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実家の「築36年」のアパートを相続することに! 家賃収入はうれしいけど、古い場合の「デメリット」はある? 相続税対策もあわせて解説

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月25日 4時40分

実家の「築36年」のアパートを相続することに! 家賃収入はうれしいけど、古い場合の「デメリット」はある? 相続税対策もあわせて解説

実家のアパートやマンションを相続する際、多くの人が「家賃収入が得られるならうれしい」と感じるかもしれません。   しかし、築年数が経過している物件を相続する場合、さまざまな問題が発生する可能性もあります。築36年ともなれば、老朽化や耐震性の問題、入居者の確保などの課題が浮上することが多いものです。   そこで、築年数が古いアパートやマンションを相続する場合に考慮すべきポイントとして、メリットとデメリット、そして相続税対策をみていきましょう。

築年数の経過が与える影響

築年数が経過したアパートやマンションには、老朽化に伴うさまざまな問題が発生する可能性があります。
 
まず、建物全体の劣化が進み、外観や内装の傷みが目立ってきます。そのため入居者からの評価が低くなり、空室リスクが増える要因になるのです。また、築36年ともなると、配管の腐食や給湯設備の故障といったトラブルも発生しやすく、修繕コストがかかるのも避けられません。
 
さらに、耐震性の問題も重要なポイントです。1981年以前に建てられた建物は、現在の耐震基準(新耐震基準)を満たしていない可能性が高く、大地震の際に倒壊や損壊のリスクが高まります。このような物件を相続する際には、安全性の観点から耐震補強工事の必要性が生じることもあり、その費用も無視できません。
 
築年数の経過が与える影響は、単に建物の外観や設備の問題にとどまらず、入居者確保の難しさや管理の手間の増加といった点でも考慮する必要があります。
 

築年数が古いアパートやマンションを相続するメリットとデメリット

築年数が古いアパートやマンションを相続する際は、メリットとデメリットの両面を理解しておきましょう。
 

メリット

・家賃収入が見込める
・地価の上昇が期待できるエリアでは資産価値が向上する可能性がある
・築年数が経過しているため、相続税評価額が低くなり、税負担が軽減される

 

デメリット

・建物の老朽化に伴い、修繕費用がかさむ
・固定資産税や管理費用などの負担が増える
・入居者確保が難しくなり、空室リスクが高まる

 
このように、築年数が古いアパートやマンションの相続には、家賃収入というメリットがある一方で、修繕や管理費用といった負担が増えるリスクが伴います。
 

築年数の古いアパートやマンションの相続税対策

築年数が古いアパートやマンションを相続する際には、相続税の負担を軽減するための対策が重要です。以下に、主な相続税対策を紹介します。
 

・減価償却を活用する

築年数が経過している物件は減価償却が進んでおり、物件の評価額が下がりやすくなります。評価額が低いと相続税が軽減されるため、減価償却の進んだ物件の相続は相続税対策として有効です。
 

・小規模宅地等の特例を活用する

一定の条件を満たすことで、相続税評価額を大幅に減額できる「小規模宅地等の特例」を利用できる場合があります。例えば、賃貸用として使用している宅地が該当することがあり、最大で80%の評価減が適用されるため、相続税負担が大きく軽減されます。
 

・リフォーム費用を計上する

相続した物件を維持し、入居者確保のためにリフォームを行う場合、その費用を税務上の経費として計上することができます。リフォーム費用の一部を経費として活用することで、節税対策の一環とすることが可能です。
 

築年数が古い物件を相続する際の判断ポイント

築年数が古いアパートやマンションを相続する際には、家賃収入、修繕費や管理費などの長期的な収支をシミュレーションし、売却も視野に入れて判断することが重要です。
 
さらに、相続税対策や物件運用について税理士や不動産の専門家に相談して、経済的なリスクを抑えた選択をしましょう。
 

出典

国税庁 No.2100 減価償却のあらまし
国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
 
執筆者:西村りえ
2級ファイナンシャルプランナー、AFP

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