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50代一人暮らしの会社員です。「貯蓄ゼロ」ですが、年金でどうにかなりますよね?周りはもっと貯蓄しているのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月8日 5時10分

50代一人暮らしの会社員です。「貯蓄ゼロ」ですが、年金でどうにかなりますよね?周りはもっと貯蓄しているのでしょうか?

50代で一人暮らしをしていると、老後の生活費や貯蓄について不安を感じることがあるかもしれません。「貯蓄ゼロでも、年金でどうにかなるのでは?」と考える方もいるでしょう。周囲の人たちはどれくらい貯蓄しているのか気になるところです。   本記事では、年齢階級別の平均貯蓄額を紹介するとともに、平均的な老後の生活費や年金受給額を比較して、実際に年金だけで生活ができるのかを考えていきましょう。

年齢階級別平均貯蓄額について

金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、年齢階級別の平均貯蓄額は、表1のとおりです。
 
表1

20歳代 121万円
30歳代 594万円
40歳代 559万円
50歳代 1391万円
60歳代 1468万円
70歳代 1529万円

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」を基に筆者作成
 
50歳代の平均貯蓄額は1391万円ですが、金融資産を保有していない割合は38.3%と4割近い方が「貯蓄ゼロ」であることが分かります。
 
なお、今回紹介した貯蓄額は平均値であり、貯蓄額が極端に多かったり、少なかったりする人が多ければ平均値も大きく変動するため、あくまで参考としてご覧ください。
 

老後の一人暮らしにかかる生活費の目安

ここでは、65歳以上の単身無職世帯が毎月どのくらいの生活費を使っているのか紹介します。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上単身無職世帯の1ヶ月における消費支出の平均額は表2のとおりです。
 
表2

食料 4万103円
住居 1万2564円
光熱・水道 1万4436円
家具・家事用品 5923円
被服・履物 3241円
保健医療 7981円
交通・通信 1万5086円
教養・娯楽 1万5277円
その他の消費支出 3万821円
消費支出合計 14万5430円

出典:総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
定年後の一人暮らしでは、毎月およそ14万5000円の生活費が必要であると分かります。
 

平均的な年金受給額は約14万5000円

厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和4年度末時点における厚生年金保険(第1号)の受給者平均年金月額は、老齢基礎年金の額も含めて約14万5000円です。
 
平均額を基に考えると、一人暮らしであれば、年金だけでもギリギリ毎月の生活費を賄える可能性があります。そのため、50代で貯蓄ゼロでも老後の生活を維持できると考えられるかもしれません。
 
しかし、ライフスタイルの変化や、年齢とともに増える医療費や介護費など、予期しない大きな出費が発生することも考慮する必要があります。そのため、通常の生活費に困らないとしても、万が一の急な出費に備えるために、年金の繰下げ受給や再雇用制度などを活用し、定年後も安定した収入を確保することが大切です。
 

50代から貯蓄を進めるためのポイント

50代からでも貯蓄を増やしながら資産運用を行えば、資産の増加が期待できます。しかし、運用する金融商品にはさまざまな種類があり、多くの場合元本割れのリスクが伴うため、慎重に選ぶことが大切です。
 
一般的に資産運用のイメージとして、投資信託や株式投資が挙げられますが、どちらも景気の影響を受けやすく、利益が出るかどうかを予測するのは難しいでしょう。
 
資産運用を検討する際は、事前にしっかりと知識を身につけたうえで、自分のリスク許容度や運用目的に応じて、適切な方法を選ぶことが大切です。
 

年金だけでは突発的な出費に備えられない可能性があるため、貯蓄はあったほうがよい

結論からいうと、貯蓄はあったほうがよいでしょう。今回参照したデータによれば、年金受給額と老後の生活費の平均額はほぼ同じくらいという結果でしたが、それだけでは突発的な出費や予期せぬ事態に対応するのは難しいかもしれません。
 
例えば、医療費や介護費、住宅の修繕費など、年齢を重ねるごとに必要になる可能性のある費用は年金だけでは賄いきれない場合があります。また、旅行や趣味など、生活にゆとりを持たせるための出費も考慮する必要があるでしょう。
 
そのため、年金で生活費を賄いつつ、貯蓄を持つことで予測できない支出に備えることができ、より安定した老後生活を送れるようになるでしょう。将来の安定を考えると、現役時代から少しずつでも貯金を積み立てておくことが大切です。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降) 各種分類別データ(令和5年) 統計表の番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
厚生労働省年金局 令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 II 厚生年金保険 (2)給付状況 表6 厚生年金保険(第1号) 受給者平均年金月額の推移(8ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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