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地方で暮らす母親が肺がんになり「月10万円」の医療費を息子の私が負担することになりました。この場合「医療費控除」は適用されるでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月11日 10時10分

地方で暮らす母親が肺がんになり「月10万円」の医療費を息子の私が負担することになりました。この場合「医療費控除」は適用されるでしょうか?

年齢を重ねるにつれて病気や怪我のリスクは飛躍的に向上しますが、時には高額な医療費を伴う病気を患うケースもあるでしょう。高額な医療費が必要になる病気はいくつかありますが、中でもがんはその代表格といえます。   医療費が高額な場合、当人以外の親族が支払いをすることもあるでしょう。その際に気になるのは、医療費控除を適用できるかです。そこで本記事では、地方で暮らす母親の医療費を子どもが負担する場合、医療費控除が適用されるのかについて解説します。

医療費控除とは

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、税金の負担額を軽減できる制度です。中には医療費控除の対象にならない費用もありますが、肺がんにおける医療費は多くの場合対象になる可能性があると考えられます。
 
医療費控除の利用において注意すべきことは医療費の内容や対象期間のほか、「同一生計の家族」という考え方です。自身の医療費だけでなく、同一生計の家族であれば、その医療費も医療費控除の対象になります。今回のケースは「地方で暮らす母親」が、同一生計とみなされるかどうかがポイントになるでしょう。
 
同一生計の要件は同居ではないため、状況次第では離れて暮らしていても同一生計とみなされます。所得税法では勤務や修学、療養などの都合で、親族同士が同居していなくても、常に生活費や学資金、療養費などの送金が行われていれば「同一生計の家族」とみなされるとしています。
 
例えば、子どもが学校に通うために一人暮らしをしている場合、親が生活費や学費が送金するケースが一般的でしょう。この場合、親と子どもが離れて暮らしていても同一生計にあるとみなされるため、子どもの医療費を親が払うと親は医療費控除を受けられるとされています。
 
今回のケースは普段の生活状況が見えないため、一概に断定できません。しかし、医療費控除が適用される余地はあるといえるでしょう。気になる場合には、しかるべき相談窓口で早く相談してみることをおすすめします。
 

肺がんにおける医療費の内訳と支払いに有効な制度

肺がんにおける医療費の内訳を以下にまとめました。


・治療費
・入院料
・検査料
・画像診断料

上記の中でも大きな割合を占めるのが治療費だと考えられます。治療費は投薬料や注射料、手術料、その他の処置料からなります。ただし、肺がんの種類やステージなどによって、内訳や金額は大きく異なる可能性があります。
 
経済的な負担を減らすためにも、医療費控除はもちろん、公的医療保険制度や高額療養費制度なども活用していくべきでしょう。
 
公的医療保険が適用されれば手術料や検査料、薬剤費、入院費などの自己負担額が1割~3割になるため、支出を大幅に抑えられる可能性があります。
 
高額療養費制度とは、1ヶ月に支払う医療費の自己負担額が一定を超えた場合に、超過分の払い戻しが後で行われる制度です。なお、超過のボーダーラインは年齢や所得によって定められるため、人によって異なります。
 
全国に点在しているがん診療連携拠点病院にはがん相談支援センターが設置され、がんの医療費に関連する支援制度のほか、がん治療における多種多様な相談や悩みに対応してくれます。無料で利用できるといわれているため、不安な点があれば活用してみてください。
 

一緒に住んでいなくても医療費控除は使える

地方に住む母親の医療費を子どもが負担した場合、法的に同一生計の家族とみなされれば医療費控除が適用されます。
 
つまり、同居していることが絶対条件ではありません。あくまで「生計を共にしているかどうか」が重要です。大きな支出や税金に関わる問題であるため、不安な点があれば専門の相談窓口で相談してみることをおすすめします。
 

出典

e-Gov法令検索 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第七十三条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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