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2000万円の「親の土地」を譲り受ける予定ですが、家を建てると親にも「税金」はかかりますか?譲ってもらうより借りて建てた方がお得でしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月11日 4時0分

2000万円の「親の土地」を譲り受ける予定ですが、家を建てると親にも「税金」はかかりますか?譲ってもらうより借りて建てた方がお得でしょうか?

親がもう使わなくなった土地を譲ってもらったり、借りたりして子どもが家を建てるケースもあるでしょう。親から土地をもらうときは、状況に応じて税金が課される可能性があります。   税金は子どもだけでなく、親にも課される場合があるため、申告漏れがないようにチェックしておきましょう。今回は、親が所有している土地を利用して家を建てるときにかかる税金についてご紹介します。

親からもらった土地に子どもが家を建てると税金がかかる可能性がある

親から譲り受けた土地に家を建てた場合、かかる可能性のある税金は子どもに対する贈与税と不動産取得税、登録免許税です。また、子どもが土地を譲り受けるにあたって金銭を支払っている場合は親に対する譲渡所得税などです。いくら税金がかかるのかは、無料で受け取ったのか、低価格で売ってもらったのかで変わります。
 
もし、無料で受け取っていれば、贈与税の課税金額は土地の相場と同じ金額が課税対象になりますが、低額で売ってもらった場合は、土地の相場から購入価格を引いた金額が課税対象です。また、低価格で売ってもらった場合は、親に対して売った金額に相当する譲渡所得が発生する可能性があります。
 

貸し借りの場合は贈与税がかからない

親子間での土地の貸し借りになると、贈与税は発生しない可能性が高いでしょう。国税庁によると、親子間での土地の貸し借りは使用貸借として扱われ、土地を使用する権利金などを払うことは通常ないようです。
 
ただし、親が亡くなると、借りている土地は相続税の課税対象であるため注意が必要です。相続税の計算に使用する土地の価格は、家を建てるために借りている土地の「貸宅地」ではなく、自分が所有している「自用地」としての評価額です。
 
貸宅地だと自用地よりも評価額が低くなるため、貸宅地で相続税の計算をすると、あとから税金の過少申告として指摘される可能性があります。計算時には必ず自用地の評価額を使うようにしましょう。
 

税額はいくらくらい?

今回は、以下の条件で土地を譲り受けた場合と無料で借りている場合の税額を比較しましょう。

●土地の評価価格は2000万円
●家に対する固定資産税は考慮しない
●譲り受けた場合も借りた場合も、親へ金銭は支払っていない
●土地を受け取ったのは10月

土地を譲り受けた場合

無償で土地を譲り受けた場合、名義が変更されるため登録免許税、不動産取得税、また贈与税がかかります。
 
登録免許税は、不動産登記をする際などに課される税金です。土地を譲り受けると、1000分の20の税率がかかります。今回のケースだと、登録免許税額は「2000万円×1000分の20」で40万円です。登録免許税は登記申請をする際に納付します。
 
不動産取得税は、土地や建物を売買したり贈与されたりしたときに、その不動産を入手した方が支払う税金です。総務省によると、土地と住宅に対する税率は令和6年度10月時点で軽減税率である3%が適用されているようです。
 
不動産取得税額の求め方は「不動産の評価額×税率」のため、不動産取得税は60万円です。また、不動産の取得方法により納期は異なり、土地を取得したときは登記から半年程度で納税通知書が送られ、通知書の期日までに納付します。ただし、自治体によって期日や通知書が送付される時期が異なる可能性もあるため、確認しておきましょう。
 
贈与税は、贈与された総額から基礎控除の110万円を引いて算出します。2000万円の贈与の場合、課税対象は1890万円です。今回は特例税率を用いて算出します。条件を基にすると、1890万円のときの税率は45%、控除額は265万円なので、贈与税額は585万5000円です。
 
登録免許税、不動産取得税、贈与税をすべて合算すると、土地を譲り受けた年には685万5000円の税金が発生します。
 
なお、固定資産税の納付も必要になるため、忘れないようにしましょう。
 

土地を借りて相続した場合

相続税の基礎控除は「3000万円+相続人数×600万円」のため、土地の評価額が2000万円で、土地のみを相続したときは相続税がかかりません。しかし、実際には土地以外にも預金や建物など、さまざまな相続財産と合算したうえで計算する必要があります。
 
今回は、親が亡くなった時点での土地の評価額を2000万円、ほかの相続財産は以下の条件とします。

●相続人数は一人
●土地以外に合計3000万円を相続

相続税の基礎控除は、今回のケースでは3600万円です。土地とほかの相続財産を合計すると5000万円なので、基礎控除を引いた1400万円に対して相続税が課されます。
 
課税金額が1400万円のときの税率は15%、控除額は50万円のため、相続税額は160万円です。また、土地を相続したときの登録免許税は、割合が評価額に対して1000分の4なので、8万円かかります。合計すると、借りていた土地を相続したときの税額は168万円です。なお、相続したときに不動産取得税はかかりません。
 
2000万円の土地を贈与として受け取った時の税額合計が685万5000円だったので、先に土地を借り、あとで相続をした方が517万5000円安くなります。
 

借りる方が税額は安くなるケースもある

親の土地を利用して家を建てる場合、土地が譲られたものなら登録免許税や不動産取得税、贈与税などが、借りているなら親が亡くなった際に相続税が発生します。親と土地の貸し借りをした場合は、贈与税がかからないため、土地の評価額やほかの相続財産の金額によっては貸し借りの方がお金がかからない可能性があります。
 
親の土地を譲ってもらったり借りたりするときは、どの税金がどのくらい課されるのかよく確認しておきましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.4552 親の土地の子供が家を建てたとき
総務省 不動産取得税 不動産取得税の納税額の計算方法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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