夫が死亡し、遺族年金を「年40万円」受け取っています。今後「5年間」しか支給されなくなるって本当でしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月17日 4時30分
配偶者が亡くなった際に「遺族年金」を受け取れる場合があります。現行の遺族厚生年金では「夫の死亡時に30歳以上である妻(子がいない場合)」は生涯にわたって受け取れますが、今後見直しになる可能性があるのをご存じでしょうか? そこで本記事では、現行の遺族厚生年金について解説し、今後の見直し案としてどのようなものが出ているのかを紹介していきます。
現行制度は男女差がある
遺族基礎年金は国民年金に加入している人などが亡くなった場合に、亡くなった人に生計を維持されていた「子のある配偶者」と「子」が受け取れる年金です。
遺族厚生年金とは、厚生年金保険に加入している人が亡くなった場合や障害厚生年金を受け取っている人などが亡くなった場合に受給対象者が受け取れる年金です。受給対象者は「子のある配偶者」「子」「子のない配偶者」「父母」「孫」「祖父母」となっています。
また、遺族厚生年金の支給期間は妻・夫の年齢によって異なります。
例えば、夫が亡くなったときに30歳未満で子のない妻は5年間のみの支給、30歳以上の妻は一生涯の支給となります。しかし、妻が亡くなった場合、子のない夫は55歳未満の場合は支給されず、55歳以上の場合にのみ60歳から受給できます。
このように妻と夫によって支給の期間が異なり、夫の場合は年齢によっても妻と比べて支給される場合が限定されているのが現状です。
支給期間が5年間に統一される可能性が
前記のように、遺族厚生年金は「妻・夫の年齢」によって支給期間が異なるので、男女差があると問題視されています。そこで、遺族厚生年金の支給期間について見直し案が出ているのです。
見直し案の内容は「20代から50代の子のない配偶者は、夫もしくは妻が亡くなってから5年間の支給とする」といったものになっています。このように遺族厚生年金の支給期間を年齢・性別に関係なく5年間とすることで、男女差をなくす設計です。
仮に現在40歳の子どもがいない場合は、現行制度であれば遺族厚生年金を一生涯受け取れることになりますが、見直し案になると5年間の支給となってしまいます。年に40万円の遺族年金を受け取っている場合は5年間だと200万円の支給です。
現行制度では200万円以上受け取れる可能性が高いので、見直し案が実施されると受け取れる年金額は大きく減ってしまうことが予想されます。
もっとも、子のない夫については現行制度の場合は55歳未満だと支給されませんでしたが、20代から50代であっても支給されるようになります。
年金制度の今後の動向に注目しておきましょう
見直し案には遺族厚生年金の期間変更だけでなく、中高齢寡婦加算の段階的廃止といったものも盛り込まれています。中高齢寡婦加算は夫が亡くなった際の年齢が40歳から65歳未満までの子のない妻が、就労が困難になることを危惧して遺族厚生年金に加算されるものです。
しかし、こちらについても社会情勢が変化したため、段階的に廃止していくことが案として出ています。
見直し案は今後すぐに実施されるわけではなく、現状は現行制度のままで支給されます。しかし、見直し案は現在の社会情勢から考えると実施される可能性もあるので、今後の動向に注目しておきましょう。
出典
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
厚生労働省 遺族年金制度等の見直しについて
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
遺族年金の見直しで、子どもなし世帯は受給が5年間に?最新の改定案とは
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月25日 9時40分
-
知らないと「40万円」も損する可能性も!?「ねんきん定期便」だけでは分からない年金とは
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月13日 3時40分
-
遺族厚生年金は生涯もらえると思っていたのですが、子どものいない30歳未満の妻は一定期間しかもらえないって本当ですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月9日 23時0分
-
専業主婦で子ども1人を育てています。夫にもしものことがあったら大変だなと考えてしまうことがあります。子育て中なのに「遺族年金」を受け取れないケースはあるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月2日 9時20分
-
妻が亡くなり「遺族年金」を受給するために手続きを進めています。今56歳なのですが、60歳の「定年退職」まで受給はできないのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月27日 4時50分
ランキング
-
1女川原発、営業運転を再開=福島第1と同型で初―東北電力
時事通信 / 2024年12月26日 18時46分
-
212月末まで!今年の「ふるさと納税」注意したい点 定額減税の影響は? 申し込む前に要チェック
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 13時0分
-
3ローソン、東京など一部店舗で販売する“氷”を自主回収へ ガラス片混入の恐れ
日テレNEWS NNN / 2024年12月26日 20時51分
-
4昭和的「日本企業」は人事改革で解体される? 若手社員への配慮と、シニアの活性化が注目される背景
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月26日 5時55分
-
5なぜスターバックスの「急激な拡大」は失敗に終わったのか…成長を一直線に目指した企業の末路
プレジデントオンライン / 2024年12月26日 15時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください