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高校生の息子を大学生になったら上京させたいと考えています。地方から東京の私大に進学すると4年間でどのくらい費用がかかるのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月7日 3時40分

高校生の息子を大学生になったら上京させたいと考えています。地方から東京の私大に進学すると4年間でどのくらい費用がかかるのでしょうか?

子どもが進学先を決める際に、地元ではなく東京の私立大学を候補にすることもあるでしょう。希望する大学へ進学してほしい気持ちがある半面、東京の私立大学となるとどのくらいの学費がかかるのかは気になるポイントです。また、学費以外にかかる費用があれば、事前に把握しておきたいところではないでしょうか。   本記事では、私立大学の学費がどのくらいかかるのか、学費以外にかかる費用を解説します。その他にも、私立大学の学費が足りない場合の対策をまとめました。

私立大学の学費は何を学ぶのかによって異なる

文部科学省の「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、私立大学の学費は図表1のように進学する学部によって異なります。
 
【図表1】

学部 入学金 授業料 施設設備費 合計
文科系学部 22万3867円 82万7135円 14万3838円 119万4841円
理科系学部 23万4756円 116万2738円 13万2956円 153万451円
医歯系学部 107万7425円 286万3713円 88万566円 482万1704円
その他学部 25万1164円 97万7635円 23万1743円 146万542円

文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について (資料1)令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について」より筆者作成
 
文系学部と比べて、理科系学部や医歯系学部のほうが学費は高額の傾向です。図表1の費用をもとに4年間にかかる学費(初年度費用+授業料と施設設備費×3年分)を計算すると、学部によって異なるものの410万~1605万円ほどかかります。
 

・文科系学部:119万4841円(初年度費用)+291万2919円(授業料と施設設備費×3年分)=410万7760円
・理科系学部:153万451円(初年度費用)+388万7082円(授業料と施設設備費×3年分)=541万7533円
・医歯系学部:482万1704円(初年度費用)+1123万2837円(授業料と施設設備費×3年分)=1605万4541円
※6年間の場合は2354万3099円
・その他学部:146万542円(初年度費用)+362万8134円(授業料と施設設備費×3年分)=508万8676円

 
また、学費には教材費や実習費などが含まれていません。授業料以外に、それらの費用がかかることもあらかじめ想定しておきましょう。

 

学費にお金をかけたくないなら国立や公立大学

進学する私立大学の学部によって学費は大きく異なりますが、費用負担をおさえたいのであれば国立大学や公立大学へ進学することも選択肢の一つです。
 
文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和5年度の国立大学と公立大学の入学金と授業料の平均額は図表2のとおりです。
 
【図表2】

大学 入学金 授業料
国立大学 28万2000円 53万5800円
公立大学 37万4371円 53万6191円

※文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について (参考2)国公私立大学の授業料等の推移」より筆者作成
 
国立大学と公立大学ともに、私立大学とは異なり文系や理系による学費の違いはありません。文部科学省の「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」に準じて、学費が決まっているからです。

 

学費以外に一人暮らしの費用がかかる

地方から東京の大学へ進学するとなると、学費以外に生活費がかかります。全国大学生活協同組合連合会の「第59回学生生活実態調査」によると、下宿生の1ヶ月当たりの生活費は12万7500円で、その内訳は以下のとおりです。
 

・食費:2万5880円
・住居費:5万4130円
・交通費:4330円
・教養娯楽費:1万2840円
・書籍費:1500円
・勉学費:1260円
・日常費:7330円
・通話通信料:3190円
・その他:2290円
・貯金・繰越:1万4740円

 

私立大学にかかる学費を用意するための方法

子どもが私立大学への進学を希望しているにも関わらず、学費の準備が難しい場合は奨学金制度や日本政策金融公庫の教育一般貸付といった方法で工面してみてください。
 
独立行政法人 日本学生支援機構が運営する奨学金制度は、返済不要の給付奨学金と返済が必要(無利子または有利子)な貸与奨学金の2種類に分類されており、世帯の収入状況や学生自身の成績によって条件が異なります。その他にも、成績が優秀な学生は授業料が免除になるなど、大学独自の制度を設けている場合があるので、事前にチェックしておくとよいでしょう。
 
日本政策金融公庫の教育一般貸付は、最長18年まで借り入れが可能なローンです。固定金利年2.40%、上限額350万円となっており、大学の学費以外に以下の目的にも利用できます。
 

・在学のために必要な住居費用
・教科書代
・教材費
・パソコン購入費
・通学費用
・国民年金保険料など

 

私立大学の学費がどのくらいかかるのか把握したうえで金策を検討しよう

私立大学の学費は、実際に進学する学部によって金額差が大きいです。4年間でかかる学費を文科系学部と比べると、理系学部は約130万円、医歯系学部は約1200万円も高いことが分かります。さらに東京へ上京となると、賃貸物件の契約費用や毎月の家賃、光熱費などの生活費も想定しなければなりません。
 
保護者の収入や貯金で、私立大学の学費を用意できれば特に心配はないでしょう。しかし、費用が足りない、貯金を全額使うのが不安な場合は、奨学金や日本政策金融公庫の教育一般貸付を利用することも検討してみてください。

 

出典

文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
文部科学省 国立大学法人法施行規則等関係省令について
全国大学生活協同組合連合会 第59回学生生活実態調査
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金
株式会社日本政策金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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