子育て奮闘中の私に「月3万円」の仕送りをしてくれる母。気持ちは嬉しいのですが、月「15万円」の年金暮らしなので無理をしていないか心配です…。自分の生活費は足りているのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月19日 9時10分
親からの仕送りに対し、ありがたいと感じる反面、「生活は大丈夫か」と心配してしまっている方も多いのではないでしょうか。仕送りという言葉はよく耳にするものの、親からの仕送り額は一体どれくらいが平均なのか気になるところです。 今回は、子育て中の子どもに対し、親が仕送りする金額について紹介します。親のお財布事情についても紹介するので、参考にしてみてください。
親から子への仕送り平均額は?
子育て中の子どもに対し、親が仕送りする平均額について調べてみました。厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、2022(令和4)年の仕送り額は月7000円でした。年間にすると、8万4000円の仕送りとなります。
これを踏まえると、親から月3万円を仕送りしてもらう場合、年間では36万円にのぼります。平均額と比較すると、月3万円の仕送りは多い可能性があるといえるでしょう。
子育てでお金が必要な子どもにとっては、非常にありがたい仕送りです。一方で、平均額を考えると、親の生活費が気になり申し訳ない気持ちになるかもしれません。
親世代の生活費と貯蓄はどうなっている?
育児をする世代から見た親世代には、年金で生活している方も少なくないでしょう。
昨今年金だけでは生活できないといわれているなかで、親世代はどのように仕送りするお金を捻出してくれているのでしょうか。ここでは、親世代の生活費と貯蓄について紹介します。
65歳以上の生活費
総務省統計局の「2023年(令和5年)家計の概要」によると、65歳以上の1ヶ月あたりの生活費は表1のとおりです。
表1
無職世帯の場合 | 1ヶ月あたりの生活費 |
---|---|
夫婦で生活 | 25万959円 |
単身世帯 | 14万5430円 |
※総務省統計局「2023年(令和5年) 家計の概要」より筆者作成
生活費と近年の年金額から考えると、年金額は人それぞれ異なるものの、貯蓄を取り崩しながら生活する方が多いと考えられます。
特に昨今は、物価上昇などの影響もあり、生活水準を下げながら家計をやりくりしている世帯も増えているようです。
二人以上の世帯で40代以上の貯蓄は?
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、40代以上の貯蓄額は表2のように公表されています。
表2
年代 | 貯蓄額 |
---|---|
40~49歳 | 1208万円 |
50~59歳 | 1705万円 |
60~69歳 | 2432万円 |
70歳以上 | 2503万円 |
※総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」を基に筆者作成
例えば、65歳から100歳まで生きる場合を考えると、残りは35年です。2432万円の貯蓄額をもとに計算すると、1ヶ月あたりに使えるお金は約5万8000円です。
生活のために預貯金を取り崩すだけでなく、病気や怪我による医療費などにも、備えておく必要があります。そのため、実際に使える預貯金額はさらに限られる可能性があります。
人生100年時代といわれる日本では、預貯金が多いからといって、生涯裕福な生活が送れるわけではないようです。
なぜ仕送りができる? 親世代のお財布事情
限られた年金や生活費を考えると、親が子どもに仕送りすることは難しいと思う方は多いことでしょう。
しかし、実は親世代には仕送りが可能となる「お財布事情」を抱えている可能性があります。その1つが、年金や貯蓄以外の収入です。バブルを経験した親世代は、実は積み立ててきたお金を所持している可能性があります。
●財形貯蓄制度
●企業年金
●個人年金保険
現役時代、勤め先の財形貯蓄制度や企業年金に加入していた人は、公的年金にプラスして収入を得ています。また、生命保険会社で個人年金保険に加入していた人は、安い保険料で継続してきた年金を受け取っていることも考えられます。
親の仕送りにはお財布事情をズバリ聞いてみよう
お母さまから仕送りをしてもらっていて「母の生活が心配」と思うのであれば、お母さまに直接お財布事情を聞いてみてください。もしかすると、意外な収入を知るきっかけになるかもしれません。
ただし、お母さまに話を聞くときは「仕送りのお礼」も忘れずに伝えるようにしましょう。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 国民生活基礎調査 / 令和5年国民生活基礎調査 / 所得
総務省統計局 2023年(令和5年)家計の概要
総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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