「ミニマリスト」になったら「節約効果」はありますか? 正直「スッキリするだけ」だと思ってしまいます…。
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月15日 9時20分
ミニマリストの生活スタイルがもたらす節約効果を解説します。また、物を減らすことで不要な支出を抑え、管理コストやメンテナンス費用の削減にもつながるなど、実際の経済的な効果も金額と併せて解説します。
ミニマリストとは
ミニマリストとは、「最小限の」を意味するミニマル(minimal)からつくられた造語であり、必要最小限に物を減らして暮らす人を指す言葉です。ミニマリストは環境問題への対応の思考の1つとして誕生した、ともいわれています。
生活に困らない必要最小限の物だけを持つほうが豊かに生きることができる、という考え方に沿った生活スタイルは、一般的に必需品であっても、本人が不要と判断すれば容赦なく廃棄するというものです。
そのためにまずは「断捨離」をして、不要な物をなくすことが必要となります。
断捨離とは、お釈迦さまの教え「断行・捨行・離行」から誕生した言葉です。不要な物を単に処分するのではなく、物にとらわれずに生きていく考え方を示しており、ミニマリストに通ずるものがあります。
一方、「シンプリスト」と「ミニマリスト」は大きく異なります。素朴でシンプルなライフスタイルを目指す人が「シンプリスト」であり、所有物よりも生活の質や心地よさを追求している人を指します。
ミニマリストの購入スタイル
ミニマリストは品質や耐久性にも着目して物を選びます。買い替える回数も減るため、買い置きなどのストックする個数も増えません。また、資源の無駄遣いを避けることができる、という環境問題への配慮もできます。
そして複数の用途で使えるアイテムを選ぶことで、物の数が減るだけでなく、収納面でも効率的です。また、コンパクトさなども考慮しながら、材質など処分するときのことまで想定して物を選ぶなど、使用するシーン以外にも配慮して厳選します。
そしてミニマリストが物を選ぶときに一番重視するのは「自分にとって必要なものかどうか」という点です。自分にとって不必要な物があるほうがミニマリストにとってはストレスにつながるため、物が減ることで生活に支障がでないかなどを熟考して決める傾向があるようです。
ミニマリストの節約効果
総務省統計局が毎年実施している「家計調査(家計収支編)2023年(令和5年)」によると、単身世帯の消費支出の平均額は16万7620円、2人以上の世帯の平均額は29万3997円という結果でした。
2人以上の世帯について年代別にみても 40歳未満は「27万2468円」と平均より低くなるのは、物の保有を減らすミニマリスト志向が原因である、と内閣府も分析しています。
ミニマリストの多くが削る物は「衣類」です。2人以上の世帯が支出する衣類の平均額は9644円であり、年間11万5728円になります。下着の費用である月額940円は支出するとしても、年間10万4448円の節約が可能です。
また使途不明のお小遣いとして毎月5890円が平均金額として記載されています。必要な物にしか囲まれていないミニマリストにとって「使途不明」の項目は基本的に発生しないため、計算すると年間7万680円が浮く計算になります。
これらの金額より2人以上の世帯では17万5128円、月額1万4594円の節約効果が見込めます。
ミニマリストは必要な物にしか囲まれていないため、不要な物に埋もれることがなくなります。忘れ物が減ったり、同じものを何回も買ったりしてしまうなど、不要な買い足しが減るのも節約効果につながっているようです。
ミニマリストで節約をすすめよう
ミニマリストとは無理をして節約しているのではなく、必要な物は惜しみなく出費し、自分にとって不要な物やサービスを可能な限り排除する生活スタイルを指します。
自分にとって必要な物だけに囲まれると、収納のセンスに関係なく家のなかがスッキリ片付くというメリットもあります。無理のない範囲でミニマリストのスタイルを取り入れ、節約に取り組んでみてください。
出典
総務省統計局 家計調査(家計収支編)調査結果
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
内閣府 令和元年度 年次経済財政報告 第1章 日本経済の現状と課題 第2節
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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