老後資金のために「NISA」で投資を始めようとした矢先、「首相交代で日経先物が暴落」というニュースを見てしまいました。何かあるたびに暴落するなら、投資なんてしないほうが良いんじゃないでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月31日 5時10分
日経平均などは政治的なニュースで短期的に暴落することがあります。直近では9月の自民党総裁選で石破茂氏が当選したことなどを受けて株価が急落しており、株価の乱高下のリスクは、株式投資とは切っても切り離せません。 なかには「損をするならNISAをやめよう」と考える人がいるかもしれませんが、本当にその決断が正しいのでしょうか。本記事では直近の株価が急落した出来事と、株価が急落しても積立投資を続けるべき理由を紹介します。
2024年は株高で進行していたのに8月に暴落した
2023年10月26日に3万601円だった日経平均株価は、同年11月以降、右肩上がりの上昇を見せています。2024年2月は日経平均株価の史上最高値を34年ぶりに更新したり、同年3月には4万円を突破したりといった歴史的な株高になっていました。
ところが、2024年8月5日の株価は急落し、前週末4451円28銭(12.4%)安の3万1458円で取引を終える結果になりました。これは、1987年10月20日(10月19日のアメリカのブラックマンデー翌日)の3836円を暴落幅で超えて過去最大で、暴落率でもそれに次ぐ史上2番目の歴史的な暴落でした。
2024年1月から始まった新NISAの影響もあって多くの人が新規に投資を始めるなか、投資を始めて間もないこのタイミングで含み損が大きく膨らんだ人も多くいたことでしょう。
今回の暴落は、海外の投機筋がまとまった金額を先物で売却し、パニック的に売りが集中したことが原因の一つと考えられます。
石破新総裁の誕生で日経先物が大きく下落
大幅かつ急速に株価が下落するタイミングは、8月以外にもありました。9月30日の東京株式市場では日経平均株価が大きく下落し、一時的に前週末比で2031円安の3万7797円まで下落しています。
この株価急落は石破新総裁の誕生のタイミングで起こったことから、「石破ショック」などと呼ばれるかもしれません。
それまで高市氏の総裁選勝利を織り込んで株高が進行していたところ、石破氏が当選したことで利益確定の売りなどの巻き戻しが起こったことや、石破氏が掲げる金融所得税の強化といった経済政策が嫌気された可能性もあります。
このように日経平均株価を始めとした株価は、機関投資家の急な売りや政治の動向次第で一時的に急落することがあります。NISAを始めたばかりの人からすると、「これ以上株価が下がる前に現金に戻したほうが良いのだろうか」と不安になるかもしれません。
株価が急降下してもNISAでやってはいけない行動
結論から申しあげると、相場が急落したからといって、すぐに投資商品を売却して現金にすることは避けましょう。含み損を確定させるだけで長期的な資産形成の目的を果たせません。
株価が急落したとしても一時的なものです。アメリカのS&P500にしても日本の日経平均株価にしても、半永久的に下がり続けた相場はありません。
例えば2020年のコロナショックでは日経平均株価は約2万3000円から約1万6500円まで急落しましたが、その後回復して2024年10月4日現在では3万8000円を超えるまでに上昇しています。
株価の急落に対して精神的な負担を和らげる方法としては「積立投資」があります。一括投資の場合、購入したときの株価や基準価額から暴落すると市場の回復を待つほかなく、精神的な負担が大きいです。
一方、同じ投資元本を一度に投資せずに一定のタイミングでコツコツと買い増す積み立て投資であれば、「ドルコスト平均法」のメリットを享受できます。
ドルコスト平均法は、価格が変動する金融商品を一定のタイミングで一定の金額分を定期的に購入する方法です。一定金額を購入するということは、価格が安いときには多くの口数を購入することができ、反対に価格が高いときには自然と口数が抑えられて「高値掴み」を防ぐことができます。
積立投資を継続することによって、株価の暴落というシーンが、株や投資信託を大量に購入できる「チャンス」に早変わりします。
市場が暴落したとしても、すぐに投資をやめるのではなく、毎月決めた金額を一定のタイミングでコツコツと買い増すことが長期投資を成功させるコツです。
まとめ
投資を始めてしばらくは、含み損という言葉に強い不安を感じるかもしれませんが、多少株価が下落したくらいで積立投資をやめてしまうと、含み損だけが確定して老後の資産形成が進みません。
毎月一定額を同じタイミングで購入し続けるドルコスト平均法を崩さず、市場の乱高下に負けずにコツコツと投資を続けて長期投資を成功させましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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