって、平均的には1000万円には遠く及ばないことが分かります。
諸条件によって部長職の給与は大きく変わる
約800万円はあくまで平均値であり、実際の給与に影響する要素はさまざまです。例えば前述の調査によると、企業規模が大きいほど、月の給与や年間賞与は高い傾向にあります。
また平均額は「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与などの特別給与」のみを計算しています。仮に残業代を請求できる場合は、プラスアルファの給与が発生して1000万円に近づくかもしれません。
さらに学歴や性別も年収に大きく関係するようです。同じ30代後半で学歴が異なる部長職の場合、平均年収は以下の通りです。
●高校卒業(男女):676万9800円
●大学卒業(男女):876万3500円
高卒と大卒の平均収入(企業規模計(10人以上))を比べると約199万円もの差があることが分かりました。
同じ部長職でも、状況によって年収には大きな開きがあることが分かります。そのため人によっては30代後半の部長職で1000万円を超える可能性もあるでしょう。
40代後半、50代になると年収1000万円を超える可能性も
35歳時点では年収1000万円を超えていない可能性が高いですが、40代、50代になるに連れて部長の年収も上がっていきます。
同調査によると企業規模10人以上の会社における部長職の年齢別収入は表2の通りです。
表2
年齢 | きまって支給する現金給与額 (月額) |
年間賞与その他特別給与額 | 合計 |
---|---|---|---|
40~44歳 | 56万4400円 (年677万2800円) |
173万9500円 | 851万2300円 |
45~49歳 | 61万3600円 (年736万3200円) |
218万3000円 | 954万6200円 |
50~54歳 | 61万2600円 (年735万1200円) |
238万1500円 | 973万2700円 |
55~59歳 | 64万100円 (年768万1200円) |
239万200円 | 1007万1400円 |
出典:総務省統計局「厚生労働省 賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
45歳~49歳で年収950万円を超え、55~59歳で1000万円を超える結果となりました。そのため、平均よりも年収が高い会社で働いている場合などは、40代後半で年収1000万円に到達するケースもあり得ます。
30代後半の部長職で1000万円超えは多数派ではない
上記の調査結果を見る限り、30代後半で部長職に就いている人が年収1000万円を超えるケースは、あまりメジャーではないといえます。
しかし企業規模や学歴や労働スタイルなどの要素によっては、1000万円を超える部長も出てくる可能性があります。
また、年齢とともに年収が高くなる傾向にあるため、40代、50代と年を重ねるにつれて1000万円を超えていてもおかしくはないといえるでしょう。
出典
総務省統計局 e-Stat 厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 役職
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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