今年の社員旅行は3泊5日のラスベガス。費用は基本的に会社負担なのですが「給与」として課税対象になるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月26日 5時20分
社員旅行で海外へ行くことになった場合は、費用を会社が負担してくれるケースが多いでしょう。しかし、場合によっては旅行にかかった費用を社員への「給与」として扱わなければならず、従業員に所得税が課税されることもあります。 本記事では、社員旅行の費用を経費計上できるケースと、給与として扱う必要があり課税対象になるケースについて、事例も含めて詳しく解説します。
社員旅行の費用は会社の経費にできるのか?
社員旅行の費用を経費計上するためには、一定の条件を満たしている必要があります。
国税庁によると、社員旅行が社会通念上、一般に行われているレクリエーション旅行と認められるものであり、さらに、その旅行によって従業員に供与する経済的利益の額が少額であることが、給与としなくてもよい前提となります。さらに、旅行の要件として以下の2つを満たすことが必要です。
●4泊5日以内の旅行であること
●全体の従業員の半数以上が旅行に参加していること
今回の事例では「3泊5日」のラスベガス旅行ということなので、全体の50%以上の従業員が参加していれば、基本的に旅費が給与として扱われることはないでしょう。そのため、課税対象となる心配はないはずです。
経費計上できず「給与」となるケース
役員だけで社員旅行へ行った場合や、取引先への接待や慰安のための旅行である場合などは、従業員レクリエーション旅行とは認められません。このような場合、旅行にかかった費用は給与として扱われ、課税対象となるので注意が必要です。
また「金銭との選択が可能な旅行」についても、経費計上はできないとされています。つまり「社員旅行に参加するか、参加しない代わりに金銭の支払いを受けるか」を従業員が選択できるようになっているケースです。もし、不参加者に対して会社が金銭を支給した場合は、旅行に参加した者の旅費も給与として課税対象になると考えられます。
旅行に参加する従業員が50%未満でも経費計上できる可能性がある
国税庁によると、従業員全体のうち社員旅行に参加する割合が50%未満であっても、旅行にかかる費用を経費計上できる可能性があるようです。
社員旅行の費用が、従業員の給与として扱われるかどうかは、旅行に参加した従業員が受ける経済的利益に関係すると考えられます。
例えば、その社員旅行が費用の経費計上できる条件を満たしていて、さらに旅行費用のうち従業員がその半分以上を負担するなど、従業員が受ける経済的利益が少額と判断される場合は、原則として旅費を給与としなくてよいことになっています。
そのため、仮に全従業員に対して旅行の参加者を募集したうえで、参加者が半数以上集まらなかった場合でも、年に1回行うことが決められているレクリエーション行事の一環であれば、従業員の参加割合が50%未満であっても課税しなくてよい可能性が高いでしょう。
条件を満たしていれば基本的に給与として課税対象になることはないと考えられる
社員旅行の費用は、一定の条件を満たしていれば基本的に福利厚生費として経費計上できるため、従業員の給与として扱われて課税対象になることはないと考えられます。
給与とならないための条件には、旅行の期間が4泊5日以内であることや、参加する従業員の割合が半数以上であることなどが挙げられるので、課税対象にならないか心配であれば確認してみるとよいでしょう。
ただし、旅行の参加人数が条件を満たしていなくても、経費計上できるケースがあります。従業員が受ける経済的利益の大きさにもよると考えられるため、具体例にどのようなものがあるか調べておくことをおすすめします。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行 従業員の参加割合が50%未満である従業員レクリエーション旅行
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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