50歳の女性です。年金の受給額が「10万円未満」ですが「少なすぎ」でしょうか? 受給額を上げるには「頑張って働く」以外ないのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月9日 23時20分
年金は、老後の生活を支える重要な存在です。納めた保険料に応じて受給できる金額が決まるため、場合によっては年金受給額が10万円未満になるケースもあります。 今回は、年金受給額の決まり方や、老後資金を計画的に作る方法を解説します。
年金10万円未満は少なすぎ? 年金受給額の決まり方
老齢基礎年金の受給額は保険料を納めた月数によって決まり、2024年度の満額受給額は6万8000円です。保険免除期間や未納期間がある場合、減額したうえで老齢基礎年金の受給額を計算します。
老齢厚生年金の受給額は、以下のように加入期間と加入期間中の報酬(給与)によって決まる仕組みです。
・2003(平成15)年3月以前の加入期間:平均標準報酬月額×(7.125÷1,000)×2003(平成15)年3月以前加入期間の月数
・2003(平成15)年4月以降の加入期間:平均標準報酬額×(5.481÷1,000)×2003(平成15)年4月以降の加入期間の月数
厚生年金の加入期間が短い方や、加入期間中の報酬が少ない方は、受け取れる年金額も少なくなります。受給額の見込みは、厚生労働省の公的年金シミュレーターや、毎年届くねんきん定期便で確認できるため、調べてみるとよいでしょう。
年金が少ない人がやるべき老後資産の作り方とは?
年金受給額が少ない方は、自助努力により老後資産を増やしましょう。代表的な手段として考えられるのは、以下のとおりです。
・NISAで資産運用する
・iDeCoに加入する
・厚生年金に加入してできるだけ長く働く
・年金の繰下げ受給を活用する
年金だけで老後の生活を賄うのが難しい場合、NISAやiDeCoなどの税制優遇がある制度を活用して資産形成を進める必要性が高いでしょう。特に、iDeCoは老後資産作りに特化している点が特徴です。
iDeCoでは拠出した掛金が全額所得控除の対象となり、運用益が非課税となるメリットがあります。さらに、受取時には退職所得控除または公的年金等控除が適用され、さまざまな税制優遇が設けられています。
また、資産運用だけでなく長く働くことも大切です。資産運用で増やすよりも、人的資本を生かし、できるだけ長く働くことが効果的な老後資金対策となります。
厚生年金に加入する働き方を長く続ければ、勤労収入を得つつ将来受給できる年金を増やせます。特に昨今は労働力不足に悩む企業が多く、65歳以上で働く方も増えているため、高齢者でも働きやすい環境といえるでしょう。
働く期間を長くできれば、公的年金を繰下げ受給できる可能性が生まれるでしょう。繰下げ受給すると、65歳時点での年金受給額から1ヶ月あたり0.7%増額された年金を受け取れます。
例えば、70歳まで働き70歳から公的年金を受給すると、65歳時点の年金額から42%増額された年金を受け取れます。さらに、70歳まで働いた分の年金も加算されるため、経済的な安心が増すでしょう(65歳以後に厚生年金保険に加入した期間は増額の対象外)。
まとめ
ねんきん定期便が届き、自分の年金受給額が思ったよりも低いと、老後生活に不安を感じるかもしれません。年金は老後生活を支える柱である以上、できるだけ多く受給できたほうが安心です。
老後生活の経済的不安を軽減するためには、NISAやiDeCoで資産運用したり厚生年金に加入したりして、できるだけ長く働くことが効果的です。あわせて、年金の繰下げ受給を活用すれば受給できる年金額を増やせるため、より安心できるでしょう。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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