生命保険加入を検討する人が商品比較をしない理由
ファイナンシャルフィールド / 2019年1月22日 9時30分
![生命保険加入を検討する人が商品比較をしない理由](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_34231_0-small.jpg)
生命保険文化センターが行った調査によると、生命保険の加入にあたり、複数の商品を比較する人は約3人に1人しかいないようです。保険は、1本で総額100万円を超える保険料を支払うことも珍しくありませんが、それほど高額なのになぜ比較をしない人が多いのでしょうか。 今回は生命保険に加入するにあたり、商品の比較をしない人が多い理由について考えてみます。
生命保険の加入経路(チャネル)は何が多い?
生命保険文化センターは3年に1度、「生命保険に関する全国実態調査」という調査を行っています。
平成30年の調査結果(速報版)によると、「直近加入契約(民保)の加入時の商品比較経験(複数回答)」において、「特に比較をしなかった」を選択した人は66.7%となっています。
つまり、約3人に2人は生命保険に加入するにあたり、複数の商品を比較しないで加入しているということになります。この調査は全国の世帯員2人以上の一般家庭が対象なので、単身世帯は含まれない点に注意が必要ですが、おおよその傾向として理解する分には問題ないでしょう。
ところで、商品の比較をしないことは、生命保険の加入経路(「チャネル」と言います)と無関係ではないと考えられます。同調査によると、生命保険に加入したときのチャネルは以下のような結果となっています。
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2019/01/c8a0305ac62526260baef24833f7602b-13.jpg)
これを見ると、約半数の人が生命保険会社の営業職員から加入していることが分かります。この場合、複数の保険会社の商品を比較することはないでしょうね。保険料は月払いができるので、毎月支払う金額は無理なく払える程度におさえることが可能です。
しかし、たとえば30歳のときに月額3000円の保険料を終身払いで支払う契約をすると、90歳で死亡すると仮定した場合、保険料の総額は216万円になります。これは車を1台買えるくらいの金額ですが、車を買うときに複数の車を比較しないで買う人はあまりいませんよね。
なぜ比較をしないのか?
では、なぜ商品の比較をしないで保険に加入するのでしょうか。原因としては以下のような点が考えられます。
1.比較をしてもよく分からないから
保険の仕組みは難しいので、加入するときにちょっと勉強したくらいでは商品の違いを理解することは難しいです。筆者も今でこそ一般の人より保険に詳しいですが、初めて保険外交員による勧誘を受けたときはたいして知識もなかったので、結局はすすめられた商品に加入しました。
2.勧誘を受けた相手が誠実そうに見えると「この人の言うことなら大丈夫だろう」と思ってしまうから
保険の勧誘に限りませんが、営業マンというのは一般的に誠実そうな人物に見せる振る舞いをするものです。そのため、話を聞いているうちに「この人の言うことなら大丈夫」と考えてしまうのではないでしょうか。
しかし、保険会社の営業職員や特定の保険会社専属の外交員であれば、自分のところで扱っていない種類の保険でもない限り、ライバル社の商品をすすめるということはないでしょう。
3.勧誘を受けたのが親戚や知人で断れなかったから
勧誘を受けた相手が親戚や知人だと、他にもっといい保険があるかもしれないと考えても断りにくいのではないでしょうか。また、2.で指摘した点も親戚や友人なら同じことが言えるでしょう。その結果、商品の比較を行うことなく加入してしまうものと考えられます。
伸びているチャネルと減っているチャネル
生命保険の加入チャネルの詳細を見ると、伸びているチャネルと減っているチャネルがあることが分かります。
伸びているのは「保険代理店の窓口や営業職員」のうち、「保険代理店(金融機関を除く保険ショップ等)の窓口」です。平成27年の調査で4.7%だったものが、平成30年の調査では7.8%に伸びています。
逆に減っているのが「生命保険会社の営業職員」です。最も高かったのは平成24年の68.2%で、平成30年の調査では53.7%まで減少しています。
保険ショップの中にはタレントを起用して積極的な広告を行っているところもあります。その結果として認知度が向上し、こうした数値に表れたのではないかと筆者はみています。
保険ショップのメリットは、扱っている保険会社の数の多さです。少ないところでも10社程度を扱っていますし、多ければ40社を超える保険会社を扱うところもあります。保険ショップに行けば必ず最善の結果が得られるとは限りませんが、少なくとも1社のみから商品を選ぶよりは良い選択ができるはずです。
消費者が商品を比較することが一般化すれば、競争がうながされ、よりよい商品の開発につながります。生命保険だけでなく損害保険も含め、保険に加入するときは商品を比較することを意識してみましょう。
出典
「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」
執筆者:横山琢哉(よこやま たくや)
ファイナンシャルプランナー(日本FP協会 AFP認定者)
フリーランスライター
関連記事
■「掛け捨ての生命保険は損」って本当?貯蓄性のある生命保険に入ったほうが良いの?
■40代の保険は見直しの時期!でもどうやって選ぶ?失敗しない見直し方は?
■知っておきたい生命保険の見直しの方法…払済保険と延長保険
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「高いのにお得に感じる」。必ずしも合理的とは言えないが「日本人が保険好きになった」必然の理由
Finasee / 2024年7月11日 13時0分
-
年金月13万円75歳・再雇用の夫、担ぎ込まれた病院のベッドで定年直前に加入の「死亡保険」を大後悔したワケ 【CFPが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月5日 11時30分
-
保険営業マン「月の負担が半分になりますよ」…年収750万円の59歳・定年直前サラリーマン“大喜び”で保険を見直し→大後悔のワケ【FPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月2日 11時15分
-
アクサ生命、「営業職員チャネルのコンプライアンス・ リスク管理態勢の更なる高度化にかかる着眼点」を踏まえた当社の取組み状況について
Digital PR Platform / 2024年6月28日 15時0分
-
医療保険は優先度が低い? 必要な人とそうでない人の違いとは
MONEYPLUS / 2024年6月21日 11時30分
ランキング
-
1「ユニクロ・GU・COSのTシャツ」全部買ってわかった“本当にコスパが高い傑作アイテム”
日刊SPA! / 2024年7月17日 18時37分
-
2イケアのモバイルバッテリーに“発火恐れ” 製造不良で一部自主回収…… 海外では事故も発生
ねとらぼ / 2024年7月17日 20時10分
-
31日5分で二重アゴ&首のシワを解消!魔法の顔筋トレ「あごステップ」HOW TO
ハルメク365 / 2024年7月17日 22時50分
-
42024年下半期以降の業種別「倒産発生予測ランキング」発表 1位の業種「48社に1社」が倒産の可能性
オトナンサー / 2024年7月17日 21時10分
-
5なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方
東洋経済オンライン / 2024年7月17日 9時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)