息子が車のローンを払えなくなり、私が「200万円」を肩代わりしました。これって贈与になるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月24日 5時20分
収入が減ったり出費が増えたりといった理由で、子どもがローンを支払えなくなるケースがあります。こうした場合、親が子どものローンを立て替えてあげる家庭もあるでしょう。 しかし、親が代わりにローンを支払うと、贈与となり金額によっては課税対象です。今回は、親がローンの建て替えをしたときに贈与になるケースとならないケースについてご紹介します。
贈与になるケースとは
ローンを肩代わりしてもらって贈与になるのは、子どもが肩代わりをしてもらったまま返済しなかったり、無利子で貸していたりする場合です。国税庁によると、たとえ親子間での貸し借りであっても「あるとき払い」や「出世払い」は課税対象です。
また、相続税法第8条でも、対価を支払わなかったり著しく低い対価で債務の免除や引き受けたりしてもらったときは、その債務相当分の金額は贈与扱いになると定められています。
そのため、子どものローンを肩代わりした際、返済はいつでもよいと告げていたり、返済されている形跡がなかったりすると、あとで税務署から贈与税の申告漏れとして指摘される可能性があるでしょう。
課税対象になったときの贈与税額
今回は、1年間で受け取った金額は肩代わりしてもらった200万円として贈与税を計算しましょう。贈与税は110万円の基礎控除があるため、課税される金額は90万円になります。
贈与税を計算する際、確認しておきたい点が税率です。親や祖父母などの直系尊属から受け取った財産に対しては「特例税率」、それ以外に対しては「一般税率」が適用されます。今回は、親が子どものローンを肩代わりしたことによる贈与なので、適用されるのは特例税率です。
税率に照らし合わせると、課税金額が90万円のときは10%のため、贈与税額は9万円が課されます。課税対象になると、翌年の2月1日~3月15日までの間にローンを肩代わりしてもらった子どもが申告と納税をする必要があります。
贈与にならないケースとは
ローンの肩代わりで贈与税にならないケースの基本的な判断基準は「返済の有無」です。国税庁によると、親子や祖父母と孫など、家族を始めとする特殊な関係性の人同士におけるお金の貸し借りは、以下の条件に当てはまっていれば贈与税は課されません。
・借りた側の返済能力や返済状況から見てお金の譲渡ではなく貸し借りであると明確に認められる
・あるとき払いや出世払いにしていない
あくまでもお金の貸し借りとはっきりさせるためには、親子の名前を署名している借用書を作ったり、定期的に口座を通して返済してもらったりといった形に残る証拠を残すことがおすすめです。
なお、相続税第8条では、以下のどちらかに該当する場合は、お金を返すことが困難な部分に関しては贈与税が課されないと定められています。
・債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、当該債務の全部又は一部の免除を受けたとき。
・債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、その債務者の扶養義務者によって当該債務の全部又は一部の引受け又は弁済がなされたとき。
出典:デジタル庁 e-Gov法令検索「相続税法」
そのため、もし子どもが諸事情でお金を持っておらず、必要な額だけ代わりに支払った場合は非課税になる可能性があります。ただし、弁済が困難であるとされる明確な基準は示されていません。子どもの財産状況から考えて該当するか分からない場合は、専門家に相談した方がよいでしょう。
状況によっては贈与税を課される可能性がある
子どものローンを肩代わりした場合、子どもに対して「あるとき払い」や「出世払い」で返済するよう伝えていると、肩代わりした金額は贈与扱いになる可能性があります。
税金が課されないためには、子どもに口座を通して返済をしてもらったり借用書を作ったりするなどして「お金の貸し借り」である証拠を用意しておきましょう。もし、贈与税の課税対象になると、支払うのはお金を受け取った子ども側です。あとから税金の申告漏れを指摘されないように、分からない場合は専門家に確認しましょう。
出典
デジタル庁 e-Gov法令検索 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号) 第一章 総則 第二節 相続若しくは遺贈又は贈与により取得したものとみなす場合 第八条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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