食料品や衣料費の節約より効果がある!? 家計を見直すなら、銀行口座の引き落としにも目を向けよう!
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月19日 6時0分
「家計の見直しをしたいと思うけど、家計簿をつけるマメさはありません。どこから手をつけたらいいの?」そのようなお悩みに答えて、我慢を少なく実行できる方法を探ります。
どこから手をつける? 家計の見直し
「このままじゃダメなのでは?」と、相談に来たAさん。Aさんは会社に勤める30代で独身です。仕事もプライベートも順調で、充実した毎日を送っています。
先日同期で集まった際、NISAの話になりました。日頃お金の話はしませんが、「今年、NISAを始めた」という話題での流れです。驚いたことに、その場にいた5人中3人がNISAを始めているというのです。そこでAさんは「赤字ではないけれど、お金の関心が薄いので使い放題で貯金できていない」ことに気がつきました。
家計簿をつけることはもちろん、毎月どのくらいお金を使っているのかも把握できていないAさんです。日々の節約は必要ですが、今回は手をつけやすく、我慢いらずの場所から攻略します。
見直す箇所は、銀行の自動引き落としやカード払いになっている費目です。これらは一度設定すると、よほどのことがないかぎり放置されたままです。生命保険や自動車保険、スマホの料金プランなどが代表例です。「別に今のままで不便を感じていないし、このままでいいじゃない」となっていませんか?
心理学的には「現状維持バイアス」の考え方、すなわち“人は新たな選択肢が表れても現状を維持するほうを選ぶ”ということの表れかもしれません。しかし、根底にあるのは「面倒だから」という簡単な理由かもしれません。もしそうであれば、「面倒だから」を克服しましょう。
通帳を開けてみることが節約につながる
※保険の見直し
生命保険に加入したのはいつですか? そのときと今では、自分の環境に変化はありませんか? 保険の見直しでは、「自分のニーズに合っているか」に着目することが大事です。
また保険の商品内容も変化しているため、最新の情報を知っておくことも有効でしょう。さらに、理解しやすい商品を選ぶことがポイントです。自動車保険なども、更新の時期に他社のサービスと比較することをお勧めします。
※スマホの料金プランの見直し
スマホはなくてはならない存在ですが、使い方は変化してきています。電話機能を使うことが減り、動画やゲームで遊ぶ以外にキャッシュカードや交通系のIC機能など多様になりました。各社がさまざまなプランを打ち出していますので、自分の使い方に合ったものに見直すことで無駄をなくせるでしょう。
このように自分のライフスタイルが変化していること、企業側が新プランを打ち出していることの両方の側面で、定期的な見直しが節約につながるケースは多くなっています。
自動引き落としに潜むリスク
自動引き落としのリスクは、以下の2つがあります。
(1)引き落とされていることに鈍感になること
例えば、以前通っていたスポーツジムの月会費です。「いつか行くかもしれないし、退会手続きが面倒」などという理由でそのままになっていませんか? 動画配信サービスなども同様です。
「あのドラマ、面白いよ」と勧められて入会したものの、ドラマを見終わってからは配信を見ていません。また見たくなるかも、と月額料金は引き落とされ続けています。
これらは、いったん終了してもよいのではないでしょうか。入会時と比べて退会は手続きしにくいというハードルがあるかもしれませんが、手続きを済ませばスッキリするかもしれません。そこで、浮いたお金をNISAのつみたて枠に充てれば、Aさんも晴れてNISAデビューが果たせるのではないでしょうか。
(2)金額の多寡に鈍感になること
最近はキャッシュレスが進み、支払いの多くはクレジット払いになっています。現金払いが主流の時代は、1万円札を崩すときにためらうこともあったのではないでしょうか。
“ピッ”や“ポチッ”で決済するようになると、540円や1980円などの小さな金額の無駄遣いは今月の総支払額のなかに紛れてしまいます。本当に必要だったのか、と反省する機会もありません。
「家計をスリム化するにはどうすればいいのか?」1ヶ月の予算を決めて支出を管理することが王道ですが、今回は、むしろ逆算するやり方を提案します。
給料日の直後に、1万円(仮)を先取り貯金用の口座に移します。通常よりも1万円少ない金額で、1ヶ月間乗り切るのです。初月クリアできたら、先取り貯金の金額を2万円に増額するのも一案です。
これまでお金をダラダラと使っていた場合は、かなりの余力があるはずです。3ヶ月ほど試してみると、“無理なく”貯められる適正金額が見えてきます。
この“無理なく”がポイントです。継続は力なり、続けることが肝要です。ある程度の金額になったらモチベーションも上がりますし、お金に興味が湧いてきます。さらに増える喜びも実感できるでしょう。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
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