現在勤めている会社はボーナスが出ないのですが、ボーナス無支給の会社って何割くらいなんでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月27日 8時50分
ボーナスが支給されない会社で働いていると、ボーナスのニュースなどを耳にしたときに、自分の状況が気になってしまうかもしれません。 そこで、統計データをもとにボーナス無支給の会社の割合や業種や企業規模によるボーナス支給の傾向を説明します。また、ボーナスの代わりに支給されるインセンティブや福利厚生など、給与体系の違いも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ボーナス支給の会社の割合は?
厚生労働省による「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等」によると、令和5年度の夏のボーナスが支給された事業所の割合は、調査産業の全体で平均65.9%と7割弱の事業所で支給されています。
産業別にみてみると「鉱業・採石業等」は100.0%となっていますが、「生活関連サービス等」の支給率は最も低い45.3%でした。また企業の労働者数においては、「500人以上の企業」では96.5%の支給率でしたが、「5〜29人の企業」では62.3%という結果でした。
ボーナスが出ない主な理由は経営状態の悪化です。利益に応じて賞与は支給されるため、簡単に下げることができない基本給とは異なり、賞与で人件費が調整されてしまいます。たとえボーナスの支給がなくても違法ではありません。
また「年俸制」を採用している会社の場合、ボーナスに該当する金額を12分割し、月給に上乗せして支払っているケースもあります。
ボーナスの平均支給金額とは?
厚生労働省による「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等」によると、支給事業所における1人の平均賞与額は39万7129円でした。
産業別にみてみると、最も高い金額だったのは「電気・ガス業」で74万5209円(支給率87.1%)、次点が情報通信業で70万8645円(支給率70.5%)でした。
一方、最も低い金額だったのは「飲食サービス業等」で5万9978円(支給率50.2%)、次点が「生活関連サービス等」18万6583円(支給率45.3%)という結果となっています。
「飲食サービス業等」に該当するレストランや「生活関連サービス等」に該当する理容室や美容室などは、新型コロナウイルスの影響で経営難になった影響を引き続き受けていることが推測されます。
ボーナス代わりのインセンティブとは?
ボーナスや賞与と混同される「インセンティブ」という制度があります。インセンティブ(Incentive)とは動機や刺激を意味した単語で、成果型の報奨金や評価の表現として使われています。
インセンティブはお金だけではありません。表彰や株などを報奨として設定されているケースもあります。インセンティブを活用する目的は、従業員の生産性向上や組織力の強化です。企業の業績ではなく、自身の評価が反映されます。
そのため、従業員がインセンティブという「刺激」に対して、自主性を持って働く「動機」を与えることから、労働の対価としてボーナスとは別に給付されているケースもあります。
ボーナス代わりの福利厚生とは?
ボーナス制度ではなく「福利厚生」を充実させている企業もあります。企業が福利厚生を利用する理由は、給与として計上するボーナスは所得の増加により、税金の負担増加にもつながるからです。福利厚生費として計上すれば、非課税対象となり節税が可能です。
例えば、寮や社宅の家賃を従業員が50%以上負担している場合、企業負担額は福利厚生費として計上できます。また、社員食堂などの食費に対して、企業が1人あたり月3500円以下を負担していれば、福利厚生費としての計上が可能です。
そのため、10万円の家賃のうち、会社から4万円の補助がある場合、1年間で48万円分になります。このように福利厚生をお金に換算してみると、ボーナスと同等のメリットを受けられる可能性もあるのです。
ボーナス無支給の会社は3割ほど
ボーナスはおよそ7割近い会社で支給されていますが、3割ほどの会社では無支給です。業績悪化でボーナスの支給が難しいケースだけでなく、インセンティブや福利厚生などの要素で従業員に還元されており、「ボーナス」としては無支給なケースもあります。
現在勤めている会社の状況や福利厚生などをあらためて確認してみましょう。
出典
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等
総務省 日本標準産業分類(令和5年7月告示)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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