地震のとき、アパートの「トイレ」は使っていけないって本当ですか? 出先なら分かるのですが、家にも「携帯用トイレ」を準備するべきでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月25日 5時10分
地震を筆頭に、災害が身近な存在である日本において、災害に向けた備えは必要不可欠といえます。特に、飲料水や食料と並んで重要なのがトイレにおける問題です。災害時にはトイレが利用できなくなる状況がありますが、取るべき対策が不明瞭という方もいるでしょう。 そこで本記事では、災害時に自宅で携帯用トイレの準備が必要な理由や、費用などについて解説します。
災害時にはトイレが使えないケースがある
地震にかぎらず、災害時にはさまざまな理由でトイレが使えなくなるケースがあります。トイレ自体に目立った破損がなくても、断水や給水管の破損、排水先の処理施設の整備・改修など、原因になり得るポイントは多いからです。
くみ置きの水を利用するなどして、使用不可のトイレで無理やり水を流すと、詰まりや汚水が逆流する原因になります。汚水が勢いよく逆流して便器からあふれると大惨事になり、状況次第ではトイレ自体が破損する可能性もあるでしょう。
また、アパートのような集合住宅で、同様にくみ置きの水で無理やりトイレを流すと、1階の部屋のトイレから汚水が逆流してあふれる危険性があります。自宅だけでなく、他人へ迷惑がかかるほか、相手によってはトラブルの原因になるかもしれません。
トイレが使用できない状況でも生活できるようにするため、災害時に備えたトイレの準備は必要です。
携帯トイレの利点
災害時に活躍するトイレの種類にはいくつかありますが、家庭における防災グッズとして定番なのは携帯用トイレでしょう。
携帯用トイレは洋式の便器に装着して使用する袋のタイプで、給水シートや凝固剤を使用することで水分を安定化させます。使用のたびに袋を処理するもので、消臭剤が同封されていたり、臭いや水分を漏らさないための外袋が付いていたりするものもあります。
以下に、携帯用トイレの利点をまとめました。
●電気や水がなくても使用できる
●安価で購入でき、保管に必要なスペースも少ない
●洋式の便座があれば利用可能
●洋式の便座がなくても、簡易トイレとの併用で利用可能
●在宅避難など、自宅でも使用できる
使用済みの携帯トイレの保管場所や臭い対策など、懸念点や改善の余地はまだありますが、災害時においては非常に有効な手段です。
携帯用トイレの価格と必要個数
1日当たりのトイレの回数は個人差がありますが、平均して5回ほどとされています。余裕を持って、1日当たり7回分の携帯トイレを準備しておくとよいでしょう。
防災に対する備えは最低でも3日分、可能であれば1週間分とされていますので、少なくても15~21個、できれば35~49個は準備しておくと安心です。これは1人当たりですので、家族分用意しておく必要があります。また、普段から1日当たりのトイレの回数を把握しておくと、災害時や備えの際に役立つでしょう。
携帯用トイレの価格はピンからキリまでさまざまですが、ネットショッピングでは50回分が3000~4000円程度で購入できますが、メーカーにこだわらなければ、もっと安価なものもあるでしょう。家族が多い場合は、まとまった出費になってしまいますが、もしものときに備えて準備しておくと安心です。
トイレは我慢しないように
トイレが使用できないことを理由に排せつを我慢すると、ぼうこう炎などの体調不良を引き起こす危険性があります。また、排せつ回数を減らすために水分や食事の摂取を控えると、栄養状態の悪化や脱水、エコノミークラス症候群などの健康障害の原因にもなりかねません。
災害時には、病院や診療体制が混乱している可能性も考えられます。十分な医療が受けられず、症状が深刻化するかもしれません。症状が深刻化、もしくは長期化すればその分だけ医療費はかさむため、大きな出費にもつながるでしょう。例えば、入院を伴う病気に発展した場合、かなりの支出が予想されます。
目先の支出を控えた結果、より大きな支出と健康障害を被る可能性があります。災害時に自身の健康を守るためにも、携帯用トイレの備えは必要です。
自宅にも携帯用トイレは備えるべき
災害時にはさまざまな要因でトイレが使用できなくなるため、自宅にも携帯用トイレは準備しておくべきです。トイレが満足に使用できない状況下では、体調不良や深刻な健康障害が起こる可能性があり、体だけでなく医療費による家計への負担も考えられます。
災害時の備えとして、1日当たり7回分の携帯トイレを準備しておくことをおすすめしますので、早めに準備をしておきましょう。
出典
内閣府 避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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