令和7年4月から「育児休業給付金」増額で、手取り100%に!? 時短勤務で復帰する人も、給料の「最大10%」の補助が出るって本当ですか? 制度を解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月24日 2時20分
保育の無償化など子育て世帯への支援は拡充されていますが、令和7年4月以降も新たな支援が始まります。 本記事では、令和7年4月から施行される夫婦で育児休業を一定日数以上取得すると育児休業給付金が上乗せになる出生後休業支援給付と、時短勤務制度利用者に最大で賃金の10%を補助する育児時短就業給付について解説します。
実質手取り10割になる? 出生後休業支援給付とは
現行の育児休業を取得した場合、休業開始から通算180日までは休業開始前賃金の67%(手取りで8割相当)が支給されます。
令和7年4月からは、子の出生直後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、被保険者とその配偶者の両方が14日以上の育児休業を取得する場合に、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額が給付されます。
つまり、育児休業給付とあわせて給付率80%(手取りで10割相当)へと引き上げられます。ただし、配偶者が専業主婦(夫)の場合や、ひとり親家庭の場合などには、被保険者が育児休暇を取得すれば給付が受けられます。
2歳未満の子を持つ時短勤務者は最大で給料の10%を補助
現状では、育児のための短時間勤務制度を選択し、賃金が低下した労働者に対して給付する制度はありません。
令和7年4月からは、被保険者が、2歳未満の子を養育するために、時短勤務をしている場合の新たな給付として、育児時短就業給付が創設されます。
給付率は最大で時短勤務中に支払われた賃金額の10%とし、時短勤務の賃金と給付額の合計が時短前の賃金を超えないように給付率が調整されます。
制度活用でもらえる金額はいくら増えるのか?
夫婦ともに年収400万円(月給33万円)で、育児休業を28日取得した場合の出生後休業支援給付は、どのくらい支給されるのでしょうか?年収400万円(月給33万円)の場合、育児休業開始時賃金日額は、1万1000円(33万円×6ヶ月÷180日)となります。
・現行の育児休業の場合の支給額
1万1000円×67%×28日×2人=41万2720円
・出生後休業支援給付を受けた場合の支給額
1万1000円×80%×28日×2人=49万2800円
現行の育児休業よりも出生後休業支援給付を活用すると、28日間の育児休業で約8万円多く支給されます。また、子どもが1歳を迎えて、時短勤務で復職し1年間の育児時短就業支援給付を受給した場合はどうなるのでしょうか?
月給33万円のフルタイム労働(8時間)から時短勤務に変更すると、時短勤務の時間に応じて一般的に給料は以下のように減額されます。
・7時間の時短勤務:12.5%減の28万8750円
・6時間の時短勤務:25.0%減の24万7500円
仮に育児時短就業支援給付金がある場合は次のようになります。
・7時間の時短勤務:28万8750円+28万8750円×10%=31万7625円
・6時間の時短勤務:24万7500円+24万7500円×10%=27万2250円
フルタイム時の月給33万円ならば、7時間の時短勤務の場合は年間約35万円、6時間勤務の場合でも約30万円が支給されます。
なお、時短勤務を夫婦でおこなう場合は、月給が同じであれば2倍の金額を受け取れますが、時短勤務の給料が支給限度額を超えた場合は支給されないとのことです。
まとめ
令和7年4月以降は、一定期間内に夫婦でともに育児休業を14日以上取得すると、最大28日まで育児休業給付率が現行の67%から80%にアップして、実質手取り10割相当の金額となります。
また、子どもが2歳未満で時短勤務を利用した場合は、最大で給料の10%が補助されます。夫婦で時短勤務を選択すると、世帯収入の大幅な低下が課題でしたが、家計的にも大きく助かる制度になるのではないでしょうか。
出典
厚生労働省 令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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