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70代の親に「株価がこんなに下がっている! 早くNISAを売って投資なんてやめたほうがいい」と言われました。確かに投資は損をすることもあるし、やはり定期預金のほうがいいのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月10日 22時40分

70代の親に「株価がこんなに下がっている! 早くNISAを売って投資なんてやめたほうがいい」と言われました。確かに投資は損をすることもあるし、やはり定期預金のほうがいいのでしょうか?

今年2月に34年ぶりに日経平均株価の終値が最高値を更新し、その後7月11日には4万2224円まで上昇しました。その後徐々に下降線をたどり、8月5日には終値ベースで前日比4451円(約12%)の値下がりで、最高値を更新してから1ヶ月弱で1万円以上の値下がりとなってしまいました。   ここまでの下落は2008年のリーマンショック以降なく、それ以降に投資を始めた方には初めての経験になります。   このようなとき、バブルを経験した世代の方に表題のようなことを言われることがあるかもしれません。では、本当にここで投資活動をやめていいのでしょうか。今回は投資の基本について、もう一度見ていきます。

NISA口座での取引について

NISAは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つに分かれています。特に「つみたて投資枠」を利用している方の目的は、短期的な利益の追求ではなく中長期の資産形成ではないでしょうか。
 
そうであれば、投資の大原則である「長期・積立・分散」の原則を守るべく、このような乱高下の場面であっても急いで売却すると長期の資産形成に悪影響を与えます。
 
また、NISA口座の場合「損益通算」「繰越控除」ができません。
 
損益通算というのは、同一年内の利益と損失を相殺することです。上場株式等の売買によって得た利益(譲渡益・配当等)には税金が約20%かかります。しかし利益が出た年に、同じく売買によって損失が出た場合には利益から差し引くことができ、その分だけ支払う税金が減ることになります。
 
繰越控除とは、損益通算で引ききれなかった損失を最大3年間繰り越して利益を差し引くことです。NISAでは、この両方ができないということです。
 
これは、そもそもNISAは非課税なので損益通算という概念がないからです。
 

この先どのようにしていけばよいの?

結果論になりますが、8月5日以降の株価は基本的に上昇基調であり、11月8日現在で3万9500円台まで回復しています。あくまで、今回の下落は調整局面ではないかと思われます。
 
投資をしていると、このような場面に出くわすことは何度もあります。では、次回以降このような場面に出くわしたらどのように対処、あるいは考えるようにすればいいのか、主に以下の4点が挙げられます。
 
1.なぜ投資をしているのか
投資を始めた理由(目的)をもう一度思い出して、その理由(目的)を達成するための方法を考え直してみましょう。当初の理由(目的)が明確であれば、調整局面であっても一喜一憂しなくなる可能性はあります。基本的に多くの方は、老後資金などの長期的視点で投資を始めていると思われますので、短期的な市場の動きに惑わされないようにしましょう。
 
2.投資にはリスクがあることを念頭に冷静に考える
当然ですが、投資にはリスクが付きものです。そして、各人のリスク許容度によって投資を行っているでしょう。下落時にはそれを思い出して熱くならず、冷静に分析したうえで周りに流されることなく、取引あるいは静観するようにしましょう。
 
3.「長期・積立・分散」の「分散」を考える
すべての株式等が、同じ割合で値下がりするわけではありません。できるかぎり投資先(例:地域や商品、株式であれば業種等)を複数に分散することで、少しでもリスクを分散することをお勧めします。
 
4.この経験を基にさらに投資について学んでいく
今回の経験を基に、さらに投資に関する情報や知識を常に入手することによって、次にこのような場面になった際に経験と学びによってより良い判断ができるようになるでしょう。
 
上記の対処を行っても次回以降の下落時に必要以上に気にするようであれば、それは皆さんのリスク許容度や投資金額が妥当ではない、つまりオーバーしている可能性があります。そのような場合は、今より低リスクの商品の購入や投資額の減額をすることをお勧めします。
 

いろいろな情報や意見が出てきますが……

このような下落時には、いろいろな情報や意見が流れてきます。そのなかにはまったく正確性・信頼性のない情報もあります。どの情報が正しいのかを冷静に選択するようにしましょう。なぜなら、仮に皆さんが損失を被っても情報の発信者は補てん等してくれないからです。
 
今回のご質問も、あくまで親世代が経験したバブルを基にした意見にすぎません。投資は自己責任ですので冷静な動き・判断もリスクヘッジの一つになります。
 

出典

金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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