子どもにスーパーでおつかいを頼んだ際「50円ほど多く」お釣りをもらってきたことが翌日に判明…!少額なので気にしなくていいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月14日 4時30分
店でお釣りを多く渡された場合、申告するべきか迷う方もいるかもしれません。その場で気づかず後で判明した際は「黙っていても大丈夫」と考える方もいるようです。特に、少額のお釣りの場合や店が遠方にある場合、申告が面倒に感じる方もいるでしょう。 しかし、お釣りを多く受け取ってそのままにしておくと、犯罪とみなされる可能性があるため注意が必要です。お釣りが多いと気づきながら受け取った場合、詐欺罪に該当するおそれがあり、後で気づいても返却しなければ遺失物等横領罪に問われる可能性があります。 この記事ではお釣りを多く受け取った場合にどのような刑罰が科される可能性があるのか、詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
お釣りの金額にかかわらず「詐欺罪」「遺失物等横領罪」のどちらかに該当するケースがある
レジでお釣りを多く受け取ってそのままにしておいた場合、「詐欺罪」「遺失物等横領罪」のどちらかに該当する可能性があります。これは、1円や50円などの少額のお釣りでも該当する可能性があるため、注意が必要です。
詐欺罪に該当するケース
刑法第246条によると、詐欺罪とは「人を欺いて財物を交付させた者」や同条の第2項の「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者」に該当する行為です。
店員がお釣りを間違えて多く渡し、その場で気づいたのにそれを指摘せず受け取る行為は「人を欺いて財物を交付させた者」に該当する可能性があります。詐欺罪が認められると、10年以下の懲役が科されるおそれがあるため注意が必要です。
遺失物等横領罪に該当するケース
今回のように、お釣りを多く受け取った時点では気づかず、後で気づいて店側に返金しない場合は「遺失物等横領罪」に該当する可能性もあります。刑法第254条によると、遺失物等横領罪とは「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者」に該当する行為です。
「遺失物」は落とし物のような状態のものを、「漂流物」は川などに沈んでいたり浮かんでいたりする遺失物を指します。「占有を離れた他人の物」は持ち主の意思に基づかず誰にも占有されていないものを指し、今回の事例においては、店側のミスで多く渡されたお釣りも該当すると考えられます。
そのため、多く渡されたお釣りを返していないことが後で発覚すると、遺失物等横領罪に該当するおそれもあるため注意が必要です。該当した場合は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金、もしくは「科料」に処される可能性があります。
14歳未満の場合は児童相談所などが対応する
前述した詐欺罪や遺失物等横領罪は、小さな子どもの場合には適用されない可能性があります。
刑法第41条では「十四歳に満たない者の行為は、罰しない」と記されているため、罰金や逮捕などの対象にならないとされています。しかし、「触法少年」という扱いになり、児童福祉法上の措置が優先されるようです。具体的には、児童相談所などが対応することとなり、内容によっては家庭裁判所が扱う「少年事件」となる可能性もあるとされています。
お釣りを多くもらったことに後から気づいてそのままにしておくと遺失物等横領罪になる可能性がある
レジで店員が間違えたとはいえ、お釣りを多くもらったことに気づいたうえでそのまま立ち去ると詐欺罪になる可能性があります。詐欺罪に該当した場合、10年以下の懲役を科せられる可能性もあるため、注意が必要です。
また、お釣りを多くもらったことに後から気づいて返却しなかった場合は、遺失物等横領罪に該当するおそれがあります。発覚した場合、1年以下の懲役または10万円以下の罰金などが科せられる場合もあるでしょう。
ただし、14歳未満は刑法の対象となりませんが、児童相談所などが対応することとされています。家庭裁判所が扱う少年事件となる可能性もあるため、「多くもらったお釣りは返さなくても大丈夫」という認識は危険です。お釣りが多いと気づいたら、速やかに返却するように心がけましょう。
出典
e-Govポータル法令検索 刑法(明治四十年法律第四十五号) 第一編 総則 第七章 犯罪の不成立及び刑の減免 第四十一条(責任年齢)、第二編 罪 第三十七章 詐欺及び恐喝の罪 第二百四十六条(詐欺)、第三十八章 横領の罪 第二百五十四条(遺失物等横領)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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