運転中、後続の車に「追突」された! 相手は「無保険」とのことだけれど、修理代は請求できないの?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月17日 5時30分
自動車事故の被害者にとって、加害者が無保険であることが発覚すると、治療費や修理費の負担について不安を感じることになるでしょう。 この記事では、無保険車との事故に備えて被害者が取ることができる対策について、詳しく解説します。
無保険車との事故ってどういうこと?
自動車保険は、その名の通り、自動車に関する事故に備える保険です。自動車保険には、強制加入の自賠責保険と任意加入の民間自動車保険の2種類があります。
自賠責保険と任意加入保険の違い
一般に自動車を運転する際には「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)」の加入が義務付けられています。自賠責保険は、被害者救済を目的とした保険で、対人事故(けがをさせた、死亡させた場合)の被害者のみ補償されるもので、双方の車の損害や加害者自身のけが・死亡は対象外とされています。
自賠責保険で足りない補償については、任意で民間自動車保険に加入する必要があります。
任意加入の自動車保険とは、他人の財物(ガードレール、電柱など)を損壊した場合の損害賠償や、加害者側の車の損害・同乗者の死傷時の補償のために加入するものです。
自動車事故ではさまざまな被害が想定されるため、万一のリスクに備え、任意保険を契約して補償範囲を広げておくと安心です。
無保険車とは
「無保険車」とは、自賠責保険には加入しているものの、任意保険に加入していない車両を指します。自賠責保険は法律で加入が義務付けられており、車検のタイミングで手続きを行うため、一般的に車を所有・運転する場合は加入しているはずです。
しかし、任意保険加入は義務化されていないため、未加入の人も一定数存在します。
損害保険料率算出機構のデータによると、自動車保険未加入の割合は11.6%にもなります。
このような無保険車との事故では、相手から十分な賠償を受けることが難しい場合が多く、被害者側が補償手段を検討しておかなければなりません。
無保険車との事故で治療費や修理費を請求できる?
加害者が無保険だと、被害者は自賠責保険による人身損害への補償しか受けられない可能性が高くなります。車の修理費やそのほかの損害を請求するには、加害者個人に対して直接請求を行うことになるでしょう。しかし、実際には高額な賠償金を支払えないケースも多く、費用回収が難しいというリスクがあります。
こういったリスクに対応するため、以下で解説するような代替手段や保険の利用も検討しておきましょう。
無保険車との事故の際に利用できる保険
被害者自身が任意保険に加入している場合、無保険車との事故でも、補償内容によっては治療費や修理費がカバーされることがあります。特に「車両保険」や「人身傷害補償保険」を付けていると、自身の車の修理代やけがに対する治療費の一部が補償対象になるため、相手が無保険車だった場合のリスクを減らすことができます。
また、無保険車との事故リスクをカバーする「無保険車傷害保険」という特約もあり、これを利用することで一定の補償が受けられます。この特約は、加害者が任意保険に加入していない場合でも被害者の治療費やそのほかの損害を補償してくれるものです。ただし、無保険車傷害保険の適用範囲は契約内容によるため、加入している保険会社に詳細を確認することが重要です。
まとめ
無保険車との事故に遭った場合、相手から十分な賠償を受けられない可能性があるため、被害者自身が冷静に対応方法を検討することが大切です。まずは自身が加入している任意保険や無保険車傷害保険が適用されるかを確認し、保険会社へ連絡を取ると良いでしょう。
今後のためにも、無保険車との事故リスクをカバーするため、任意保険の補償内容を見直し、無保険車傷害保険や車両保険などを追加することを検討しておきましょう。
事故の際に適切な補償を受けられるよう備え、安心して運転できる環境を整えることが、万が一のトラブルに対する最善の予防策です。
出典
損害保険料率算出機構 自動車保険の概況2023年度版
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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