45歳で受け取った「ねんきん定期便」を見たら、年金額は「年100万円」とのことです……独り身なのですが、老後は大丈夫でしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月10日 5時10分
45歳で受け取った「ねんきん定期便」を確認したところ、年金額が年間100万円であることが判明した際、独り身であるため、将来の生活費に対する不安が募る方もいるでしょう。 本記事では、独身者の平均的な生活費とともに、年金受給額を増やす方法について考えていきます。将来の年金額に不安がある方は、今後の暮らし方の参考にしてください。
老後に独り身で暮らす人の平均生活費
ここでは老後に独り身で暮らす人の平均生活費を紹介します。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上単身無職世帯における1ヶ月の消費支出は表1の通りです。
表1
食料 | 4万103円 |
住居 | 1万2564円 |
光熱・水道 | 1万4436円 |
家具・家事用品 | 5923円 |
被服・履物 | 3241円 |
保健医療 | 7981円 |
交通・通信 | 1万5086円 |
教養・娯楽 | 1万5277円 |
その他の消費支出 | 3万821円 |
消費支出合計 | 14万5430円 |
出典:総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
定年後の一人暮らしには、毎月およそ14万5000円、年間にするとおよそ175万円の生活費が必要と分かります。そのため、年間100万円の年金受給額の場合、75万円分の貯蓄を取り崩す必要があります。
年金受給額を増やす方法
ここでは、年金受給額を増やす方法を紹介します。ゆとりを持った老後生活を送りたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
繰下げ受給を利用する
年金受給額を増やすなら繰下げ受給を利用する方法があります。繰下げ受給とは、原則65歳で受け取れる老齢年金を、66歳以後75歳までの間で繰り下げて受け取る制度です。年金を受け取るタイミングを1ヶ月遅らせるごとに0.7%の増額が行われます。
年金の受給タイミングを後ろにずらすほど増額率が高くなり、年金受給額が増加する仕組みです。また、増額率は生涯継続されるため、仕事を退職してから一定期間収入のない状態に耐えられるのであれば、その後は生涯増額された金額を受け取れるため、大きなメリットがあるといえます。例えば、1年間受け取りを繰り下げれば、将来受け取れる年金額は8.4%も増額した金額となります。
国民年金に任意加入し、付加保険料を納付する
40年の保険料納付済期間がないために老齢基礎年金を満額受給できない場合などは、60歳から65歳までの間に国民年金への任意加入とともに、付加保険料を納付することでも年金額を増やすことが可能です。1ヶ月あたり400円の付加保険料を定額保険料にプラスして納めることで、受け取れる老齢基礎年金の金額に付加年金が上乗せされます。
日本年金機構によれば、付加年金の年金額は「200円×付加保険料納付月数」で計算されます。例えば、60歳から65歳の5年間で付加保険料を納付すると、支払う保険料は2万4000円となり、老齢基礎年金は年間で1万2000円上乗せされる計算です。そのため、年金を2年以上受け取れば付加保険料支払い分の元が取れ、その後も増額分を受け取り続けられます。
再雇用制度などを利用して定年後も働く
厚生年金保険は原則として70歳まで加入可能です。そのため、60歳以降も会社で働き、厚生年金保険料を支払い続ければ受け取れる老齢厚生年金が増加します。老齢厚生年金の金額は、厚生年金保険に加入していた間の年収や加入期間などに応じて計算されます。
また、60歳以降も働き続ければ将来受け取れる老齢厚生年金が増加されるだけではなく、給与や賞与などの収入が得られるメリットもあります。
十分な資産形成ができていない場合は年金受給額を増やす方法を検討しよう
受給予定の年金額が少なく、老後に向けた資産形成が十分でない場合、年金受給額を増やす方法を検討することが大切です。具体的には、繰下げ受給や国民年金への任意加入、再雇用制度の活用などが挙げられます。いくつかの選択肢を考慮することで、将来の生活をより安定させられるでしょう。今のうちから積極的に対策を講じておくことが、安心できる老後生活につながります。
出典
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
日本年金機構 付加年金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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