タンス預金「200万円」がありますが、同僚に「お金の価値が下がるから資産運用したほうがいい」と言われました。現金なら減ることはないと思うのですが、どういう意味なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月15日 5時0分
手元にお金を置いておく「タンス預金」は、必要な際に銀行の窓口やATMから引き出さなくてもお金を使えるメリットがあります。ただ、インフレが続く昨今では資産価値が目減りするマイナスの影響も大きいです。 本記事ではタンス預金で「お金の価値が下がる」の意味と、タンス預金からどの資産に換えればインフレ対策になるかを解説します。
「お金の価値が下がる」ってどういうこと?
お金の価値が下がるというのは、簡単にいえば「インフレーション(以下、インフレ)」が起きている状態を指します。インフレは、物価が継続的に上がる状態のことです。
インフレが起こって物の価格が上昇すると、同じ金額で購入できる物やサービスが減少し、同じものを購入するのに今までよりも多くのお金が必要になります。
例えば、今まで1個100円で購入できたリンゴが200円になると、1円あたりのお金の価値が下がったということです。
つまり、物価が上がると今までと同じ生活水準を保つためには、より多くのお金を用意しなければならなくなるのです。
タンス預金ではインフレに対応できない
何らかの理由でお金をタンス預金している場合、インフレに対応することが難しいかもしれません。
タンス預金の場合、銀行の預金や投資などの資産運用と違い、保有していても利息を得ることはできません。例えば、200万円をタンス預金しているとして、10年持っても20年持っても200万円のままです。
一方、日本の物価はどんどん上昇しています。
総務省の「2020年基準 消費者物価指数」を見ると、2024年9月分の物価指数は、2020年を100とした場合、総合指数は108.9%で前年同月比2.5%の上昇となっています。つまり、ここ数年で9%近く物価が上昇していることになります。
物価はどんどん上昇しているのに、タンス預金は200万円のまま増えも減りもしません。物価の上昇が進むほど200万円で購入できるものの数が減ることから、200万円という「金額の価値が下がってしまう」ということです。
だからといって、タンス預金をやめて普通預金や定期預金に預け入れしても、金利が低いためインフレで資産価値が目減りする状況はあまり変わりません。例えば、あるメガバンクの普通預金金利は年0.100%、スーパー定期で0.125~0.300%です。
利息がつく分だけタンス預金よりも資産形成はできるものの、その金額は微々たるものです。現在は1年で2%以上の物価上昇が実現していることを考えると、年0.100~0.300%の利息を受け取っても物価上昇には到底対抗できません。
インフレに対応するならタンス預金から資産運用にお金を回そう
インフレに対応するなら、タンス預金から「インフレに強い資産」に換えていくことを検討しましょう。
インフレに強い代表的な資産が、「金(ゴールド)」「不動産」といった現物資産です。これら現物資産は、インフレの影響を受けて価格が上昇する傾向にあるため、インフレに強い資産とされています。
また、株式や投資信託も、インフレに強い資産です。物価が上昇すると企業は自社の製品やサービスの価格に転嫁することができ、企業の収益が伸びて株価や基準価額が上昇する傾向にあります。
ただし、こうした資産運用をしたからといって必ず利益が約束されるかというわけではなく、投資にはリスクがつきものという点には注意しましょう。自分の資産をどのように管理し、運用していくかは慎重に検討する必要があります。
まとめ
インフレが起こると企業の業績が伸びる傾向にありますが、会社の利益が従業員に「賃上げ」という形で還元されるには時間がかかることがあります。また、賃上げしても物価上昇に追いついておらず、実質賃金が低下し続けているのが日本の現状です。
タンス預金をしているだけでは資産価値が目減りする一方なので、インフレに強い資産に換えていくことも検討してみましょう。
出典
総務省 2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)9月分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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