昨夜「睡眠薬」を服用して寝ました。15時間ほど経ったら「車の運転」はしてもよいのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月29日 4時30分
不眠症を抱えていたり、寝つきが悪かったりする人の中には、睡眠薬を服用しているケースもあるでしょう。そのような中で、服用後15時間たっている状態で車の運転をしても問題ないかが気になる人もいるかもしれません。 この記事では、睡眠薬を服用した直後や翌日に車を運転しても問題ないかをご紹介します。服用後に運転するリスクについてもまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
睡眠薬を服用した直後や翌日に車を運転しても問題ない?
睡眠薬を服用した直後や翌日は、車の運転を控えるべきと考えられるでしょう。
厚生労働省の「医薬品・医療機器等安全性情報308号」によると、意識レベルの低下や失神、突発的睡眠などの副作用があり、かつ交通事故等の副作用報告がある医薬品や類似する製剤ですでに注意喚起されており同様の事故等が発生する可能性が否定できない医薬品については、添付文書に自動車運転などに関する注意の記載がなされているとのことです。
運転中に意識レベルが低下したり、突発的睡眠の症状が発生したりすると、重大な事故につながりかねません。単独事故はもちろん、周囲を巻き込む事故につながった場合は、無関係の人にけがを負わせたり、最悪の場合は命を奪ってしまったりする可能性もあるでしょう。
睡眠薬を服用した状態での運転に関して、明確な罰則規定は設けられていません。
しかし、道路交通法第66条では「何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」と定められています。仮にこの部分に違反したと判断される場合、罰則や罰金が科される可能性があるでしょう。
睡眠薬を服用する行為自体は、決して悪いことではありません。しかし、車の運転については大変危険な行為に該当すると考えられるため、服用した直後や翌日の運転は控えた方がよいでしょう。
睡眠薬の服用後に事故を起こした場合は重大な法的責任を問われる可能性がある
睡眠薬の服用後に車による事故を起こした場合は、重大な法的責任を問われる可能性もあります。具体的には「危険運転致死傷罪」に該当すると考えられており、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」によれば、以下のような行為が当てはまるとされています。
・アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
睡眠薬を服用した直後の運転は、薬物の影響を受けている状態と考えられるでしょう。そのため、上記の内容に該当する可能性が高いといえます。
「危険運転致死傷罪」に該当する場合、相手を負傷させたか死亡させたかによって罰則も異なるようです。負傷させた場合は15年以下の懲役、死亡させた場合は1年以上の有期懲役が科されると定められているため、法的責任は重大なものといえるでしょう。
自損事故の場合は加入している自動車保険が適用されないケースも
睡眠薬を服用して自損事故を起こした場合、加入している自動車保険が適用されないケースもあるようです。自動車保険の契約約款には「薬物免責条項」が定められていることがあり、薬物の影響により正常な運転ができないおそれがある状態で被保険自動車を運転している場合などが該当します。
実際に睡眠薬を服用した直後に運転し、上記の条項が定められていることから、自動車保険が適用されなかった判例も見られました。保険が適用されなければ、負担額も大きくなると想定できるため、運転することが分かっているのであれば、睡眠薬の服用を控えましょう。
睡眠薬を服用した翌日の運転は念のため控えた方が安心
睡眠薬を服用した直後や翌日の運転は控えた方がよいと考えられます。時間がたっていたとしても、睡眠薬の影響で意識レベルが低下したり、突発的睡眠の症状が発生したりして事故を起こした場合は重大な法的責任を問われる可能性もあるため、注意しましょう。
また、自動車保険に加入している場合も、保険が適用されないケースも見られました。このことから、睡眠薬を服用した直後や翌日の運転にはリスクがともなうと考えられるため、運転することが分かっている場合は、睡眠薬の服用を控えましょう。
出典
厚生労働省 医薬品・医療機器等安全性情報308号 医療用医薬品の自動車運転等の注意等の記載に関する見直し等について(3~5ページ)
e-Govポータル 法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号) 第四章 車両等の運転者及び使用者の義務 第一節 運転者の義務 第六十六条(過労運転等の禁止)
e-Govポータル 法令検索 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成二十五年法律第八十六号) 第二条(危険運転致死傷)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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