「月200時間」働いていますが、月給は20万円です。時給で計算すると「最低賃金」を下回っているのですが、“月給制”なら関係ありませんか? 法律違反になるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月23日 4時20分
「基本給+各種手当+残業代」などで月の給与が決まる月給制だと、自分が働いている時間に対しての「時給」を意識する機会は少ないのではないでしょうか。実際に計算してみると、自分が思っているよりも時給が低い可能性も考えられます。 本記事では、毎月200時間働いているにもかかわらず月給20万円で、時給換算すると最低賃金を下回っている場合、法律違反に該当するかを解説します。
最低時給は正社員でも守る義務がある
時給はアルバイトやパートなどの働き方をしている人にしか関係ないものだと思われがちですが、実際には正社員や派遣社員であっても最低賃金は守られるべきものです。そのため、毎月200時間近く働いているのに、月給20万円なら最低賃金を下回っている可能性があります。
2024年10月時点の全国平均最低賃金は1055円なので、時給1000円なら最低賃金が守られてない状況であるといえます。自分で時給を計算して守られていないことが判明したら、最初に会社の担当部署に相談してください。
もしかすると最低賃金が上がったことに気づいておらず、古い金額で計算しているのかもしれません。正しい賃金をもらうことは、労働者の正当な権利です。会社に相談しても取り合ってもらえなくて対応にも不満がある場合、弁護士や労働基準監督署へ相談するのがおすすめです。
ただし、最低賃金は都道府県によって異なります。時給1000円でも最低賃金を上回っている地域もあれば、下回っているところもあるので注意が必要です。例えば、2024年10月時点で東京の最低賃金は1163円ですが、沖縄では952円です。
事業場の所在地のある都道府県で設定されている最低賃金額について確認をしてから、時給に問題はないかどうかを判断してください。日給制や週給制、月給制などにかかわらず、最低時給は守られなければなりません。
厚生労働省から最低賃金について言及されている
最低賃金制度は法律に基づいて国が賃金の最低限度を決め、使用者は最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとしています。最低賃金より低い賃金を支払うのは、労働者と使用者の間で合意があっても無効です。
最低賃金よりも低い金額しか支払っていないなら差額の支払が義務付けられており、違反には法律に基づいた罰金が決められています。地域別最低金額以上の賃金を支払わない使用者には、最低賃金法に基づいて50万円以下の罰金が科されます。
残業手当などの割増賃金も注意する
そもそもの最低賃金を割っている場合は、残業手当や休日手当・深夜手当なども注意しなければなりません。これらは時給に対しての割増率で金額が決まるため、人によってはかなりの金額が支払われていない可能性も考えられます。
例えば、残業手当は割増率が25%以上と定められており、時給が1000円なら「1000円×125%=1250円」です。毎月200時間近く働いていて月給20万円でも、その中に残業時間が含まれているなら、正規の賃金はさらに多くなると考えられます。
他にも、休日手当や深夜手当なども存在しているため、各種手当も視野に入れて本当に自分がもらっている給料が適切かどうかを判断しましょう。
まとめ
最低賃金は都道府県ごとに定められており、使用者は労働者に対して、事業場の所在する地域に定められた最低賃金以上の時給を支払わなければなりません。仮に支払っていないなら法律違反に該当して、50万円以下の罰金が科せられます。
労働者も自分の給料についてしっかりと把握して、仮に最低賃金を下回っているなら会社の担当部署、弁護士や労働基準監督署などに相談してください。
出典
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
厚生労働省 最低賃金制度とは
厚生労働省 しっかりマスター 割増賃金編
厚生労働省 東京労働局 ハローワーク墨田 令和6年度地域別最低賃金額改定のお知らせ
※2024/10/24 タイトルを一部修正いたしました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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