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娘は高校3年生で大学進学を希望しています。日本学生支援機構以外で、高校3年生が申し込める返済不要の奨学金はありますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月23日 3時0分

娘は高校3年生で大学進学を希望しています。日本学生支援機構以外で、高校3年生が申し込める返済不要の奨学金はありますか?

日本学生支援機構以外の奨学金以外にも、大学独自、地方自治体、民間育英団体など多数の奨学金があります。このうち、大学独自、民間育英団体で返済不要の「給付」の割合が高くなっています。民間育英団体の具体例や奨学金の見つけ方も含め解説します。

奨学金事業の状況

日本学生支援機構「令和元年度奨学事業に関する実態調査報告」によると、日本学生支援機構からの照会に対して、令和元年度に奨学金制度を有していると回答した団体(以下「実施団体」という)は3809団体となっています。これらの団体が実施している奨学金制度は8834制度ありました。
 
実施団体の区分別(学校、地方公共団体、公益団体、医療関係機関、営利法人、個人・その他)に見てみると、学校が最も多く1521団体で、全体の39.9%を占めており、次いで地方公共団体1100団体(28.9%)、公益団体695団体(18.2%)となっています。
 
実施団体3809団体のうち、令和元年度において奨学金を支給した実績がある団体(以下「実績有団体」という)は3627団体となっています。
 
実施団体のうち、182の実績有団体以外の団体は、奨学金制度を有していますが、令和元年度、募集要件を満たす対象者がいなかったなどの理由により、支給実績がなかった、あるいは実績不明の団体でした。
 
奨学金の支給形態には、「給付」「貸与」、給付と貸与の「併用」があります。奨学金制度8834制度のうち、給付は5887制度(66.6%)、貸与は2872制度(32.5%)、併用は75制度(0.8%)で給付が7割を占めています。
 
実施団体の区分別に見てみると、地方公共団体、医療関係機関で貸与割合が高く、学校、公益団体、個人・その他で給付の割合が高くなっています。
 

主な奨学事業実施団体の奨学金制度例

奨学金の多くは大学進学後に学校を通じて申し込みますが、高校時に申し込むことができる奨学金もあります。公益法人の返済不要の給付型奨学金のうち主なものを見てみましょう。
 
<公益財団法人 電通育英会>
■名称:大学給付奨学制度 高校時予約型 (採用予定 約100名)
■給付金額:奨学金として4年間、月額7万円を給付。また、内定者には受験等助成金として10万円(奨学金とは別に給付)、さらに奨学金給付に合わせて入学一時金として最初の1回に30万円を給付。大学入学後、海外ボランティアや海外留学などの活動をすることで、奨学期間の4年間で累計200万円までを支援する制度(海外留学・活動支援制度)がある(奨学金とは別に給付)
■応募資格:電通育英会が対象としている国立・公立高等学校166校の3年に在学し、学業・人物ともに優秀であって、評定平均が4.0以上(小数点第2位四捨五入)で大学進学に際し学資の支弁が困難と認められ、電通育英会の指定する大学(学部)への進学を希望する生徒
■併用:日本学生支援機構(JASSO)、公的団体、自治体などからの給付型・貸与型奨学金、および入学した大学における授業料免除等の学内奨学金との併用は可(他の民間企業・団体の給付型奨学金の併用は不可)
 
<公益財団法人 青井奨学会>
■名称:大学奨学金 高校3年次予約(採用予定約50名)
■給付金額:入学する大学・学部の正規最短就学期間(最大6年間)。入学一時金30万円
■応募資格:青井奨学会指定高校に3年生に在籍し、学校長の推薦がある者で、青井奨学会が指定する大学への進学を希望する者
■併用:他制度との併用可、条件あり
 
<公益財団法人 明光教育研究所>
■名称:給付奨学金(採用予定約115名)
■給付金額:最大年額50万円(1年ごとに継続申請が可能)
■応募資格:ひとり親家庭の子ども、または、以前はひとり親家庭で生活していて、現在は保護者の援助のない状態で生活している。保護者が、ケガ、病気、介護などの事情によって、就労困難な状況である、など
 
<公益財団法人 キーエンス財団>
■名称:給付型奨学金(採用予定約600名)
■給付金額:月額10万円 (4年間の総給付額は480万円)
■応募資格:大学新1年生(募集は高3の2月から開始)
■併用:貸与型奨学金・授業料減免制度は併用可、返済不要の給付型奨学金は併用不可(ただし、海外留学支援の奨学金との併用は可)
 
<公益財団法人 DAISO財団>
■名称:大学生向け給付型奨学金(採用予定人数約50名)
■給付金額:最短修業年限、月額5万円 (年額60万円)
■応募資格:新年度生(1年生)になり、日本国内の大学に入学する者(4年制の学部・学科のみ)など
■併用:日本学生支援機構を含む他の奨学金との併用可
 

主な民間の奨学金検索サイト3選

公益財団法人等民間団体の奨学金は数多くあります。しかし、あまり知られていません。これら奨学金をどうやって探したらいいのか、奨学金検索サイトを紹介します。
 

<crono My奨学金>

奨学金に関する情報収集・申請をサポート
 

<ガクシー>

日本にあるほぼすべての奨学金を網羅した国内最大の奨学金サイト
 

<Canpass>

あなたの「進学したい」を実現させる(Can)奨学金(Pass)を、自分の「キーワード」や、進路に合ったさまざまな「条件」から自由に検索することができる
 

まとめ

大学独自や民間団体の奨学金は給付型(返済不要)が多いです。民間団体の奨学金はあまり知られていませんが、数多くあります。ひとり親家庭など家庭の状況に応じた奨学金もあります。奨学金検索サイトを活用して自分にあった奨学金をみつけましょう。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 令和元年度 奨学事業に関する実態調査報告
公益財団法人 電通育英会
公益財団法人 青井奨学会
公益財団法人 明光教育研究所
公益財団法人 キーエンス財団
公益財団法人 DAISO財団
株式会社Crono Crono My奨学金
株式会社ガクシー ガクシー
一般財団法人あしなが育英会 Canpass
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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