更新料を支払うのはもったいない…と引っ越しを繰り返す友人。「引っ越し代」でかえって大損していませんか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月25日 2時10分
賃貸物件に住んでいると、定期的に「更新」の時期がやってきて更新料を支払わなければなりません。 「更新料を支払うのはもったいない」という理由で、更新前に引っ越すことを繰り返している人がいる場合、実は損をしているのではないかと疑問に思うこともあるでしょう。 本記事では、賃貸物件の更新料の金額や発生時期をはじめ、引っ越しにかかる料金との比較について詳しく解説します。
賃貸物件の更新料とは?
国土交通省によると、更新とは「期間満了後に賃貸借契約を引き続き存続させるための手続き」のことです。つまり、更新料は賃貸借契約を延長する際の手続きにかかる費用ともいえるでしょう。
更新料については法律で定められているものではないため、賃貸物件の大家さんや管理会社の判断で決まります。そのため、更新料の支払いが発生しないケースもあれば、金額も物件によって異なるようです。基本的に、賃貸借契約書に「更新料の支払いが必要」という記載がある場合は、支払う必要があります。
賃貸物件の更新料は一般的に2年ごとに発生するケースが多く、更新日の1~3ヶ月くらい前になると更新の通知が届く場合もあれば、退去の意思を伝えずにいると自動的に更新される場合もあります。
更新料の相場は家賃の1~2ヶ月分程度といわれていますが、地域や物件によって大きく変わってくる場合もあるため、賃貸借契約の際によく確認しておきましょう。また、物件によっては更新料だけでなく、火災保険料などが発生する場合もあるので注意が必要です。
更新料を支払って住み続けるのと引っ越しを繰り返すのではどちらが安い?
例えば、賃料が8万7000円、管理費等が9000円の賃貸物件に住んでいるとして、更新料を支払って住み続けるのと、更新のタイミングで引っ越すのとではどちらが安く済むのかを計算してみましょう。
この物件の更新期間が2年間、更新料は賃料の1ヶ月分とし、更新手数料が1万1000円(税込み)発生するとします。そのまま住み続ける場合、更新時の費用は8万7000円+1万1000円=9万8000円です。
一方、引っ越す場合には、引っ越し業者に依頼する費用以外にも、新居の敷金や礼金・前家賃・仲介手数料・保証会社利用料・火災保険料などがかかると考えられます。
相場としてはこれらの初期費用だけで家賃の6ヶ月分程度といわれているため、同じくらいの家賃の賃貸物件に引っ越したとしても、50万円以上かかる可能性があります。
これに、引っ越し業者に依頼する場合の費用が5万円程度かかるとすると、さらに高額になるでしょう。更新料を支払ってそのまま住み続けた方がお得であると考えられます。
引っ越し代の方が高くても引っ越した方がよいと感じるケースとは?
費用面だけで判断するのであれば、引っ越さずに更新料を支払った方が安く済む可能性が高くなります。しかし、それ以外にも引っ越しを検討する理由がある場合は、今より安い家賃の物件に引っ越すなどの方法を考えてもよいかもしれません。
例えば「駅から遠くて通勤時間が長いので改善したい」「狭くて生活しづらいので広い部屋に住み替えたい」など、今の暮らしに不満を感じているのであれば、更新のタイミングで引っ越すことも検討してみましょう。
更新料を支払うより引っ越した方が高くつく可能性がある
賃貸物件に住んでいると、決められた契約期間ごとに更新料が発生する場合があります。相場としては家賃の1~2ヶ月分程度といわれているため、支払いがもったいないと感じて引っ越しを検討する人もいるかもしれません。
しかし、引っ越す場合は家賃の6ヶ月分程度といわれる「初期費用」がかかるほか、引っ越し業者に依頼するための費用もかかります。そのため、更新料を支払ってそのまま住み続けた方が安く済む可能性が高いでしょう。
もちろん「それでも引っ越したい」と感じる理由がある場合は別なので、更新料を支払う前によく考えてみることをおすすめします。
出典
国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版) 第2章 入居中 1.更新 (1)更新の定義(27ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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