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うちの母は「定期預金」を利用しつづけています。「投資」のほうが、利率が高い気がするのですが、預金のメリットはあるのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月21日 22時30分

うちの母は「定期預金」を利用しつづけています。「投資」のほうが、利率が高い気がするのですが、預金のメリットはあるのでしょうか?

NISAやiDeCoなどの普及により、以前に比べ、投資に対して関心を持つ人も増えているのではないでしょうか。とはいえ、やはり一部では「投資は怖いもの」と思われていて、預貯金や貯蓄性の保険を選ぶ人もいるでしょう。   今回は、投資と比較した場合に、定期預金などの預貯金にメリットがあるのか、考えてみました。

投資を促す制度が設けられている

政府は「貯蓄から投資へ」と、資産形成における運用方法を、貯蓄から投資へシフトさせていっています。特に、幅広い層に長期的に投資を行ってもらえるように、少額投資非課税制度(以下NISA)や確定拠出年金など、投資を行ううえでの優遇税制を設けています。
 
NISAは、年間一定額まで投資した運用益が非課税となり、一人が投資できる額の上限が1800万円となる制度です。
 
一方、確定拠出年金には「企業型」と「個人型」があり、個人型確定拠出年金はiDeCo(イデコ)と呼ばれています。投資額が所得控除の対象となり、受け取るときに退職所得控除や公的年金等雑所得の対象となるなど、優遇が受けられる制度です。
 

投資に対する「リスク」

政府が投資を幅広く行ってもらいたいとしても、やはり「投資はリスクがあるから怖い」と感じる人も、少なからずいるのではないでしょうか。
 
投資は利回りが高くなる可能性はありますが、利回りが確定されているわけではなく、不確実なものです。この不確実性のことを、投資では「リスク」といいます。
 
「リスク」は、想定されている利回りに対して、短期間で見る利回りが不確実に変動することを意味します。投資では「○○%の想定利回りが期待できるものの、一方で○○%のリスクもある」という想定がなされます。
 
仮に想定利回り3%・リスク10%であれば、長い目で見たとき年利3%で増えていく可能性はありますが、時には13%ほど増える年も、反面、-7%と減ってしまう年もあります。
 
一方、「定期預金」は預貯金の一種であり、一定期間の預け入れに対して利率が確定されています。種類は「1年定期」や「3年定期」などがあり、例えば1年定期は「1年間預けると○○%の利率を約束するもの」になります。
 
定期預金は、預け入れた元本を下回ることはありませんが、経済情勢などによって、金利が変化していくリスクがあります。投資と比べると、リスクが低い商品といえるでしょう。
 

預貯金や定期預金のメリットは?

海外では政策金利が高くなっていることで、銀行などの預貯金の利率も高くなっています。日本でも、海外ほどではないですが、金利の上昇が続いています。しかし、まだ預貯金に預けても高い利率ではないので、増やすことを考えると、投資をしたほうが資金を増やせるという期待は高いでしょう。
 
では、預貯金にはメリットがないのかというと、そうでもありません。前述しましたが、投資は利回りが不確実であり、時には短期的に投資した額を下回ることもあります。
 
また、投資は長期で運用することが大切です。この理由は、長期で投資を行うことで、下振れのとき(利回りがマイナスになったとき)でも投資した元本を下回る可能性が非常に低くなる点にあります。
 
対して「定期預金」は、利率が約束されており、一定期間後には出した額に利率分のプラスされた額が戻ってきます。ですので、満期のときに受け取れる額も事前に計算することができ、短期的に投資した額を下回ることがない、というメリットがあります。
 
したがって、短期・中期的に使う目的のあるお金は「定期預金」に預けておくことで、確実に目的の時期にお金を確保できることになります。
 

まとめ

昨今、NISAやiDeCoなど投資を促す制度が周知され、投資に対して抵抗がなくなっている人もいるでしょう。一方では、「投資は損をしてしまいそうで怖い」と思い、決して高いとはいえない利率の定期預金で、資金を運用している人も見受けられます。
 
長期的な視点で、インフレに対応できるよう考えるのであれば、積極的に投資をするほうが、実質的な損失を避けることはできるでしょう。しかし短期・中期的に使う目的の資金では、投資した元本を下回った場合、資金不足となりかねません。短期・中期的に使う目的のものであれば、元本を確保しながら運用しておける「定期預金」に預けておくのも大切です。
 

出典

金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに?
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー

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