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投資はどこで入って、どこで降りる? 2024年9月時点のS&P500のチャートをもとにテクニカル分析を実践

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月30日 22時40分

投資はどこで入って、どこで降りる? 2024年9月時点のS&P500のチャートをもとにテクニカル分析を実践

今回は、「どこで入って、どこで降りる?」をテーマにテクニカル分析について紹介します。当記事では2024年9月14日時点のS&P500のチャートを取り扱い、テクニカル分析について勉強していきましょう。   S&P500といっても、通常見るドルベースのチャートではなく、円換算したチャートを用います。なぜならば、私たち日本人投資家は円高・ドル安の影響を考慮する必要があるためです。

週足における現状確認

下図は、円ベースのS&P500の週足チャートです。外国株など自国通貨以外の金融商品に投資する場合は、為替の変動を考慮する必要があります。このため、チャートを円ベースにしています。
 
テクニカル分析上、S&P500は非常に難しい局面にありますが、この原因はドル安・円高の影響によるものです。ドルベースのチャートでは現在、史上最高値付近にまで値を戻していますが、円ベースでは調整局面の真っ只中にあります。
 
投資初心者は「週足」の意味が感覚的に理解しづらいと思いますが、週足の目線は中期です。3年~5年程度と見ておくとよいでしょう。
 
※今回は現状分析を「強気シナリオ」のもとで行います。今回のケースとは対照的に「弱気シナリオ」も描くことができますが、テクニカル分析を行い「どこで入って、どこで降りるか」を学習することが目的であるため、便宜上強気シナリオのみ掲載しています。
 
図表 S&P500(週足)


※TradingView提供(解説を目的に使用しております)
 
それでは、2024年9月14日時点の状況を確認してみましょう。


1 900付近で天井を付けている。
2 天井を付けた後、50週移動平均線とぶつかった。
3 その後、半値戻しとなったが、再度円高(ドル安)が進み、反落している。
4 9月14日時点、50週移動平均線と下値のトレンドライン(細い青の線)付近で止まっている。
5 MACDは下落トレンドを描いている。

シナリオ分岐は、現状で調整局面(下落局面)が終わっているかどうかです。


1 終わっていると考える場合、「ここから上昇するだろう」という仮説を立てる。
2 終わっていないと考える場合、もう一段の下落(例えば、50週移動平均線を下回るなど)を想定する。

この時点でMACDの方向性を再度確認すると、下落トレンドを描いている最中であり、反転上昇する兆しが全く見えないため、「中期的には下がる可能性が高いだろう」と推論できます。
 
下げると仮定する場合、どこまで下がる可能性があるか候補値を確認しましょう。フィボナッチ・リトレースメントを見ると、0.382の水準である640付近が、第一の下げの目途として確認できます。
 
この水準は、先行き、200週移動平均線の軌道と接する可能性が高いため、下げの目途としては可能性が高いと見ることができます。
 
このシナリオは「強気シナリオ」なので、円高(ドル安)が落ち着いてからS&P500が反転上昇する可能性が高いことを想定します。つまり、640付近まで下がった後、反転上昇するかもしれないと見立てます。
 

どこで入って、どこで降りるか

今回のケースにおいて「どこで入って、どこで降りるか」という問題は、結論として、「640付近まで下がってから入る」ということになるでしょう。損切りは、その下の620付近を下回った場合に行うことを想定します。
 
640付近で入り、下がらずに上昇した場合、降りるポイントは740付近が想定されます。この水準は利益確定の売り(利確)が出やすい地点と考えられるため、上昇した場合は深追いせず、利確するよう心がけましょう。
 
これについては、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を考慮し、為替の動向をチェックしつつ判断します。例えば現在は、日銀が追加利上げを実施する可能性が短・中期的にあるため、積極的に買い進むことは控えましょう。
 
仮に買う場合、様子を見ながら少額で買い進み、はっきりと上昇波動が確認できたら一気に入っていきましょう。なおこのときは、小口で細かく購入する打診買いを行うとよいでしょう。
 

まとめ

今回の「どこで入って、どこで降りる?」では、円ベースのS&P500について確認しました。
 
アメリカ当局による利下げ局面では、為替はドル安・円高に進む可能性が高いため、テクニカル分析を行う際には、為替の影響を考慮した上でシナリオを描く必要があります。
 
これは、短期(1年未満)でも長期(5年以上)でも考慮する必要があることですが、このような局面では、株式投資を行う場合、一部の銘柄やセクター(業界)に絞って投資を行う方がよいこともあります。インデックス投資がいつも良いとは限らないことは覚えておきましょう。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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