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45歳で会社を退職。健康保険料は「2万8000円」ほど引かれてたけど、退職後は「任意継続」にすべきですか? 保険料の違いを解説

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月2日 4時20分

45歳で会社を退職。健康保険料は「2万8000円」ほど引かれてたけど、退職後は「任意継続」にすべきですか? 保険料の違いを解説

会社を退職すると、健康保険を切り替える必要があります。すぐに次の会社の健康保険に加入するといった場合でなければ、選択肢としては「家族の扶養に入る」「国民健康保険に入る」「任意継続する」の3つですが、扶養してくれる家族がいなければ、国民健康保険と任意継続の2択になるでしょう。   本記事では、国民健康保険と任意継続について保険料の違いを説明します。

任意継続とは

健康保険の任意継続とは、会社を退職した後も一定期間、在職中の健康保険に入っていられる制度のことです。要件に該当した人が利用でき、任意継続をするか否かは、本人が自由に決められます。
 

任意継続できる条件

協会けんぽの場合、任意継続ができるのは「退職日の前日まで継続して2ヶ月以上の被保険者期間がある」人が、「退職日の翌日から20日以内に手続きをした」場合です。原則として退職後20日を過ぎてしまうと、任意継続の手続きができなくなります。
 

任意継続のメリット

国民健康保険と比べたとき、任意継続には次のメリットがあります。

●扶養家族も、従前の健康保険の扶養のままでいられる
●任意継続の保険料に上限が設定されているため、在職中の給与が高額だった人は国民健康保険より保険料が安いことがある

また健康保険組合の場合は特に、独自給付などが充実していることがあり、そうしたメリットも引き続き享受できます。ただし任意継続の場合、基本的に傷病手当金や出産手当金は受給できません。
 

任意継続のデメリット

任意継続には、保険料が全額自己負担になるというデメリットもあります。在職中の健康保険料は会社が半分を負担してくれていましたが、任意継続では全額が本人負担である点に注意が必要です。
 

任意継続と国民健康保険

では、任意継続と国民健康保険は保険料の面から比較するとどうなのか、事例をもとに見ていきます。
 
在職中は「健康保険料が約2万8000円(介護保険料を含む)」であったというタイトルのケースをもとに考えてみましょう。
 
この場合、東京都の会社に勤務し、全国健康保険協会に加入していたと仮定すると、保険料額を決める等級である標準報酬月額は29等級の47万円または30等級の50万円に当たります。今回はキリの良い「50万円」として、保険料の比較をしてみましょう。
 

任意継続の保険料

任意継続の保険料は、次のうち「低いほう」に保険料率を掛けて計算します。

●退職時の標準報酬月額
●任意継続の場合の上限である標準報酬月額

全国健康保険協会の標準報酬月額の上限(2024年度)は30万円です。そのため、退職時の標準報酬月額が50万円だった人も、上限である30万円として保険料を計算します。
保険料率(介護保険料を含みます)が11.58%ですから、1ヶ月の保険料は3万4740 円です。
 

国民健康保険の保険料

一方、国民健康保険の保険料は「前年の所得と世帯人数」によって決まります。仮に前年も現在と同じくらいの収入があったとすれば、1年間の給与収入は約600万円、給与所得は約436万円と考えられます。住所が東京都世田谷区・扶養家族1人とした場合、1月あたりの国民健康保険料は約5万9000円になります。
 
このデータで比較すれば、本ケースの人の場合、少なくとも退職直後においては任意継続をした方が保険料が安いと言えるでしょう。
 

こんな人は任意継続が得

任意継続をした方が得になるのは、一般的に次のような人です。

●扶養家族が多い
●在職中に多額の給与をもらっていた
●独自給付が充実している健康保険に加入していた

ただし上記に該当する人でも「給与の高い会社に就職してまだ数ヶ月」など前年所得が低い場合は、国民健康保険の方が保険料が安くなることもあります。結局はケースバイケースということです。
 

退職理由にも注意

また、退職理由にも注意する必要があります。会社を辞めた理由が倒産や解雇などの場合、国民健康保険には保険料が軽減される制度があるからです。一方、任意継続にそうした制度はありません。
 

まとめ

任意継続の保険料は、全額が被保険者負担です。基本的には退職時の標準報酬月額により計算しますが、標準報酬月額に上限が設定されているため、在職中の給与が高かった人は国民健康保険よりも保険料が抑えられる可能性があります。
 
退職後に任意継続するか国民健康保険にするかは、在職中の標準報酬月額、前年所得や家族の人数、退職理由などを総合的に考えて決めるとよいでしょう。
 

出典

全国健康保険協会 お知らせ(令和5年12月 )
全国健康保険協会 保険料について
世田谷区 保険料の計算方法
 
執筆者:橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士

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