喫煙歴20年の夫のたばこが「1箱580円」でビックリ! 以前は「300円」くらいだったと思うのですが、いつからこんなに値上がりしたのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月23日 4時40分
家族が1箱580円のたばこを購入しているのを見て、「昔は1箱300円くらいだったのに……」と驚いた経験がある人もいるかもしれません。実際、たばこの価格はここ数十年で大きく変動しています。 本記事では、たばこが値上がりした背景と理由、そしてたばこが家計や健康に与える影響について解説します。
たばこが値上がりした背景と理由
たばこの値上がりの背景には、たばこ税の増額が大きく影響しています。たばこの小売価格には消費税以外に、国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税が含まれています。税金の割合は60%を超えていて、1箱580円のたばこを購入する場合、そのうちの300円以上が税金です。このように、たばこは税負担が重い商品なのです。
たばこの値上げの大きな理由には、これらの税金の引き上げがあり、その裏には国の厳しい財政事情が関係しています。高齢化に伴い社会保障関係費が増加し、国や地方の財政状況は厳しさを増しています。たばこは生活必需品ではないものと位置づけられているため、財政のための収入源として重い税金が課される傾向にあるのです。
たばこの価格推移
たばこの価格は値上がりを続けています。日本たばこ産業株式会社の主力ブランド「メビウス」を例にして、どのくらい価格が上昇しているのか見てみましょう。
メビウスは、以前は「マイルドセブン」という名前で発売されており、2003年の販売価格は270円でした。この価格が、2006年には300円、2010年には410円に値上がりしています。2018年には480円、2020年には540円、現在では580円に達しています。
このように、約20年でたばこの価格は2倍超も上がっていることが分かります。
たばこが家計と健康に与える影響
たばこが家計に与える影響は、どのくらいでしょうか。1箱580円のたばこを20年間、毎日1箱吸った場合の家計への影響を試算すると次のようになります。
・1年間にかかる費用
580円×365日=21万1700円
・20年間にかかる費用
21万1700円×20年=423万4000円
たばこを毎日吸うだけで、20年間で約423万円の出費です。400万円あれば、自動車を購入したり、国内外の旅行を何度も楽しんだりすることが可能でしょう。子どもの教育費や、老後の生活への蓄えにもなるでしょう。たばこ代が家計に与える影響がどれほど大きいかが、よく分かりますね。
また、喫煙は体に悪影響を及ぼすことも知られています。例えば、たばこの煙はがんや脳卒中など多くの病気と関係しています。また、女性の場合は早産や低出生体重児の出産など、妊娠・出産への影響もあります。さらに、たばこを吸う本人だけではなく、周囲の人へも受動喫煙の形で健康に悪影響を与えてしまいます。
家計や健康への影響を考え、たばことの付き合い方を考えよう
たばこの価格は、この20年間で約2倍に値上がりしています。たばこを吸うことでどれくらいの費用がかかるか、家計への影響の大きさを実感して、驚いた人もいるかもしれません。
たばこは金銭的な負担があるだけではなく、健康面へも悪影響を及ぼします。自身や大切な家族の健康のためにも、夫に禁煙や節煙を検討してもらうことも必要かもしれません。1人で禁煙に取り組むのが難しい場合は、禁煙外来など専門家の力を借りるのも良いでしょう。
出典
財務省 たばこにはどれくらいの税金がかかっているのですか?
財務省 たばこ税等に関する資料
厚生労働省 e-ヘルスネット 喫煙による健康影響
執筆者:山田麻耶
FP2級
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