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30代夫婦共働きで世帯年収500万円は「低年収」ですか?子どもを持つことすら今の収入では厳しいでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月20日 11時10分

30代夫婦共働きで世帯年収500万円は「低年収」ですか?子どもを持つことすら今の収入では厳しいでしょうか?

世帯年収500万円の30代共働き夫婦は「低年収」なのでしょうか。世帯年収500万円の家庭で子どもをもつことが可能かどうか、生活費や教育費などの負担をどのようにとらえるべきか、子育ての現実を踏まえた経済状況を考察します。

子育て世帯の平均年収

厚生労働省が実施した「2023(令和5)年国民生活基礎調査」において、児童のいる世帯の1世帯あたりの平均所得金額は812万6000円でした。全世帯の平均は524万2000円となるため、およそ1.5倍の差があります。
 
また全世帯において、30代である30~39歳で区切った統計では、平均世帯所得は「608万5000円」という結果でした。これらの結果から、30代共働き夫婦で世帯年収500万円は、平均よりは「低収入」といえるでしょう。
 
参考までに、国税庁長官官房企画課の「令和5年分民間給与実態統計調査」においても、30~34歳の平均年収は431万円(男性492万円、女性345万円)、35~39歳の平均年収は466万円(男性556万円、女性336万円)という結果になっています。
 
世帯年収500万円は30代の男性の年収とほぼ等しく、共働き収入としては高いとはいえないでしょう。
 

平均の支出金額や実際の教育費とは

総務省統計局がまとめた「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、2人以上かつ勤労者世帯で、世帯主の年齢階級が40歳未満の世帯は実収入の平均が月56万9355円なのに対し、消費支出は27万704円でした。年収500万円の場合、一般的に手取り額は月33万円ほどになるため、毎月6万円ほどの金額が黒字として残る計算です。
 
しかし、子育てをするためには教育費用の準備も必要です。株式会社日本政策金融公庫によると、幼稚園から大学まですべて公立だった場合には約822万5000円、すべて私立だった場合には約2307万5000円が必要になると算出されています。
 
ソニー生命保険株式会社が行った「子どもの教育資金に関する調査2024」においても、「子どもが小学生から社会人になるまでに教育資金はいくらくらい必要だと思うか」という質問に対して「1000万円~1400万円位」が31.4%、「2000万円~2400万円位」が25.4%となり、平均予想金額は1439万円という結果でした。
 

教育資金の備え方

2024年10月分から大幅拡充される児童手当は、教育資金など子どものための貯蓄の助けになる制度です。児童手当をすべて貯めた場合、その総額は約230万円になります。
 
内閣府が実施した「児童手当等の使途に関する意識調査」(平成30~31年)において、児童手当等の使い道を聞いたところ、57.9%が「子どもの将来のための貯蓄・保険料」、27.5%が「子どもの教育費等」という結果でした。
 
また、ソニー生命保険株式会社が行った「子どもの教育資金に関する調査2024」において、進学のための教育資金の準備方法を聞いたところ、1位が56.4%で「銀行預金」、2位が43.7%で「学資保険」、3位が19.0%で「資産運用(株式投資、投資信託、NISAつみたて投資枠など)」という結果でした。
 
預貯金だけでは低金利のため資産を増やすことが難しく、資産運用に注目が集まっています。世帯年収が1000万円以上ある家庭では「資産運用」との回答が34.7%もあるなど、全体の19.0%よりもかなり高い結果でした。
 
NISAを活用すれば、一定の制限のもと、売却時の利益を非課税で受け取ることができます。児童手当の支給期間の約18年間という長期間でリスクを避けながら、教育資金の資産形成をしてみるのもおすすめです。
 

工夫次第で教育資金は用意できる

30代で世帯年収500万円は平均よりは低いと考えられますが、2人以上世帯における平均的な支出額であれば、赤字は避けられるでしょう。しかし、子どもの教育費を用意しておくためには工夫が必要です。子どもをもつのであれば、大幅拡充される児童手当などをうまく活用し、しっかりと計画的に教育資金を確保することが大切です。
 

出典

厚生労働省 2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況 II 各種世帯の所得等の状況 1 年次別の所得の状況 表7 各種世帯の1世帯当たり平均所得金額の年次推移(9ページ)、3 世帯主の年齢階級別の所得の状況 図10 世帯主の年齢階級別にみた1世帯当たり-世帯人員1人当たり平均所得金額(10ページ)
国税庁長官官房企画課 令和5年分民間給与実態統計調査 2 平均給与 [年齢階層別の平均給与] (第14図)年齢階層別の平均給与(21ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 I 家計収支の概況(二人以上の世帯) 2 二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支 表I-2-2 世帯主の年齢階級別家計収支(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)-2023年-(11ページ)
株式会社日本政策金融公庫 教育費を知ろう!お役立ちコンテンツ 教育にかかる費用は?
ソニー生命保険株式会社 ニュースリリース(2023年度) 子どもの教育資金に関する調査2024
内閣府 「児童手当等の使途に関する意識調査」(平成30~31年)のポイント 1.児童手当等の使途(予定含む)(1ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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