東京で働いている同じ年の友人は年収「600万」、私は半分の「300万」です。将来もらえる年金も同じく半分なのでしょうか? 老後の生活が不安です。
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月24日 23時0分
同じ年で働いている友人の年収が自分より高いと、ふとしたときに将来もらえる年金額にも差が出るのか不安になるものです。特に年収が300万円の場合、年金額が十分なのか心配される方も多いでしょう。 本記事では、年収が異なるとどのように年金額が変わるのか、また年金以外にどのような方法で老後資金を準備できるのかについて詳しく解説します。老後の生活を安心して送るために、今からできる対策を一緒に考えてみましょう。
年収が異なると年金額も変わる?年金の仕組みを解説
年金制度は、主に「公的年金」と「私的年金」の2つに分かれます。公的年金としては「国民年金」と「厚生年金」があり、会社員の場合は厚生年金に加入します。支払う年金額は、主に「収入に応じた保険料」の金額と「加入期間」によって変わります。
一般的に、厚生年金の保険料は年収に応じて決まりますが、標準報酬月額の上限が設けられているため、一定の年収を超えると保険料と将来の年金受給額の差は小さくなります。具体的に示すと年収780万円以上では、年金受給額にほとんど差が生まれません。
年金の計算には、「厚生年金加入年数」や「平均標準報酬額」などの要素が関係します。厚生年金の受給額は、働いていたときの給料と加入期間に応じて決まります。また、国民年金の年金保険料は年収による差がないのに対して、厚生年金は年金保険料の納付金額に上限が設けられているため、年収による年金受給額の差は予想以上に小さくなります。
年収300万円でも老後に備えられる?年金以外の資金計画
年金だけでは老後資金が十分でないと感じる方も多いです。
Sasuke Financial Lab株式会社(東京都千代田区)が運営する、保険の一括比較・見積もりサイト「コのほけん!」が実施した「公的年金制度と老後資金に関する意識調査」(調査期間:2024年8月7日・8日、調査対象:20~59歳の男女365名)では、約75%の人が日本の年金制度に不安を感じています。
年収300万円の場合、厚生年金に40年間加入すると受け取る年金額は月額12万5000円程度です。総務省が公表している「家計調査(二人以上の世帯)2024年(令和6年)9月分」によると支出額は28万7963円なので、ゆとりのある生活を送れない可能性があります。しかし、年金以外にも資金を準備する手段は多くあるので、紹介していきます。
代表的なのはiDeCoやNISAです。これらは節税効果があるため、長期的に資産を増やしやすい仕組みです。iDeCoは月額5000円から始められ、60歳以降に引き出せるため、年金の補助として役立てられます。NISAは年間360万円(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)まで非課税で投資でき、老後資金準備の選択肢として人気があります。
また、老後資金の一部として、預貯金、投資信託、個人年金保険などを組み合わせて準備するとよいでしょう。前述の「公的年金制度と老後資金に関する意識調査」によると、年金以外の老後資金準備方法として、預貯金が62.3%と最も多く、次いで新NISAが44.4%、投資が29.8%、個人年金保険が27.8%となっています。
年金以外の手段での資金計画を立てることにより、将来の不安を軽減できます。これらの仕組みを上手に活用し、早いうちから少しずつ準備を始めるのがおすすめです。
将来の生活を支えるために今からできる対策
年金以外の資金計画と合わせて、老後の生活を支えるために今からできる対策も考えてみましょう。
まずは、支出の見直しをすることが大切です。普段の生活費を見直し、無駄を削減することで、将来のための貯蓄を増やせます。特に、食費や交通費、通信費などの見直しは大きな節約につながります。
次に、生活習慣の改善を心掛けましょう。健康で長く働けるように、生活習慣を整えることも重要です。医療費や介護費がかからない生活を目指すことで、将来の出費も抑えられます。
その他では、定年後も収入を得られるように、副業やスキルアップも視野に入れておきましょう。特に、リモートワークやパートタイムなど柔軟な働き方を選べるよう、今のうちから準備しておくとよいでしょう。こうした対策は、老後に向けての安心感を高めてくれるとともに、生活の質を向上させてくれます。
まとめ
年収が異なると、将来の年金額にも影響が出ることが分かりました。しかし、年金は生活費の一部として考え、その他の手段で資金を準備することが老後の安心につながります。
節税ができる投資制度の活用や、支出の見直しやスキルアップを行うことで、年金以外の収入や資金を確保できます。老後を不安に感じるのは自然なことですが、今できることから取り組むことで、将来に向けて少しずつ備えを進めていきましょう。
出典
日本年金機構 公的年金制度の種類と加入する制度
Sasuke Financial Lab株式会社 コのほけん! と老後資金に関する意識調査
総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯)2024年(令和6年)9月分 (2024年11月8日公表)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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