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保険で資産運用ができる!? 運用と保障の2つの機能を兼ね備えた「変額保険」とは

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月5日 22時20分

保険で資産運用ができる!? 運用と保障の2つの機能を兼ね備えた「変額保険」とは

継続する物価上昇や株価上昇、長期化する低金利などを背景として、保険分野では「運用」と「保障」という2つの機能を兼ね備えた「変額保険」への関心が高まっています。   変額保険とは、保険会社が株式や債券等を運用し、その運用実績に応じて保険金額や解約返戻金の金額が変動する保険です。しかし、少々仕組みが複雑でリスクが分かりづらく、加入後のトラブルも発生しているようです。   本記事では、変額保険の特徴と、覚えておきたいリスクやコストについて確認します。

変額保険とは

変額保険は、保障が一生涯続く「終身型」と、一定の保険期間が定められている「有期型」に大別されます。
 
前述のとおり、運用実績に応じて、保険金額(死亡・高度障害保険金額)や中途解約した場合の解約返戻金の額が、変動するのが特徴です。そして有期型の場合には、満期保険金があります。
 
資産運用は、さまざまなコストを差し引いた保険料(積立金額)により行われ、この積立金額は日々変動しています。運用の結果として受け取る保険金等には、以下のような「最低保証の有無」があります。


(1)死亡・高度障害保険金には、基本保険金額の最低保証がある
(2)解約返戻金や満期保険金には、最低保証はない

つまり有期型の場合、運用が好調なときは、払込保険料累計額を超えて上乗せされた満期保険金を満期時に受け取ることができる一方、運用実績が不調なときは元本割れとなる可能性があるのです。
 

定額保険との違い

変額保険に対し、一般的に、契約時点で保険金額(死亡・高度障害保険金、解約返戻金、満期保険金)が決まっている保険を「定額保険」といいます。
 
定額保険の場合には、保険契約者が支払った保険料は「一般勘定」で運用され、そのリスクは保険会社が負います。
 
これに対して変額保険では、保険料は「特別勘定」として別口座で運用・管理され、そのリスクは保険契約者本人が負うことになります。つまり、変額保険の運用実績は保険契約者の自己責任となり、個人での資産運用に近いものとなります。
 
また、将来一定の年齢に達したときに、年金として保険金を受け取ることができる「個人年金保険」のなかにも、「変額個人年金保険」があります。これも変額保険と同様に、年金を受け取る前に死亡した場合、死亡給付金に最低保証がありますが、解約返戻金の最低保証はありません。
 

変額保険のリスクやコスト

変額保険のリスクについては基本的に、個人で投資信託に投資する場合と同様であると捉えることができます。
 
価格変動リスクや金利変動リスク、外貨建て資産に投資した場合の為替変動リスクやカントリーリスク、信用リスクや流動性リスクなどが考えられます。運用実績に直結するこれらのリスクも、基本的には保険契約者が負うことになります。
 
また、変額保険は定額保険に比べて、コストがかかることも覚えておきましょう。その主なコストは、保険契約の締結や維持・管理に必要となる「保険契約関係費」や、投資対象となる投資信託の信託報酬など「資産運用関係費」があります。
 
また、早期の解約(一般的には契約から10年未満)や減額に対するペナルティーとなる「解約控除」なども設定されています。
 

まとめ

変額保険とは「万が一の死亡保障に備えながら、資産運用もできる保険商品である」といえます。
 
しかしながら、そのリスクや運用実績に対する責任は保険契約者本人にあることを、しっかりと認識しておきましょう。また、基本的には中途解約せず、長期的な加入をおすすめします。
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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