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母に「実家を相続して」と言われましたが、住まないと「6倍」の固定資産税がかかるんですよね? 今後も都内に住み続けるのですが、なにか“対策”はないのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月28日 5時0分

母に「実家を相続して」と言われましたが、住まないと「6倍」の固定資産税がかかるんですよね? 今後も都内に住み続けるのですが、なにか“対策”はないのでしょうか?

「固定資産税が6倍に」と話題に上がる背景には、2023年の法改正で、空き家に対するルールが厳しくなったことがあります。もともと6倍になる仕組みはありましたが、今後さらに対象が増える形です。   本記事では、固定資産税が6倍になる仕組みと、「空き家」認定されないための対策を解説します。

固定資産税が6倍になる仕組み

固定資産税が6倍になるというのは「特定空き家」に指定された場合の話です。これは、手入れがされておらず、放置された家が対象になります。特定空き家になると、固定資産税の軽減措置がなくなるため、空き家ではない場合に比べ最大6倍もの固定資産税の負担が発生します。
 
図表1

図表1

政府広報オンライン 空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を! より作成
 

「空き家」予備軍も6倍の対象に

もともと固定資産税「6倍」の対象であった「特定空き家」に加え、2023年12月から「管理不全空き家」制度が設けられ、対象に加えられました。これにより「特定空き家」になる前段階まで対象の幅が広がる形になったのです。
 
図表2

図表2

国土交通省 空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について より筆者作成
 
「空き家」を放置すると、衛生的な問題のほか火災、自然災害での倒壊など、近隣住民に多大な悪影響をもたらす可能性があるため、行政の厳格な対応が進んでいるといえます。
 

空き家=すぐ6倍になるわけではない

しかし、空き家も個人の大事な財産です。「特定空き家」「管理不全空き家」に認定されるには慎重なプロセスが踏まれます。
 

・行政による状況把握
・行政からの状況改善指導
・改善されない場合は「勧告」を受ける
・「勧告」=固定資産税が6倍に

 
まずは、行政による空き家の状況把握からスタートします。担当者が見回りをした際に発見する、または、近隣住民の通報により調査の対象が選ばれます。
 
次に、問題がありそうな空き家については、行政から家屋の所有者へ「指導」が入ります。そして、「指導」が改善されていないと判断されれば、最終的に「勧告」を受けることになるのです。
 
この「勧告」を受けると、固定資産税の軽減措置が受けられなくなります。ここが、固定資産税が「6倍」になるタイミングです。
 

更地にするのはどうだろう?

遠方で管理も大変だし、いっそう更地(さらち)にしてしまおうという考え方もあるでしょう。しかし更地にしてしまうと「特定空き家」同様、固定資産税の軽減措置がなくなります。
 
つまり、固定資産税が高くなる可能性があります。さらに解体費用も発生します。固定資産税の軽減措置を受けたいのであれば、慎重な判断が必要です。
 

空き家認定されないための対策

前項で説明したように、「特定空き家」や「管理不全空き家」は人の目によりチェックされます。そのため、空き家に認定されないよう、次のような対策を行うことが重要です。
 

・定期的な手入れや清掃を行う
・地域の管理サービスを利用する
・空き家のある市町村に相談する
・賃貸や売却を検討する
・空き家バンクを活用する

 

まとめ

実家を相続してもすぐに固定資産税が6倍になるわけではありません。重要なのは、実家を「特定空き家」や「管理不全空き家」に認定されないように適切な管理を行うことです。
 
遠方に住んでいてもできる対策は多くあります。早めの対応が、固定資産税の負担を抑え、空き家問題のリスクを減らす鍵となるでしょう。
 

出典

国土交通省 空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律
政府広報オンライン 空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!
総務省 固定資産税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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