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夫の年収600万円、私の年収が400万円で世帯年収が「1000万円」です。ふるさと納税で控除される上限額はいくらくらいでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月20日 23時30分

夫の年収600万円、私の年収が400万円で世帯年収が「1000万円」です。ふるさと納税で控除される上限額はいくらくらいでしょうか?

ふるさと納税は、寄付した金額に応じて税額控除を受けられる制度です。しかし、必ずしも寄付した全額が対象にはならず、控除対象の上限額が設けられています。上限額は、収入などによって異なるため、寄付する前に確認しておきましょう。   また、おおよその上限額の算出方法を知っておくことも大切です。今回は、自己負担額を除いた全額が控除されるふるさと納税の上限額や算出方法などについてご紹介します。

自己負担額を除いた全額が控除されるふるさと納税の上限額とは

ふるさと納税では、総所得金額などに応じて、自己負担額の2000円を除いた全額が控除される上限額が定められています。
 
総務省によると、控除対象となるふるさと納税額の上限は所得税が総所得金額等の40%、住民税だと総所得金額等の30%、さらに住民税の特例分だと住民税所得割額の20%と定められています。
 
ただし、自己負担額の2000円を除いた全額が控除される納税額は、上限設定が最も低い住民税特例分の「所得割額の20%を超えないこと」が条件です。
 
総務省によれば、所得割額の20%を超えていないとき、住民税特例分は以下の式で求められます。
 
・住民税特例分:(ふるさと納税額-2000円)×(100%-10%-所得税の税率)
 
なお所得税の税率は、令和19年中の寄付までは、復興特別所得税の税率が加算されます。
 
山口県下松市によると、これらの条件を踏まえたうえで、ふるさと納税の上限額を求められる式は以下の通りです。
 
・住民税所得割額×20%÷(90%-所得税の税率×1.021)+2000円(自己負担分)
 

ふるさと納税の計算で使う「総所得金額等」「所得割額」とは?

国税庁によれば、総所得金額等とは給与所得だけでなく、雑所得や不動産所得、配当所得などの所得に、長期譲渡所得と一時所得の半額と山林所得、退職所得を合算した金額をいいます。また、給与所得は年収から給与所得控除を引いた金額です。年収とは金額が異なるため、計算をするときによく確認しましょう。
 
住民税の所得割額とは住民税のうち、所得に応じて決められる金額です。税率は基準が10%で、自治体によっては変動するケースもあります。
 

夫が年収600万円、妻が年収400万円のときの上限額

ふるさと納税の上限額を求めるには、寄付をしていないときの所得税と住民税が必要です。今回は、以下の条件で年収600万円の夫と年収400万円の妻の自己負担額が2000円を超えずにふるさと納税ができる上限額を求めます。なお、条件は夫婦共通です。
 

・東京都在住
・40代
・賞与は考慮しない
・給与所得控除、社会保険料控除、基礎控除以外の控除は考慮しない
・健康保険料と厚生年金保険料は全国健康保険協会の「令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」を使用

 
条件を基にした各料金は表1の通りです。
 
表1

月収 50万円 約33万3333円
健康保険料と介護保険料(月額) 2万8950円 1万9686円
厚生年金保険料(月額) 4万5750円 3万1110円
雇用保険料 3万6000円 2万4000円
社会保険料控除額
(社会保険料年間合計額)
93万2400円 63万3552円
給与所得控除 164万円 124万円
税金の計算に使う金額 342万7600円 212万6448円
所得税基礎控除 48万円
所得税の課税金額 294万7000円 164万6000円
所得税率と控除額 10%、9万7500円 5%、0円
所得税額 19万7200円 8万2300円
住民税基礎控除 43万円
住民税の課税金額 299万7600円 169万6448円
住民税所得割の税率と均等割額 10%(所得割)+5000円(均等割)
住民税額 30万4760円
(うち所得割額29万9760円)
約17万4645円
(うち所得割額約16万9645円)

※筆者作成
 
まず、夫の場合の税額を基にすると、ふるさと納税の上限は「29万9760円×20%÷(90%-10%×1.021)+2000円」となり約7万7137円です。妻の場合、計算式は「約16万9645円×20%÷(90%-5%×1.021)+2000円」のため、約4万1965円が上限になります。
 
ただし、同じ年収でも家族構成や賞与など、条件が変わると上限額も変動します。今回記載している上限額はあくまでも参考値なので、詳細な金額を知りたい方は、自治体やふるさと納税ポータルサイトが提供しているシミュレーションを活用しましょう。
 

自己負担額を除いた全額が控除されるふるさと納税の上限額の目安は、夫が約7万7000円、妻が約4万1000円

ふるさと納税は、総所得金額などに応じて、自己負担額を除く全額が控除される上限額が変動します。実質的な負担額を2000円以内におさえるためにも、おおよその上限額の算出方法を知っておくとよいでしょう。
 
今回の試算によれば、年収600万円なら上限額は約7万7137円、年収400万円だと約4万1965円です。夫婦共働きの場合、上限額は夫婦別で計算するため注意しましょう。
 

出典

総務省 ふるさと納税ポータルサイト ふるさと納税のしくみ
下松市
国税庁 専門用語集
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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