両親からの財産をもらった際の税金が免除されるかもしれない【相続時精算課税制度】
ファイナンシャルフィールド / 2019年1月23日 8時30分
![両親からの財産をもらった際の税金が免除されるかもしれない【相続時精算課税制度】](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_34302_0-small.jpg)
両親や祖父母から財産をもらった(譲り受けた)とき、気になるのが税金(贈与税)かと思います。高額でなければ問題ありませんが、数百万~数千万単位の財産をもらったとなると、より一層税金が気になると思います。 こういったときに贈与税が免除(猶予)される「相続時精算課税制度」というものをご存知でしょうか。今回は、あまり知られていないがために利用者が少ない制度である「相続時精算課税制度」の概要とメリット、注意点をご紹介します。
相続時清算課税制度とは
相続税精算課税制度は、贈与税の課税制度のひとつです。60歳以上の父母または祖父母から、成人した子や孫への生前贈与において利用することができます。この制度を使うと、もらった財産(お金や物品)の合計金額が2500万円を上限に、申告時に贈与税を特別控除されます。
同一の父母または祖父母からの贈与において、限度額に達するまで何回でも控除することができ、特別控除された2500万円までの贈与には贈与税がかからないことになります。
通常、申告した税金は「即時に納税すること」が大原則ですが、贈与税に限っては「延納制度」を利用することで支払いを先延ばしにすることができます。相続時精算課税を適用する場合には、納税額がないときであっても財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間に申告する必要があります。
相続時清算課税制度のメリット
相続時精算課税制度は、両親や祖父母から高額な贈与を受けたとき(高額な財産をもらったとき)に発生する贈与税を抑える(免除する)ことができる点が大きなメリットです。
車などの高額な買い物をする際に、両親などから援助を受けるといったことはよくあることですが、110万円を超える援助を受けた場合に贈与税が発生します。こういった際に相続時精算課税制度を利用して申告をすると、受けた援助は2500万円まで贈与税を支払う必要はありません。
余談ですが、住宅購入の資金援助を受けた場合には、最大1500万円までの贈与税が免除されます。
相続時清算課税制度のデメリット
相続時精算課税制度のデメリットは2つあります。
1つ目は「暦年課税制度が利用できない」ということです。暦年課税制度とは、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産(お金、物品)の合計額が110万円以上の場合に、それを超えた金額の分だけ贈与税がかかるというものです。
もらった財産の合計金額が110万円以下の場合は贈与税がかかりません(贈与税の申告の必要もありません)。この制度は毎年利用することができますので、毎年コンスタントに110万円以下の贈与を受ければ、相続税対策にもなるということです。
一見、相続時精算課税制度の方が有利な制度に感じます。ですが、2つ目のデメリットによって有利さが一気になくなってしまうのです。
その2つ目のデメリットとは「相続発生時に相続税が課税される」ということです。この制度は“贈与税”を控除するというものです。
相続時精算課税制度を利用して贈与税の課税を免れたとしても、贈与した人(両親または祖父母)が亡くなった際に発生する相続のときに「相続時精算課税制度を利用して贈与された財産にも相続税が課税」されるのです。
もし、祖父母二人からそれぞれ2年間にわたり2500万円、計5000万円の贈与を受けた際に5000万円分の贈与税を支払う必要がありませんでしたが、実際相続が発生した際に贈与を受けた5000万円も相続税の算出に組み込まれてしまうのです。
つまり、相続時精算課税制度は「贈与を受けたときは贈与税を非課税だけど、相続が発生すると非課税になった分も課税される制度」なのです。
まとめ
相続時精算課税制度は、使い方によっては節税効果があります。高額な贈与を受けた際に利用すれば贈与税の減免を受けることができますが、相続時に贈与分の相続税が発生するので、納税資金を用意しておく必要があります。
制度を利用する前にご自身の状況をしっかりと把握したうえで、利用することをおすすめします。
出典
国税庁 「相続時精算課税の選択」
国税庁 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
関連記事
■親からもらったお金、税金がかかるのはどれ?
■贈与税の計算には、暦年課税と相続時精算課税があります
■【タイミングを逃すな】なんとなく話しづらい親との相続の話 重要なポイントはキッカケ?
この記事に関連するニュース
-
数年前、夫が亡くなり相続した自宅。住みながら子どもに譲りたいけど、生前贈与になる?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月16日 13時40分
-
息子家族が「外食代が高くて2ヶ月外食していない」と言うので、毎月1~2万円ほど渡したいです。息子は税金を払うことになりますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月15日 3時40分
-
お金がない人が資産運用で1000万円つくる方法
オールアバウト / 2024年6月28日 11時30分
-
相続税の計算は4段階!…相続専門税理士が教える、相続税のしくみと財産評価の超キホン
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月24日 14時15分
-
税金上は「有利」な〈二世帯住宅〉だが…子には「資金援助をして近くに住んでもらう」ほうがいい、意外なワケ【相続専門税理士の助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月24日 11時15分
ランキング
-
1「ユニクロ・GU・COSのTシャツ」全部買ってわかった“本当にコスパが高い傑作アイテム”
日刊SPA! / 2024年7月17日 18時37分
-
2イケアのモバイルバッテリーに“発火恐れ” 製造不良で一部自主回収…… 海外では事故も発生
ねとらぼ / 2024年7月17日 20時10分
-
31日5分で二重アゴ&首のシワを解消!魔法の顔筋トレ「あごステップ」HOW TO
ハルメク365 / 2024年7月17日 22時50分
-
42024年下半期以降の業種別「倒産発生予測ランキング」発表 1位の業種「48社に1社」が倒産の可能性
オトナンサー / 2024年7月17日 21時10分
-
5なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方
東洋経済オンライン / 2024年7月17日 9時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)