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グリーン車を定期的に利用する友人がいます。料金を払っても座れないことがあると聞きましたが、グリーン車はそんなによいものなのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月20日 5時20分

グリーン車を定期的に利用する友人がいます。料金を払っても座れないことがあると聞きましたが、グリーン車はそんなによいものなのでしょうか?

Aさんには、月に数回、仕事の都合で東京と平塚を往復しているフリーランスの友人がいます。仕事なので、東京駅から平塚駅までの往復の交通費(1166円×往復=2332円)は実費請求をしているようです。時々グリーン車を利用しており、グリーン車の料金は「自腹を切っている」のだそうです。東京駅から平塚駅までの距離は63.8kmあるので、グリーン車の料金は1000円になります(Suicaの場合)。つまり、グリーン車の料金は片道分の交通費と大差ありません。なぜそこまでしてグリーン車を利用するのか、Aさんは疑問を感じているそうです。

Aさんの友人の話

東京駅から平塚駅まで、グリーン車を利用する友人は次のように話してくれました。
 
「お金を払って時間と空間を買うという考え方です。もしグリーン車を利用せずに、普通の車両を利用することを考えてみてください。まず確実に座ることができるか否か、ハッキリしません。座ることができなければ、立ったまま眠るか、窓の外の景色を眺めるくらいの過ごし方になってしまう。運よく座ることができたとします。カバンを膝の上に置き、ノートパソコンを広げて仕事ができますが……カバンの上のノートパソコンは、いつ落ちるか分からないですし、それに隣席の人の体格によっては窮屈で、仕事を断念せざるを得ないこともしばしばです。それに何といっても、進行方向に対して90度の目線なので、パソコンは操作しづらいです。
 
グリーン車を利用した場合、東京駅から平塚駅までの時間はおよそ1時間です。この1時間の間に、仕事に集中し、仕事を先に進めることができれば、グリーン車の料金を払う価値があると私は考えます。もちろん、グリーン車の料金を払っても必ず座れる保証はありませんが、普通の車両に比べると座れる可能性は高いです。グリーン車の座席にはノートパソコンよりもひと回り大きなテーブルがあります。また何といっても、視線が進行方向と同じです。普通の車両に比べると集中力が格段に高まるんですよ」
 

グリーン車を利用するときの留意点

Aさんの友人の話を聞いて「なるほど」と思いました。グリーン車の料金を払えば、仕事に集中するための空間を確保することができ、移動する時間も「移動だけ」ではなく、「移動と仕事」の両方に生かすことができるのかもしれませんね。
 
ところで、Aさんの友人の話で気になったのが、グリーン車の料金を払ってもグリーン車の座席に必ず座れる保証がないという点です。
 
実は、新幹線等と異なり、首都圏の普通の電車のグリーン車は「座席の指定」がありません。そしてグリーン車の車両にいるだけでも、つまりグリーン車の通路やデッキに立っているだけでもグリーン車の料金を払わなければならないのです。つまり、グリーン車の料金とは「グリーン車の座席」に対する料金ではなく、「グリーン車の車両を利用する」ための料金というのが、正しい認識のようです。
 
なお、グリーン車の利用をやめる場合、グリーン車のアテンダントに申し出れば、グリーン車の料金の払い戻しができますが、車内で払い戻しをしてくれるのではなく、みどりの窓口に行かなくてはなりません。
 
グリーン車の利用は「どの時間帯が座れそうか」を見極めることも必要でしょう。
 

出典

東日本旅客鉄道株式会社 首都圏の普通列車グリーン車の料金体系を見直します(2023年12月15日)
東日本旅客鉄道株式会社 乗車前にグリーン券を買ったのにグリーン車が満席の場合はどうしたらよいですか。
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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