1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

夫婦で「月収60万円」。高校生の子どもが2人おり、食費が「月10万円」かかります。以前は8万円ほどでしたが、“物価高”だから仕方ないのでしょうか…?

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月4日 4時20分

夫婦で「月収60万円」。高校生の子どもが2人おり、食費が「月10万円」かかります。以前は8万円ほどでしたが、“物価高”だから仕方ないのでしょうか…?

物価上昇のニュースを毎日のように見聞きし、スーパーやコンビニでの買い物のたびに食料品の値上がりを実感する昨今。家族4人で「月約10万円の食費」が高いのか、比較的抑えられているほうなのか、気になる人は多いのではないでしょうか。   本記事では、4人世帯の食費の平均や昨今の物価上昇を踏まえて、4人世帯で月約10万円の食費が高いかどうかについて推察します。

4人世帯の食費は平均約8万6000円。ただし年収によって食費の平均は異なる

総務省の家計調査(2023年)によると、4人世帯の食費の平均は月8万6245円です。この数字だけを見ると、月約10万円の食費は若干高く感じるかもしれません。 そこで、同調査の年収別の食費の平均も見てみましょう。
 
図表1

総務省 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表2023年 より筆者作成
 
同調査は有業者が1人の場合のデータとなっています。今回は夫婦で月収60万円とのことですから、仮に妻は扶養内(年収103万円)のパートで働いていて、妻側の月収は8万5000円とすると、夫は月収51万5000円となります。賞与を考慮せずに年収を計算した場合、夫の年収は618万円となります。
 
図表1から、夫側の年収だけで考えると、年収600万~650万円の食費の平均は8万8906円、妻の年収(8万5000円×12ヶ月=102万円)も足した場合の年収720万円で考えると、 年収700万~750万円の食費の平均は9万242円となり、いずれも全体平均より高くなっています。
 
ただ、年収により食費の平均には差があり、例えば、年収300万~350万円世帯の食費の平均は、年収350万~400万円の世帯や、500万~550万円の世帯の平均より高いなど、年収が増えると食費の平均が増えるわけではないようです。
 

食料品の高騰も家計に影響を与える要因に

次に、食料品の物価高について見てみましょう。同じく総務省の調査によると、物価の上昇や下落を示す消費者物価指数2024年9月分において、食料は前年同月比で3.4%増加しています。内訳を見ると、生鮮果物が10.6%、穀類が10.4%、生鮮野菜が6.8%、肉類が4.1%と、家庭の食卓によく上がる品目で価格の上昇が顕著です。
 
図表2

分類 前年同月比
穀類 10.4%
生鮮野菜 6.8%
肉類 4.1%
生鮮果物 10.6%
菓子類 3.3%
調理食品 2.1%

総務省 2020年基準消費者物価指数全国 2024年(令和6年)9月分 より筆者作成
 
また、先ほどの食費の平均についても、1年前の2022年の同調査では全体平均が8万4143円、年収600万~650万円では7万7635円、年収700万~750万円では8万1286円と報告されており、2023年にかけて食費が高騰していることが分かります。
 

育ち盛りの高校生2人を含む4人世帯で食費約10万円は妥当と言えそう

これまでのデータから考えると、4人世帯の食費が月約10万円というのは平均よりは少し高いものの、育ち盛りの高校生が2人いることを考えると、そこまで高いとは言えないのではないでしょうか。以前は8万円ほどだったとのことですが、子どもの成長や最近の物価上昇を考慮すれば、妥当な範囲内と考えられます。
 

エンゲル係数で考えると、食費約10万円は節約できているかも

それでも月約10万円の食費が適正かどうか気になる場合、エンゲル係数も参考にしてみましょう。エンゲル係数とは、家計の消費支出のうち食費が占める割合を示す指標です。
 
総務省の家計調査によると、4人世帯のエンゲル係数の全体平均は28.3%です。年収700万~750万円での平均は29.6%です。
 
今回の前提は、妻は扶養内パートで月収8万5000円、夫が月収51万5000円、夫の手取りは約39万円となるため、エンゲル係数29.6%で計算すると、
 
(8万5000円+39万円)×29.6%=14万600円
 
食費の目安は約14万円になります。
したがって、今回の月約10万円という食費は、エンゲル係数の範囲内であることが分かります。
 

まとめ

月約10万円の食費は、高校生2人を含む4人家族にとって特別高いとは言えません。物価の上昇や子どもの成長を考慮すると、妥当な金額と言えるでしょう。また、エンゲル係数の観点からも、年収700万~750万円の世帯における食費の目安と比較して、十分に節約できていることが分かります。
 
それでも節約を検討する場合は、特売日を利用してまとめ買いをする、家計簿をつけて不要な出費がないか確認する、食材を無駄なく使い切るなどを検討してみましょう。外食の回数が多い場合は、頻度を抑えてもいいでしょう。
 
ただし、無理に節約しすぎるとストレスがたまり、かえって生活の質が下がることもあるので、バランスを保つことが大切です。食費は家族の健康にも直結するので、無理のない範囲で楽しみながら家計管理を行いましょう。
 

出典

総務省 家計調査 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表2023年
総務省 家計調査 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表2022年
総務省 2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)9月分
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください