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数年前、母が「お葬式の契約をしたのよ」と電話で話していたことを思い出しました。葬儀の「生前契約」とはどのようなシステムなのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月4日 3時0分

数年前、母が「お葬式の契約をしたのよ」と電話で話していたことを思い出しました。葬儀の「生前契約」とはどのようなシステムなのでしょうか?

「終活」という言葉が一般的になり、自分自身や親兄弟が、自身の死後に向けてさまざまな準備を始めた人も多いのではないでしょうか。葬儀の生前契約も、終活の一環として目にすることが多くなったサービスです。   本記事では、葬儀の生前契約とはどのようなサービスかを紹介するとともに、メリットや注意点をまとめて解説します。

元気なうちに自分の死後の準備ができる葬式の生前契約とは?

 
葬儀の生前契約とは、生きているうちに葬儀社などとの間で自分自身の葬儀のスタイルや規模などを決めて、契約をすることです。
 
葬儀の生前契約には、葬儀の規模や内容に応じた料金(一般的には、直葬などの簡便な形式では20万円台~、家族葬で70万円前後~、一般葬では100~200万円前後程度)と、互助会等への会員登録料などの費用がかかります。どのような費用がかかるかは会社によって異なるため、相談するときに確認する必要があるでしょう。
 
また、単に「生前契約」といった場合は、葬儀だけでなく、その前後の病院などの手続きや埋葬、遺品整理などの死後の事務処理を含めて委託しておく契約(死後事務委任契約)を指すこともあります。NPO団体や市民団体、葬儀社などが窓口になっている場合が多く、契約の範囲に応じて1手続きごとに数千~数万円程度の費用が発生するのが一般的です。費用は、手続きに必要な実費とあわせて預託金として預けるなどの方法で支払います。
 

葬式の生前契約を利用するメリット

 
葬儀の生前契約を利用する大きなメリットは、事前に葬儀の依頼先や形式、規模などの内容を決めておくことで、自分が亡くなったときに遺族にかかる負担を減らせることです。また、自分の希望をじっくり考えてプランに反映できるために、自分らしい葬儀をできる点も利点です。
 
金銭面では、葬儀に必要な費用を事前に把握でき、支払いも済ませておけるため、遺族が一時的に費用を立て替える負担や、遺産では葬儀費用が不足してしまうといった事態を回避できるメリットもあります。
 
また、死後事務委託契約を利用した場合には、葬儀に限らずさまざまな死後の手続きを遺族の手を煩わせずに片付けられるため、「とにかく遺族には負担をかけたくない」「死後のことを託せる遺族がいない」という人に向いています。
 

葬式の生前契約を利用するときに注意すること

 
葬儀の生前契約は希望とマッチすればメリットが多いサービスですが、利用を検討するときには次のような点に注意が必要です。

●信頼できる会社かどうかをよく検討する
●プランの途中変更が可能かどうかを確認する
●キャンセル料や違約金を確認する
●契約先の倒産などのリスクがあることを理解する

葬儀の生前契約では大きな金額を契約先に預けることになるため、信頼できる会社かどうかの見極めが大切です。実績はあるか、説明や料金プランは明瞭か、委託したお金の預け先が大手の金融機関かどうかなどをしっかり確認しましょう。また、契約後に内容の見直しができるか、契約にともなう手数料やキャンセル料、違約金の有無などもチェックしたいポイントです。
 
さらに、生前契約から実際に葬儀が行われるまでの期間に、契約先の経営破綻などによって預けたお金を取り戻せなくなるリスクもあります。デメリットも理解したうえで利用を検討しましょう。
 

生前契約は遺族のさまざまな負担を減らせるサービス

 
葬儀の生前契約は、葬儀にともなう事務的・金銭的な遺族の負担を軽減できる便利なサービスです。また、本人の意思を反映した葬儀が実現しやすくなる点でも、メリットがあるでしょう。
 
ただし、大きなお金がともなう契約のため、信頼できる会社や団体と契約することや契約内容をしっかり確認することなど、慎重になるべきポイントもあります。メリット・デメリットを理解して、賢くサービスを利用できるよう家族で話し合うとよいでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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