小学生の娘が「友だちがみんな私立中学を受験するから受験したい」と言います。どのくらいお金がかかるのでしょうか? みんなと同じ私立のほうがよいのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月26日 3時30分
子どもの教育費は「人生の三大費用」といわれています。このため、資金計画上、教育費を抑えるために子どもの進路を小学校・中学校については「公立」に通うことを前提とすることはよくあります。 そのようななか、小学生の子どもに「友だちがみんな私立中学を受験するから受験したい」と言われたら、どうでしょう? 子どもの望む方向に進ませてあげたい、と考えるのが親心ではないでしょうか。 そこで本記事では、私立中学はどのくらいお金がかかるのか、私立中学校のほうがよいのかについて解説します。小学生以下のお子さんを持つ方の参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。
私立中学はどのくらいお金がかかるのか?
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、私立中学校の1年間の学習費総額は143万6353円です。ここでいう学習費総額とは、学校教育費・学校給食費・学校外活動費を合計した額のことです。
学校教育費とは、子どもに学校教育を受けさせるために支出した経費のことです。入学金・授業料・修学旅行費・校外活動費・PTA会費・教科書費などが、これに該当します。
学校給食費とは、幼稚園・小学校・中学校において給食費として納付した経費のことです。学校外活動費とは、子どもの学校外活動のために支出した経費のことです。通信教育費・家庭教師費・学習塾費・習い事にかかった費用が、これに該当します。
学習費総額143万6353円の内訳は、学校教育費106万1350円、学校給食費7227円、学校外活動費36万7776円です。構成比は、学校教育費73.9%、学校給食費0.5%、学校外活動費25.6%です。この結果から、学校教育費が学習費の大半を占めていることが分かります。
ちなみに同調査によると、私立中学校の学年別の学習費総額は、第1学年180万6991円、第2学年121万8559円、第3学年127万8255円となっています。ここから、私立中学校は第1学年のときに1番お金がかかること、3年間で約430万円のお金がかかることが想定されます。
みんなと同じ私立中学がよいのか?
先述のとおり私立中学校の1年間の学習費総額は143万6353円、3年間で約430万円です。一方、公立中学校の1年間の学習費総額は53万8799円、3年間で約162万円です。3年間で約268万円の差があります。
ちなみに、公立中学校の学年別の学習費総額は、第1学年53万1544円、第2学年44万3848円、第3学年64万925円となっています。また、学習費総額の内訳(学校教育費・学校給食費・学校外活動費)のうち、構成比が一番高いのは学校外活動費(68.4%)です。
学習費だけを比較すると、私立中学校と公立中学校では大きな差があります。「私立中学校のほうがよい」というためには、お金以外の面で私立中学校に進学するメリットがあるかどうかで考える必要があります。
一般に、私立中学校に進学するメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
・教育方針がしっかりしている
・施設・設備が整っている
・大学入試を見据えた中高一貫のカリキュラム
・先生の異動が少ない
私立中学校のほうがよいかどうかは、一概にはいえません。上記のメリットを得られるようであれば、私立の中学校に進学させることを検討してもよいでしょう。
そのためには、親子でしっかりと話し合うことが大切です。私立の中学校に進学するかどうかだけでなく、私立であってもどこの中学校に進学するかということを、話し合う必要があるのではないでしょうか。
まとめ
文部科学省の「令和3年度子供の学費調査」によると、私立中学校の1年間の学習費総額は143万6353円であり、3年間で約430万円かかります。公立中学校と比較すると、1年間で約90万円、3年間で約268万円の差(ともに私立中学校のほうが多い)があります。
費用以外の面に目を向けると、私立中学校に進学するメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
・教育方針がしっかりしている
・施設・設備が整っている
・大学入試を見据えた中高一貫のカリキュラム
・先生の異動が少ない
子どもを私立中学校に進学させるのがよいかどうかは、上記のようなメリットを得られるかどうかで判断するのが妥当かと思います。もし、単に「友だちが行くから」という理由だけで私立中学校への進学を考えているのならば、再検討の余地があるのではないでしょうか。
結局のところ、親子でしっかりと話し合っていただくのがよいということです。そのうえで、子どもにとって最善の進路だと思うのであれば、進学させてあげたいものです。ただ、資金面について不安があるかもしれません。そのようなときは、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのもよいのではないでしょうか。
出典
文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定)宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
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