「遺産500万円」を17歳の子どもに渡したい! 妻に「18歳になってからのほうが税金が安い」と言われましたが、どのくらい変わるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月11日 5時0分
遺産が入ったタイミングで子どもに贈与しようと考えた場合、17歳で贈与するケースと18歳で贈与するケースでは贈与税の計算方法が変わります。そのため、今すぐにでも贈与する必要がないなら、焦って贈与せずに18歳になってからのほうがメリットは大きい可能性が高いです。 本記事では、18歳になってから贈与したほうがメリットの大きい理由について解説するので、気になる人は参考にしてみてください。
18歳以上と17歳未満では税率の計算が変わる
贈与税は、1月1日から12月31日までに贈与された額が、基礎控除額である110万円を超えた分が対象です。基礎控除額を超えていないなら贈与税は発生しませんが、超えている場合は決められている税率で贈与税の計算がおこなわれます。
税率は、他人からの贈与・きょうだい間の贈与・夫婦間の贈与・親から子への贈与で子が未成年の場合に適用される「一般贈与財産用(一般税率)」、両親や祖父母などの直系尊属から18歳以上(贈与を受けた年の1月1日において18歳以上)に贈与された場合に適用される「特例贈与財産用(特例税率)」が決められています。
一般贈与財産用、特例贈与財産用それぞれで税率が決められていることに加えて、贈与税の控除額も決められています。
例えば、500万円を贈与するときには基礎控除したあとで、一般税率では税率20%・控除額25万円ですが、特例税率では税率15%・控除額10万円になります。
基本的に特例贈与財産用のほうが贈与税について優遇されているため、17歳で500万円の贈与をするよりも18歳で500万円の贈与をしたほうがいいということです。
500万円を贈与するときの贈与税はどれくらいになる?
500万円を贈与するときの贈与税について、一般税率と特例税率それぞれ計算してみます。最初に基礎控除後の課税額を計算してから、贈与税額の計算をするのが基本的な流れです。
基礎控除後の課税額の計算 贈与額-110万円(基礎控除額)=課税価格
贈与税額の計算式 課税価格×税率-控除額=贈与税額
500万円を贈与するときの贈与額は、以下のとおりです。
一般税率:500万円-110万円=390万円 390万円×20%-25万円=53万円
特例税率:500万円-110万円=390万円 390万円×15%-10万円=48万5000円
贈与税額は一般税率と特例税率では4万5000円の差があるため、今すぐにでも贈与する必要がないなら18歳になるまで待ったほうがお得です。
また、複数の贈与があり一般税率と特例税率が同時に適用される場合、すべての財産をそれぞれの税率で計算した税額に占める一般贈与財産と特例贈与財産の割合に応じた税額を別々で計算し、合算した金額が贈与税額になります。
お金の使用目的によっては一括で贈与をしないほうがいいケースもある
贈与したお金の使用目的によっては、一括で贈与をしないほうがいいケースもあるため、状況に合わせた判断が大切です。贈与税は原則として贈与を受けたすべての財産にかかりますが、一部例外的に贈与税がかからないものがあるからです。
贈与税がかからないものの1つに、扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産が挙げられ、これは親が子どもの学費を支払うことも対象です。贈与する目的が進学費用や生活費の場合、社会通念上問題ない範囲なら贈与税はかかりません。
つまり、将来の進学費用として500万円を贈与するのではなく、必要なタイミングでその都度贈与すれば贈与税はかかりません。
このような贈与税の特例はいくつか存在するため、確認しておくことが大切です。
まとめ
子どもに贈与をする際には一般税率に該当するのか、特例税率に該当するのかは重要なポイントといえます。贈与額が大きくなるほど特例税率のメリットも大きくなるため、事前に計算するなどの工夫が大切です。
また、贈与した後の使い方が生活費や教育費が目的の場合、一括で贈与をせずに、必要なタイミングでその都度贈与するほうが贈与税はかかりません。実際に贈与する前には、特例制度の活用も視野に入れてみてください。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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