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夫が「風邪」をひいても病院に行かず、市販薬で治そうとします。結局長引いて「薬代」がかかるのですが、最初から病院に行ったほうが安いですよね…?

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月29日 5時10分

夫が「風邪」をひいても病院に行かず、市販薬で治そうとします。結局長引いて「薬代」がかかるのですが、最初から病院に行ったほうが安いですよね…?

風邪をひいても「病院に行かずに市販薬で治したい」と思うのは、忙しい日々を送る人にはよくあることかもしれません。しかし、1500円の風邪薬を何度も買うより、病院で診てもらったほうが実は安く済むのかも? と考えたことはありませんか。   本記事では、市販薬と病院の診察・薬代はどちらが安いのか比較し、市販薬購入に適用される税制優遇制度についても解説します。

市販薬と病院の費用はどちらが安い?

では市販薬と病院の費用を具体的に比較してみましょう。
 

市販薬の費用

市販薬の1つでもあるパブロン。1箱に5~7日分が入っているものは、1000~1500円ほどで手軽に購入できて便利です。
 
市販薬は一般用医薬品と呼ばれ、薬の有効成分の含有量は、病院で処方される薬に比べると少なめになっているものが多いです。そのため、症状が重い場合は病院へ行ったほうが、治るまでの時間やコストを抑えられる可能性があります。
 

病院の費用

一方、病院で風邪の診察を受ける場合は、初診料と薬代を合わせると、3割負担で1000~1400円前後になることが多いようです。こうして比べると、病院の費用が特別安いとは感じないかもしれません。
 
しかし、病院で処方される薬は、医師が症状に合わせて選ぶ医療用医薬品で、使われる有効成分の種類も多く、効き目を強くしています。そのため、治りが早く、結果的に風邪が長引くリスクを減らすことができます。
 
費用対効果を考えて、早く治したい風邪は病院に、初期の風邪レベルであれば市販薬、といったように使い分けるのも手です。
 

市販薬はセルフメディケーション税制を活用できる

病院に行かず、市販薬で風邪を治したい場合は、セルフメディケーション税制を活用することも有効です。
 
セルフメディケーション税制を使うと、市販薬にかかった費用の一部が所得控除の対象になります。この制度は、対象となる薬を、年間1万2000円を超えて購入した場合に適用され、基本的に購入金額が大きいほど節税効果が期待できます。
 
例えば、所得税率20%、住民税率10%の人が年間5万円分の市販薬を購入した場合、次のように所得税と住民税を節税できます。

所得税:(5万円-1万2000円)×所得税率20%=7600円
住民税:(5万円-1万2000円)×住民税率10%=3800円

このように、所得税と住民税を合わせて1万1400円の節税が可能です。ただし、次の点に注意が必要です。

●対象となるのは「スイッチOTC医薬品」などの指定された医薬品
●通常の医療費控除との併用は不可
●レシートを保存すること
●控除の上限は8万8000円

自分が購入した薬が、セルフメディケーション税制の対象かどうかは、レシートに記載されます。また、生計を同じくする家族が購入した薬は合算することができます。病院に行かず市販薬で風邪を治そうとする場合には、この制度を活用するとよいでしょう。
 

病院に行くことで防げること

風邪が長引くと、家庭内で家族全員に感染が広がるリスクも高まります。特に免疫力が弱い子どもや高齢者にうつると、重症化する恐れがあるため、早めに病院で診てもらい、しっかり治すことが家庭全体の健康を守るためにも重要です。
 
さらに、風邪だと思っていても、別の病気が隠れている可能性もあります。自己判断せず、医師の診断を受けることで、より安心して対処することができるでしょう。
 

まとめ

市販薬と病院の診察費用にはそれほど大きな差はありませんが、市販薬の場合は風邪が長引けば薬を追加購入する必要があり、コストが増える可能性があります。ただし、要件を満たせばセルフメディケーション税制を活用して節税も可能です。
 
風邪が重症化したり、家族に感染させたりしないためには、早めに病院で診察を受けるのが安心です。市販薬は常備薬として用意し、風邪のひき始めに使用することで重症化を防ぎ、結果的に医療費の節約にも役立つでしょう。
 

出典

厚生労働省 セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について
 
執筆者:渡邉志帆
FP2級

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