ノンアルコールビールの酒税は本当に「0%」ですか?ビールより安いのは確かですが「発泡酒」とあまり値段が変わらない気がします…
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月8日 4時10分
ノンアルコールビールは、近年の健康志向や飲酒運転への厳罰化などを背景に人気が高まっています。しかし、価格設定について疑問を持つ消費者もいるのではないでしょうか。 この記事では、ノンアルコールビールと酒税の関係や、価格設定について調べてみました。
ノンアルコールビールとは
酒類とは、アルコール度数が1%以上の飲料を指します。そのため、含まれるアルコール度数が1%未満で、ビール風味の飲料が「ノンアルコールビール」(またはビールテイスト飲料などとも呼ばれる)です。
ノンアルコールビールには、大きく分けて醸造後にアルコール分を除去したもの、アルコールの発酵をおさえたもの、アルコール発酵させないものの3種類があります。味や香りはビールに近く、ノンアルコールでありながらビールの風味を味わえることが特徴です。
ノンアルコールビールには酒税がかからない
酒税は、アルコール度数が1%以上の酒類に課される間接税の一種です。この定義により、ノンアルコールビールは酒税が課税されない商品となり、酒税は0%となります。
ノンアルコールビールとともに、ビールよりも気軽に飲めるお酒として「発泡酒」があります。発泡酒は麦芽または麦が原料で、発泡性を有し、アルコール度数が20%未満の酒類を指します。
ノンアルコールビールは発泡酒よりも安い?
酒税がかからないノンアルコールビールの価格は、アルコール入りの発泡酒よりも安くなるはずです。
しかし、実際の店頭価格を見ると必ずしもそうではありません。表1に、あるメーカーのノンアルコールビールと発泡酒の価格(1本350ミリリットル)をまとめました。
表1
品名 | 1本あたりの価格(税抜き) |
---|---|
ノンアルコールビール | 99円~189円 |
発泡酒 | 135円~215円 |
※2024年11月現在のネットスーパー価格を基に筆者作成
商品によってはノンアルコールビールが発泡酒を上回るものもあるようです。
発泡酒よりも高いノンアルコールビールがある理由とは?
ノンアルコールビールは、発泡酒に比べて製造コストが高い場合があります。アルコールを除去する工程や、アルコールを生成せずに風味を再現する技術など、特殊な工程を経て製造されるためです。
また、ビール市場が縮小する中、ノンアルコールビールは比較的新しく、また今後も伸びることが期待されており、メーカー各社がシェアを伸ばすために競って力を入れている市場とされています。消費者の認知度向上や需要喚起のためのマーケティング費用も必要であり、その分価格に上乗せされる可能性があります。
また、より本物のビールに近い味や香りを実現するための研究および開発には、多額の投資が行われていると考えられます。このように、ノンアルコールビールには多くのコストが必要です。そのため、酒税が課税されていなくても発泡酒よりも高い商品があると考えられるでしょう。
ノンアルコールビールの注意点
ノンアルコールビールはアルコールを含むビールとは味わいが異なるため、風味が物足りなく感じることがあるかもしれません。
ノンアルコールビールはビールよりもカロリーが低めであることが多いですが、商品によっては糖分や人工添加物が含まれていることもあるため飲みすぎには注意が必要です。
また、ビールと同様に酒のアテと一緒に飲む場合は、脂っこい食べ物やおつまみなどを食べ過ぎてしまう可能性もあり、ダイエット中の人には向いていないといえる面もあります。
ノンアルコールビールの酒税は0%だが、製造コストなどにより必ずしも発泡酒より安くならない面がある
ノンアルコールビールはアルコール度数が1%未満であることから、酒類には含まれません。そのため、酒税は0%となり、一般的にビールよりも安価に販売されることが多いでしょう。
しかし、酒税が課税されないにもかかわらず、アルコールを含む発泡酒と価格がそれほど変わらないことがあります。その理由は、原材料や製造工程の違い、マーケティング費用や広告宣伝費、研究開発費などが影響していると考えられます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「酒じゃないから」と油断しちゃダメ “ノンアルコールビール”飲み過ぎで病気リスク増 医師が警鐘するワケ
オトナンサー / 2024年12月15日 7時10分
-
「低アル飲料」を喜んで飲む人が知らない"真実" むしろ時代によってその基準は変化してきた
東洋経済オンライン / 2024年12月6日 8時50分
-
「微アルで適正飲酒」推進の裏にある不都合な現実 もはや、メディアに踊らされているにすぎない
東洋経済オンライン / 2024年12月6日 8時40分
-
新ジャンル縮小の中、アサヒが「スーパードライ」などを値上げへ
財界オンライン / 2024年12月5日 19時0分
-
毎日缶ビールと酎ハイを1本ずつコンビニで買ってくる夫。毎日コンビニに行くよりもスーパーでまとめ買いしたほうが安いですよね?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月1日 4時20分
ランキング
-
1女川原発、営業運転を再開=福島第1と同型で初―東北電力
時事通信 / 2024年12月26日 18時46分
-
212月末まで!今年の「ふるさと納税」注意したい点 定額減税の影響は? 申し込む前に要チェック
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 13時0分
-
3ローソン、東京など一部店舗で販売する“氷”を自主回収へ ガラス片混入の恐れ
日テレNEWS NNN / 2024年12月26日 20時51分
-
4昭和的「日本企業」は人事改革で解体される? 若手社員への配慮と、シニアの活性化が注目される背景
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月26日 5時55分
-
5なぜスターバックスの「急激な拡大」は失敗に終わったのか…成長を一直線に目指した企業の末路
プレジデントオンライン / 2024年12月26日 15時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください