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「+」から始まる番号の着信。心当たりがないので無視したけれど、大丈夫ですよね?

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月31日 9時30分

「+」から始まる番号の着信。心当たりがないので無視したけれど、大丈夫ですよね?

着信音があり、Aさんはスマートフォンを取り出しました。しかし、何気なくナンバーを見たら、+から始まっている、つまり国際電話です。心当たりがないので無視をしたAさんですが、無視してよかったものなのか不安になっています。

国際電話番号による特殊詐欺が増加

2023年9月、警察庁と総務省は、国際電話番号による特殊詐欺の注意喚起をしました。
 
特殊詐欺とは、「被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振込みその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪」をいいます(引用:警察庁特殊詐欺対策ページ 手口一覧と対策)。
 
例えば、親類や家族になりすまして現金をだまし取る「オレオレ詐欺」や、公共機関の職員等をかたって現金やキャッシュカードをだまし取る「預貯金詐欺」、医療費の還付金が受け取れるなどと言ってATMを操作させ、犯人の口座に送金させる「還付金詐欺」、未払いの料金があるという架空の請求をしてくる「架空請求詐欺」等があります。
 
しかしながら、以下のグラフのように国際電話が特殊詐欺に利用されることが増加しており、2024年6月中の特殊詐欺に利用された電話番号のうち、約54%が国際電話番号です。2024年7月、警察庁と総務省は、再度の注意喚起を行いました。
 


2023年1月~12月の特殊詐欺の発生状況は、警察庁認知件数で1万9038件、被害金額は452億5643万7000円でした(出典:警察庁・SOS47 特殊詐欺対策ページ)。
 

NTTファイナンスをかたる架空請求

なかでも、令和5年7月以降、NTTファイナンスをかたり、国際電話番号や自動音声を利用し架空の利用料料金を請求された(未納があり、このままでは裁判になる)といった相談が、全国の消費生活センターに多く寄せられています。
 
消費者庁は、事業者が消費者を欺く行為および消費者を威迫して困惑させる行為を行っていたことを確認したため、消費者安全法(平成21 年法律第 50 号)第 38 条第 1 項の規定に基づき、令和6年6月11日、「大手通信関連会社の名称をかたり、自動音声や国際電話番号等を用いて架空の利用料金請求を行う事業者に関する注意喚起」を行いました(出典:消費者庁 令和6年6月11日報道発表資料より)。
 
NTTファイナンスや日本電信電株式会社は、個別の会員サイト等の料金を会員に請求した事実はありません。
 
手口としては、【国際電話からの発信】「+1」(北米)から始まる国際電話番号、または「050」から始まる IP 電話番号からの電話をかけてきます。つながらない場合は、留守番電話やSMSに、折り返すようメッセージを残します(折り返しの場合は、050で始まる番号を指定することが多い)。
 
【自動音声のアナウンス】料金の未納があり、「心当たりがある場合方は1番を押してください」などと、自動音声のアナウンスが流れます。
 
業者と直接つながると、会員サイトの「セリア」「バニラ」「スリム」、アプリケーションの「スマート」「スノウ」などの利用料金が1年ほどの長期にわたって未納だと説明されます。
 
心当たりがないと伝えても、このままでは裁判になる、法的措置を採ると説明します。ただし、救済措置で95%は返金されるようにするといい、対象かどうかを確認するため、消費者の住所、氏名などの個人情報を聞き出すこともあります。
 
【支払いは電子マネー】コンビニに誘導し、電子マネーを購入させます。そして、その番号を読み上げさせます。この後、さらに別の団体を名乗り、未納料金を支払うよう請求される場合もあります。
 

被害に遭わないためにはどうしたらいい?

NTTファイナンスや日本電信電株式会社は、個別の会員サイト等の料金を会員に請求した事実はありません。
 
では、架空請求詐欺に遭わないためにはどうすれば良いのでしょうか。突然かかってくる電話は、迷惑メールと異なり、落ち着いて考える余裕がありません。不安をあおって思考停止にさせてお金をだまし取ります。確認のためと言って個人情報もだまし取ります。
 
消費者庁は、以下のようにアドバイスをしています。
 
■心当たりのない料金請求は無視しましょう。
NTTファイナンスや日本電信電株式会社は、個別の会員サイト等の料金を会員に請求した事実はありません。
 
■国際電話を使った架空請求に注意しましょう。
通話しなければ詐欺被害に遭いません。対応しない、かけ直さない。
 
■「コンビニで電子マネーを購入し、そのカード番号を教えろ」は詐欺の手口の典型的な例です。カード番号を絶対に教えない。
相手にID番号を伝えるということは、購入分のマネーを渡すと同じことです。伝えてしまうと取り戻すのは困難になります。通常は、請求に対し証拠が残る方法で支払います。請求書もないのに、匿名性の高い電子マネーを指定する時点で疑いましょう。
 
■公式ウェブサイトで注意喚起がされていないかを確認しましょう。
 
■何か変だと感じたら、電話を切り、誰かに相談しましょう。
 
それでも不安な場合は、消費者ホットライン(188)、警察相談専用電話(#9110)へ相談しましょう。
 

出典

消費者庁 大手通信関連会社の名称をかたり、自動音声や国際電話番号等を用いて架空の利用料金請求を行う事業者に関する注意喚起(令和6年6月11日)
警視庁 特殊詐欺とは
警察庁・SOS47 特殊詐欺対策ページ 外国からの電話に利用休止
警察庁HP 手口一覧と今日からできる対策
国民生活センター 国際電話番号による特殊詐欺の急増中!(2024年7月)
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者

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